酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

思考停止の風景

2008-01-23 21:38:12 | Weblog
 FRBの0・75%利下げにアメリカ市場は冷淡に反応し、日本は期待感が上回った。と見るのは早計かもしれない。
 
 日本の方がサヤ取りに敏感だと解するべきか。要は大局観がなく、セコいということだ。東証のギクシャクした動きは、日本の政治をそっくり反映しているように思える。これぐらいの政治には、これぐらいの市場。国民とメディアもまた然り。情けないがそういうことだろう。

 22日の記者会見で大田弘子が「日本の経済はもはや一流ではなくなった」と語った。半分正しくて、半分は誤りだ。経済が一流だったことなどない。それを支える技術者や労働者が勤勉だったため、一流っぽく見えたに過ぎない。

 日本の経営者は口からでまかせを言う人物が多すぎる。たとえば、トヨタの渡辺捷昭社長である。プラグイン・ハイブリッド発表の際、メディアに「(環境対応車を出せない)そういう企業は自動車産業にはいらない」と言い放った。

 そういうトヨタはどうなのですか。ハイブリッド車は生産量の3%程度だ。ヴィッツやカローラにハイブリッドを搭載してから言ってほしいものだ。羊頭狗肉という言葉があるが、今風に言えば「プリウスを旗印にレクサスを売る」だ。トヨタの労務管理も21世紀型にはほど遠い。いまだに「豊田家への大政奉還」などといっている。この会社は、肝心なところで思考が止まっている。

 もっとひどいのは、もちろん政治の世界だ。自民党は末期症状だが、民主党も負けてはいない。小沢某に頼っているようではおしまいだ。彼は議案審議や採決、民主主義などどうでもいいと考えているのだろう。覇道と権道だけが政治だと考えている男の思考も停止状態といわねばなるまい。
 
 かくして、この国の中枢は脳死である。生き返らせるには、若い血を注入するしかない。韓国やアメリカの大統領選挙で、若い支持者が盛り上がっている(いた)。主張の当否は別にして、実にうらやましい光景だ。日本には若いモンにメッセージを発信できる政治家はいないのか。

 
コメント
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