酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

天皇と皇太子あるいは皇室の重大事

2008-02-27 22:17:43 | Weblog
 2週間ほど前の羽毛田宮内庁長官発言が波紋を広げている。
 13日の定例会見で発した「(皇太子一家の)参内回数が少ない。両陛下も心配されていると思う」という例の発言である。

 「臣下が皇太子に言うことか」、「私なら言わない」(元宮内庁長官)。近習入り乱れてかまびすしい。

 メディアも大張り切りだ。産経は「長官発言は、本当に両陛下のお心にかなっているのだろうか」と心配し、朝日は「ここは長い目で見守りたい」と分かったようなことを言う。しかして、天皇と皇太子の間には何ががあったのか。はたまた、なかったのか。天皇の肉声が聞こえてこない以上、想像をたくましくするしかない。

 ヒントはその後明らかになった事実の中にあるように思われる。

 まず、天皇の健康状態である。宮内庁は25日、定期検査の結果を公表した。
 骨密度が低下している。これは前立腺がんのホルモン療法の副作用で、放置すれば骨粗しょう症に至る。運動療法を行っていただくよう申し上げた。との内容である。

 ホルモン治療以降、天皇の顔がむくんでいるのはテレビを通してもよく分かった。副作用が出ていることは素人目にも明らかだ。天皇自身もそのことは十分に理解していたと推察できる。

 「まだ皇太子に伝えたいことが山ほどある。毎日でも通ってきてほしい」。こんな思いを長官に伝えたのだろう。公にしたのは長官の判断とみるべきだ。

 22日、奈良市山陵町の神功皇后陵(五社神古墳)の調査が行われた。天皇家の陵墓が公式に調査されたのは初めてである。

 天皇は68歳の誕生日の会見で「私自身としては、桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています」とこれまた異例の言及をしている。

 今回の調査にたいして天皇の裁可はあったのだろうか。こんな細かいところまで天皇を煩わせる必要はない、というのが一般的な解釈だ。おそらくそうだろう。

 だが、これは本格的陵墓調査の一里塚である。やがて発掘にまで進むことは間違いない。天皇家の墓を掘れば、さまざまな事実が明るみに出る。韓国とのつながりを示唆した先の天皇発言は、そのときに備えたものではないか。

 皇太子に告げたかったいくつかも、これとかかわりがある。考えるのはうがちすぎか。

 皇室とは何者で、どこから来たのか。過去や未来とどうつながっているのか。皇太子とこれらの思いを共有したかった。愛子ちゃんは、いわばダシである。

 雅子さん問題と皇室問題をごっちゃにしては本質を見誤る。天皇制そのものの危機を、天皇は肌で感じているに違いない。きわめて真っ当な感覚である。

 



 
コメント
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