さすが文部科学省というべきか。
テストが大好きなのですね。昨年復活させた全国学力テストに加えて、今年度からは全国体力テストを始めるという。
学テは43年ぶりの復活だったが、悉皆調査による「体テ」は史上初めての怪挙だ。今年度以降、毎年実施する方針というから、ご念の入ったことだ。
ただ、参加するかどうかについては、各学校の裁量を認めているようだ。市町村教委が各校の参加意思を確認するシステムだ。ここは一つのポイントになる。つまり、教育委員が学校にどうアプローチするか、ということである。
「お宅の学校はどうされますか」。こう尋ねれば学校行事などとの兼ね合いもあり参加見合わせも増えるだろう。ところが、そうはならない可能性が高い。文科省→県教委→市町村教委→学校と流れてくる「体テ」情報は、その有用性を縷々説明しながら繰り返し届けられるだろう。この流れに従えば「不参加」とはいいにくい状況になる。学テ並みの実施率になると考えて間違いではあるまい。
もっとも、学テに不参加だった犬山市のように体テへの参加を渋る自治体も出てくるに違いない。なぜ全員参加でなければならないのかなど、テストの意図が不明確だからだ。
犬山市教委の論議では「運動能力の低下は既に明らか。なぜ全員参加の調査が必要なのか」「学力テストと同じように地域間格差が明らかになる」など参加に否定的なの意見が多く出たという(毎日新聞)。
小学生からお年寄りまでの体力テストは毎年行われている。傾向調査ならこれで十分だ。悉皆調査で新たに分かるのは、都道府県、市町村、学校単位での違いぐらいだろう。早い話がランク付けだ。それを参考に、凹んでいる地域に改善を促す。こういう筋書きではないか。
文武両道を目指すのが日本男児(女児)ということですか。でも、こういうやり方は子どもたちの逃げ場をどんどんなくしていくことにつながらないか。
学業も駄目、体力も劣る。コンプレックスに悩む子どもを増やすだけだ。
土曜の休みがなくなる。英語教育が始まる。勉強の量は増えた。文科省の改革自体が子ども運動や遊びから引き剥がす役割をしている。ここに気づかなければどうしようもない。
子どもの(大人でもそうだ)体力が教育で養われると考えているのなら大間違いだ。体力は日常生活で培うものだ。いまの子どもたちが柔なのは、戸外活動がめっきり減ったからだ。
学校から帰ったら、ランドセルを玄関に放り投げて遊びにいく。いささか郷愁めくが、こうした光景を取り戻さないことには、たくましい子どもは育たない。
テストに金をつぎ込むなら、秘密基地の一つも造ってもらいたい。
テストが大好きなのですね。昨年復活させた全国学力テストに加えて、今年度からは全国体力テストを始めるという。
学テは43年ぶりの復活だったが、悉皆調査による「体テ」は史上初めての怪挙だ。今年度以降、毎年実施する方針というから、ご念の入ったことだ。
ただ、参加するかどうかについては、各学校の裁量を認めているようだ。市町村教委が各校の参加意思を確認するシステムだ。ここは一つのポイントになる。つまり、教育委員が学校にどうアプローチするか、ということである。
「お宅の学校はどうされますか」。こう尋ねれば学校行事などとの兼ね合いもあり参加見合わせも増えるだろう。ところが、そうはならない可能性が高い。文科省→県教委→市町村教委→学校と流れてくる「体テ」情報は、その有用性を縷々説明しながら繰り返し届けられるだろう。この流れに従えば「不参加」とはいいにくい状況になる。学テ並みの実施率になると考えて間違いではあるまい。
もっとも、学テに不参加だった犬山市のように体テへの参加を渋る自治体も出てくるに違いない。なぜ全員参加でなければならないのかなど、テストの意図が不明確だからだ。
犬山市教委の論議では「運動能力の低下は既に明らか。なぜ全員参加の調査が必要なのか」「学力テストと同じように地域間格差が明らかになる」など参加に否定的なの意見が多く出たという(毎日新聞)。
小学生からお年寄りまでの体力テストは毎年行われている。傾向調査ならこれで十分だ。悉皆調査で新たに分かるのは、都道府県、市町村、学校単位での違いぐらいだろう。早い話がランク付けだ。それを参考に、凹んでいる地域に改善を促す。こういう筋書きではないか。
文武両道を目指すのが日本男児(女児)ということですか。でも、こういうやり方は子どもたちの逃げ場をどんどんなくしていくことにつながらないか。
学業も駄目、体力も劣る。コンプレックスに悩む子どもを増やすだけだ。
土曜の休みがなくなる。英語教育が始まる。勉強の量は増えた。文科省の改革自体が子ども運動や遊びから引き剥がす役割をしている。ここに気づかなければどうしようもない。
子どもの(大人でもそうだ)体力が教育で養われると考えているのなら大間違いだ。体力は日常生活で培うものだ。いまの子どもたちが柔なのは、戸外活動がめっきり減ったからだ。
学校から帰ったら、ランドセルを玄関に放り投げて遊びにいく。いささか郷愁めくが、こうした光景を取り戻さないことには、たくましい子どもは育たない。
テストに金をつぎ込むなら、秘密基地の一つも造ってもらいたい。