昨年に続いて今年も小中学生対象の「全国一斉学力テスト」が22日に行われた。費用は約60億円。テスト結果の分析や教育現場へのフィードバックなどは「検討中」で、要するに何のための学テかは、今のところよく分からない。
渡海文科相は「最低5年は続けたい」と寝ぼけたことを言っててい。いまのところの「効用」は学校の序列化を進めることぐらいのテストを、あと3年も続ける意味はどこにあるのか。私立学校は「何のためにもならない」とそっぽを向き始めている。犬山市のように離脱する自治体が増える事態も予想される。
子どもの学力が低下しているというのは本当だろうか。思考力や社会事象に対する反応は、昔と比べると格段に向上している。会話してみれば分かる。切り返しの速さなどは驚くべきものだ。
低下しているのは好奇心であり、関心を向ける領域である。蛸壺化が進んでいると言い換えてもいい。他とかかわったり、興味を向けたりすると変なことに巻き込まれやしないか。そんな心理が働いているのだろう。
ここをほぐしてやらなければ、いくら勉強を詰め込もうとしても頭の中までは入っていかない。そもそも疲れきった教師が生き生きした授業など出来るはずがない。テスト結果は教師の評定にもつながる可能性がある。ストレスがまた増える。
公立の学校には期待できない。学力を手っ取り早くあげるには塾だ。というわけで!? 東京都は全国で初めて、生活保護を受けている世帯の児童生徒が学習塾に通う費用を援助する制度をスタートさせた。
小金井市などは既に同様の制度を持っている。所得格差が教育格差にならないようにとの配慮で、一定の評価は出来るだろう。金額は一人年間5万-15万円で、対象者は約1万人と推定される。都保護課は「一般家庭の塾費は平均26万円。都の補助は最低限のサポート」と話す。
でも、何か変だ。塾に行かなければ学校の授業についていけないということなのか。中学や高校入試を見込んだ措置なのか。
地方の中山間地で、学習塾に通ったり家庭教師に付いたりしている子どもはまれである。都の方針は、学力競争でも地方を蹴散らそうということなのかもしれない。
順序と方法が違う。優秀な教員(もちろん人間的にも)を増やす。子どもの好奇心を引き出すための教育法を研究する。学習到達度ではなく、問題発見能力を重視する。地域に子どもたちが何をやってもいい広場を設ける。
新学習指導要領が「ゆとり」を排して、詰め込みに走ったのは大きな間違いだ。このツケはやがて出てくる。
教育期間を20代前半までの狭い範囲に押し込めたり、新卒以外の採用に二の足を踏んだりしている社会環境から変えなくては、教育は変わらない。小手先の技術論に走っている限り、教育再生などあり得ない。
渡海文科相は「最低5年は続けたい」と寝ぼけたことを言っててい。いまのところの「効用」は学校の序列化を進めることぐらいのテストを、あと3年も続ける意味はどこにあるのか。私立学校は「何のためにもならない」とそっぽを向き始めている。犬山市のように離脱する自治体が増える事態も予想される。
子どもの学力が低下しているというのは本当だろうか。思考力や社会事象に対する反応は、昔と比べると格段に向上している。会話してみれば分かる。切り返しの速さなどは驚くべきものだ。
低下しているのは好奇心であり、関心を向ける領域である。蛸壺化が進んでいると言い換えてもいい。他とかかわったり、興味を向けたりすると変なことに巻き込まれやしないか。そんな心理が働いているのだろう。
ここをほぐしてやらなければ、いくら勉強を詰め込もうとしても頭の中までは入っていかない。そもそも疲れきった教師が生き生きした授業など出来るはずがない。テスト結果は教師の評定にもつながる可能性がある。ストレスがまた増える。
公立の学校には期待できない。学力を手っ取り早くあげるには塾だ。というわけで!? 東京都は全国で初めて、生活保護を受けている世帯の児童生徒が学習塾に通う費用を援助する制度をスタートさせた。
小金井市などは既に同様の制度を持っている。所得格差が教育格差にならないようにとの配慮で、一定の評価は出来るだろう。金額は一人年間5万-15万円で、対象者は約1万人と推定される。都保護課は「一般家庭の塾費は平均26万円。都の補助は最低限のサポート」と話す。
でも、何か変だ。塾に行かなければ学校の授業についていけないということなのか。中学や高校入試を見込んだ措置なのか。
地方の中山間地で、学習塾に通ったり家庭教師に付いたりしている子どもはまれである。都の方針は、学力競争でも地方を蹴散らそうということなのかもしれない。
順序と方法が違う。優秀な教員(もちろん人間的にも)を増やす。子どもの好奇心を引き出すための教育法を研究する。学習到達度ではなく、問題発見能力を重視する。地域に子どもたちが何をやってもいい広場を設ける。
新学習指導要領が「ゆとり」を排して、詰め込みに走ったのは大きな間違いだ。このツケはやがて出てくる。
教育期間を20代前半までの狭い範囲に押し込めたり、新卒以外の採用に二の足を踏んだりしている社会環境から変えなくては、教育は変わらない。小手先の技術論に走っている限り、教育再生などあり得ない。