「(西松の捜査は)自民党議員には及ばないだろう」と述べて物議を醸したのは漆間官房副長官だったが、今度は「政府筋」なる人物がMDの有用性について疑問を投げかけた。なかなか含蓄のある発言だ。
《政府筋は23日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の迎撃について「ピストルの弾をピストルで撃ち落とせるはずがない」と述べ、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などミサイル防衛(MD)による迎撃は不可能との認識を示した。
政府がミサイル迎撃の準備を検討している中で、政府筋がMDの実効性を否定したことは波紋を広げる可能性もある。
さらに政府筋は、これまでの海上自衛隊による海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の発射試験にも触れ「成功したのは『今から撃ちますよ』と言ってくれるからだ」と疑問を呈した》=23日・共同=
北朝鮮が「衛星」を打ち上げるのは間違いない。これだけ宣伝しておいて、実行しなければ面子丸つぶれだ。日本はこれを迎撃すべきか。答えはノーだ。当たっても外れても困るからだ。
迎撃するケースについて浜田防衛相は「国内に落下する恐れがあるとき」と述べている。北がまともに日本を狙って撃ってくるとは、今の時点では考えられない。ということは衛星打ち上げ失敗の場合を想定しているのだろう。
推進力を失って落下してくるだけのロケットを迎撃するのは至難の業だ。MD迎撃は敵ミサイルの速度などをはじき出して迎え撃つものだからだ。野球のバッターがナックルを打つようなものだろう。日本のはるか上空を飛行するロケットを撃ったとなると、国際法上の疑義が生じる。
「政府筋」発言はそのあたりの危惧を正直に吐露したものといえよう。迎撃ムードを冷やそうという狙いがあるのかもしれない。これまでの政府、自民党の態度は「やれるものならやってみろ」といわんばかりのけんか腰である。こんな状況で北が撃ってきたら、迎撃せざるを得なくなる。それはあまりにリスクが大きい。「政府筋」氏はそう考えたに違いない。
ところで、この筋氏は? これも漆間だろう。前回の「政府高官」から表現を変えて出所を隠したと想像できる。政府筋とは官僚を意味する。自民党議員なら「自民党筋ないし自民党有力者」などというはずだ。
さてこの筋氏、今度は自民党サイドから突き上げを食らいそうだ。目立ちたがるかって墓穴を掘るの図である。
《政府筋は23日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の迎撃について「ピストルの弾をピストルで撃ち落とせるはずがない」と述べ、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などミサイル防衛(MD)による迎撃は不可能との認識を示した。
政府がミサイル迎撃の準備を検討している中で、政府筋がMDの実効性を否定したことは波紋を広げる可能性もある。
さらに政府筋は、これまでの海上自衛隊による海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の発射試験にも触れ「成功したのは『今から撃ちますよ』と言ってくれるからだ」と疑問を呈した》=23日・共同=
北朝鮮が「衛星」を打ち上げるのは間違いない。これだけ宣伝しておいて、実行しなければ面子丸つぶれだ。日本はこれを迎撃すべきか。答えはノーだ。当たっても外れても困るからだ。
迎撃するケースについて浜田防衛相は「国内に落下する恐れがあるとき」と述べている。北がまともに日本を狙って撃ってくるとは、今の時点では考えられない。ということは衛星打ち上げ失敗の場合を想定しているのだろう。
推進力を失って落下してくるだけのロケットを迎撃するのは至難の業だ。MD迎撃は敵ミサイルの速度などをはじき出して迎え撃つものだからだ。野球のバッターがナックルを打つようなものだろう。日本のはるか上空を飛行するロケットを撃ったとなると、国際法上の疑義が生じる。
「政府筋」発言はそのあたりの危惧を正直に吐露したものといえよう。迎撃ムードを冷やそうという狙いがあるのかもしれない。これまでの政府、自民党の態度は「やれるものならやってみろ」といわんばかりのけんか腰である。こんな状況で北が撃ってきたら、迎撃せざるを得なくなる。それはあまりにリスクが大きい。「政府筋」氏はそう考えたに違いない。
ところで、この筋氏は? これも漆間だろう。前回の「政府高官」から表現を変えて出所を隠したと想像できる。政府筋とは官僚を意味する。自民党議員なら「自民党筋ないし自民党有力者」などというはずだ。
さてこの筋氏、今度は自民党サイドから突き上げを食らいそうだ。目立ちたがるかって墓穴を掘るの図である。