酔眼独語 

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小沢氏辞任せず

2009-03-25 04:43:39 | Weblog
 「さすがイチロー」とみんなが快哉を叫んだ日、もう一人の一郎は孤独な戦いに挑むことを表明した。民主党代表の小沢一郎のことだ。公設第一秘書が24日、政治資金規正法違反の罪で起訴された。逮捕時、「進退は検察の処分が出てから」と述べていた小沢の動向が注目されたが、決断は「続投」だった。


 《西松建設の巨額献金事件で東京地検特捜部は24日、民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)を政治資金規正法違反の罪で起訴した。これを受け小沢氏は記者会見で「国民の側に立った政治を実現するため今後も頑張る。政権交代が最後の仕事だ」と続投を表明した》=共同=


 会見での小沢の表情は、いつにも増して下瞼がはれており体調の悪さをうかがわせた。「同士や国民のみなさまから激励もあり」続投を決めてのだという。かなり勝手な理屈だ。起訴事実が政資法違反という形式的なものだったことで強気に出たようだが、逮捕時の発言とは微妙にずれている。

 小沢は「近いうちに必ず嫌疑は晴れる」「起訴はない」と語っていた。罪名の如何を問わずという趣旨であろう。嫌疑は晴れなかった。なのに、なぜ続投なのか。この筋道が分からない。

 小沢や民主党が「国策捜査」と批判するのは自由だし、大きく間違ってはいないだろう。東京地検の次席が会見で起訴理由を説明するという異例の挙にでたのはその傍証といえる。「悪質性」を印象付け、世論の誘導を図ろうというのだ。


 《「国民を欺く、看過し得ない悪質な事案だ」。小沢一郎民主党代表の公設秘書を起訴した東京地検の谷川恒太次席検事は24日夕、佐久間達哉特捜部長とそろって発表に臨み、異例の説明を行った。
 谷川次席は「政治資金規正法は議会制民主主義の根幹を成す法律。政治資金の実態を偽ることは、国民を欺いて政治判断をゆがめることにほかならない」と強調。「国会議員の政治団体が特定の業者から長年にわたり、多額の金銭提供を受けたことを国民の目から覆い隠したもので、法の趣旨に照らしても看過し得ない」とした》=時事com=


 この会見内容は冒頭陳述のあらすじとみるべきだ。つまり検察のシナリオである。この段階でこんなことを話すこと自体、きわめて政治的であり、意図を感じる。政治家本人には手を伸ばせないが、政治的には葬り去ることは可能だ。今回の起訴の狙いはそこら辺りにありそうだ。

 で、小沢の判断である。続投か辞任かは衆院選への影響度を見極めて、という判断基準は間違ってはいない。だとしたら「辞任」となるべきだ。「国策捜査とは断固として戦う。だが、私事で党に迷惑は掛けられない」こう表明すべきだったのだ。

 民主党はしばらく動揺を続けるだろう。猫の首に鈴を付けられない連中ばかりでは頼りない限りだ。こんなことでは次期政権を託す気持ちも失せるというものだ。
コメント
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