酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

落合礼賛のお気楽メディア

2009-04-09 05:01:42 | Weblog
  WBCとセンバツを前座? に日米のプロ野球が開幕した。セでは中日、パでは楽天と苦戦が予想された球団が飛び出し、今年のペナントレースも混戦になりそうだ。

  中日落合と楽天野村、球界屈指の偏屈監督が率いる両球団が、戦力不足を逆手にとって上位が予想されたチームを脅かしているのが面白い。結果でモノを言うのが大好きなメディアは、早くも両監督のチームづくりや用兵を賞賛し始めた。ペナント予想でさんざん「苦戦必至」とかき立てたことなどすっかり忘れたようだ。この国のスポーツジャーナリズムの底の浅さをあらためて見せつけられたようで、いささかげんなりである。

  開幕戦の先発に吉見ではなく浅尾を立てて快勝した落合の発言がいい。「普通に考えれば開幕は浅尾。みんなキャンプやオープン戦見てないもんな」。人気球団に群がる記者連中への痛烈な皮肉である。

  こんなことを言われたら、腹を立てるものだが従順なわがメディは違う。早速落合礼賛の胡麻すりである。中でも朝日の編集委員西村欣也がすごい。ごりごりと音が聞こえるほどだ。自分のコラム「EYE 欣也」に「落合采配 ぶれない軸」の見出しを掲げてこう書く。

 《それを奇策とは呼ばない。中日の落合博満監督は開幕戦で3年目の浅尾拓也を先発させた(中略)。

 思い出すのは04年だ。開幕投手に3年間勝ち星のなかった川崎憲次郎を先発させた。川崎は打ち込まれたが、チームは逆転勝利した。川崎は結局、中日では1勝もあげられなかった。が、この年、中日はリーグ優勝を果たした。

 川崎を開幕投手にした意図を落合監督に聞いた。「もがき苦しんでいる男の背中を押してやることが、チームを変えることになるんだ」。周囲には奇策に見えても、落合監督の軸がぶれることはない(中略)。

 パリーグは楽天が3連勝。野村克也、落合のタクトがシーズンを盛り上げる》=7日付け=

 朝日は「きょう開幕」の当日、「中日は吉見が濃厚」と書いている。西村君、後輩への指導が足りんのじゃあないかね。しかし、ヨイショもここまでくれば立派? なものだ。

 西村は極端だが、各紙とも似たり寄ったりだ。でも冷静に分析すれば中日と楽天は駒不足。夏場に入ってへたってくるのは目に見えている。横浜など戦力的に劣るチームは別として、巨人、西武、オリックスあたりは序盤のつまずきで済ますことができるだろう。

 まあ、スポーツは結果だから戦績で一喜一憂するのはやむを得ない面もある。それにしても、もう少し分析力のあるところを見せてほしい。チームに張り付いて取材をしているのは何のためか。人間ドラマもいいが、スポーツを見る目がなくては話にならない。
コメント
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