酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

9年連続200安打

2009-09-15 05:19:17 | Weblog
 イチローが9シーズン連続200安打の大リーグ記録を打ち立てた。108年ぶりのことだという。

 メジャー通産2000本安打を達成したときイチローは「試合数が多いので云々」と言っていた。94年には日本でも200本を打っている。162試合で打つことはさほど難しいことではないだろう。だが、9年続けるとなると誰もができることではない。

 何より、ほぼすべての試合で出て、打席に立たなければ記録は覚束ない。ここがすごいところだ。怪我をしない。というより、使ってもらわなければ話にならない。欠くべからざる選手であり続けるということだ。

 でも、天邪鬼の当方としては、記録は記録として認めつつ注文も大いにある。いまのイチローは打撃の真髄とは程遠いと思っているからだ。

 記録達成の一打はショートへの内野安打だった。バットの根元に当たった打ち損じである。前田智徳ならセーフになった後、悔しがってスパイクでベースを蹴り上げていたかもしれない。

 ここからはそれこそ「酔眼独語」である。

 イチローはどこまで意識して内野安打を打っているのか傍目には分からない。彼自身も解説はしない。当たり損ねと狙い打ちは明らかに違う。その意識がイチローの中にあるのだろうか。結果オーライではつまらない。

 かつてイチローは「意識して空振りする」と言ったことがある。打ってもヒットになりそうもない球にバットが出たとき、一瞬の判断で当てずに空振りできれば次にまた打ち直すことができる、という趣旨だ。

 これは内野安打の思想ではない。完璧の打撃を求めているから言えることだろう。その考えがズレてきている。そう思うのは当ブログだけだろうか。

 究極の打法とは何か。自分が完璧に打てる球を待って、完璧に打ち返すことに尽きる。狙った球以外はカットする。イチローはどんな球にでもバットを出す。いいところに転がれば安打になると思っているのだろう。

 これは野球や打撃に対しての哲学の問題だから、周りがとやかく言うことではない。でも、天才的なバットコントロールと並外れた動体視力を誇るイチローなら、打率・350は物足りない。4割超えと連続安打記録の更新を期待したい。

 162試合連続安打、10打席連続安打、しびれるねえ。

 会心の当たりが正面を突くことがあるのも野球だ。当たり損ねの安打より会心の凡打に快感を感じるイチローがいてもいい。足、肩、打撃三拍子そろってこそのイチローだから、どれか一つが欠けてもバットを置き、スパイクを脱ぐだろう。でもあの節制ぶりだ。あと10年ぐらいはプレーできる。昨日のNHKラジオで山田久志は「45までやるといっていた」と話した。ワカマツ監督は「50歳」という。あと10年今の状態でプレーできれば、ピート・ローズの4256安打を抜くことは不可能ではない。

 それも見たがテッド・ウィリアムズ以来60年以上も生まれていない4割打者の出現も見たい。ローズの年間200安打10年を超えた後は、四球を選んで夢の4割に挑戦してほしい。
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