さる8月、天皇が国民に向けたビデオメッセージで「生前退位」の意向をにじませる考えを表明したことを受け、ようやく政府が動き出した。「有識者会議」を設置して「静かに議論」するのだという。どんなお方が-と顔ぶれを見てがっかりというか、げんなりというか…。憲法や天皇制を専門にした識者はゼロ、いつかどこかで見たような人々で固めた〝お友達会議〟というのがふさわしい。
《政府は23日午前、天皇陛下の「生前退位」を検討する有識者会議のメンバーに経団連の今井敬名誉会長や東大の御厨貴名誉教授ら6人を起用すると発表した。会議の設置は同日付で、10月中旬にも初会合を開く。政府は今の天皇に限り退位を認める特例法での対応を軸に、早ければ来年の通常国会での法整備を目指しており、有識者会議で議論を本格化させる。
会議の名称は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」で、安倍晋三首相が開催する。メンバーはほかに上智大大学院の小幡純子教授、慶応義塾の清家篤塾長、千葉商科大の宮崎緑教授、東大の山内昌之名誉教授。会議では憲法や皇室制度に精通した外部の専門家からも意見を聴き、提言を取りまとめる。事務局は内閣官房皇室典範改正準備室が担う。
菅義偉官房長官は23日の閣議後の記者会見で「今上陛下がご高齢であることを踏まえ、公務の負担軽減などについて予断を持つことなく静かに議論したい」と強調。有識者会議については「憲法上、天皇の地位は国民の総意に基づくとされていることを踏まえ、高い識見を有する方々に国民の幅広い意見を反映した提言を取りまとめてもらう」と語った。
提言時期については「いたずらに対応を先延ばしするものではない。はじめにスケジュールありきではなく会議の議論の中で考えてもらう」と述べるにとどめた。有識者会議の議論の方向性がまとまった段階で、与野党を交えて議論する必要があるとの認識も示した。
首相は26日の臨時国会召集日に実施する所信表明演説で、有識者会議で議論を深める考えを示す見通し。生前退位を巡る議論については18日に羽田空港で記者団に「期限ありきではなく、静かにまずは様々な方々からお話を伺いたい」と述べた》=24日・日経Web=。
だいたい、会議の名称からして逃げ腰だ。「公務の負担軽減等に関する…」-生前退位を前面に据えなくてどうする。「陛下のお言葉を受けて、生前退位の検討~立法化となると憲法に抵触する恐れがある」と考えてのことだろうが、こんなことでまともな議論ができるわけがない。
この会議にはもっと大胆な議論を求めたい。例えば憲法第一条の「国民の総意」とは何かといったことについてである。憲法改正に熱心な安倍首相のことである。第一条からきちんと考えてみようではないか。
とはいえ、宮崎緑さんらがそのような本質的な問題について侃々諤々やりあうということはないだろう。結局、官邸と宮内庁の合作による答申に終わるのがおちだ。
《政府は23日午前、天皇陛下の「生前退位」を検討する有識者会議のメンバーに経団連の今井敬名誉会長や東大の御厨貴名誉教授ら6人を起用すると発表した。会議の設置は同日付で、10月中旬にも初会合を開く。政府は今の天皇に限り退位を認める特例法での対応を軸に、早ければ来年の通常国会での法整備を目指しており、有識者会議で議論を本格化させる。
会議の名称は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」で、安倍晋三首相が開催する。メンバーはほかに上智大大学院の小幡純子教授、慶応義塾の清家篤塾長、千葉商科大の宮崎緑教授、東大の山内昌之名誉教授。会議では憲法や皇室制度に精通した外部の専門家からも意見を聴き、提言を取りまとめる。事務局は内閣官房皇室典範改正準備室が担う。
菅義偉官房長官は23日の閣議後の記者会見で「今上陛下がご高齢であることを踏まえ、公務の負担軽減などについて予断を持つことなく静かに議論したい」と強調。有識者会議については「憲法上、天皇の地位は国民の総意に基づくとされていることを踏まえ、高い識見を有する方々に国民の幅広い意見を反映した提言を取りまとめてもらう」と語った。
提言時期については「いたずらに対応を先延ばしするものではない。はじめにスケジュールありきではなく会議の議論の中で考えてもらう」と述べるにとどめた。有識者会議の議論の方向性がまとまった段階で、与野党を交えて議論する必要があるとの認識も示した。
首相は26日の臨時国会召集日に実施する所信表明演説で、有識者会議で議論を深める考えを示す見通し。生前退位を巡る議論については18日に羽田空港で記者団に「期限ありきではなく、静かにまずは様々な方々からお話を伺いたい」と述べた》=24日・日経Web=。
だいたい、会議の名称からして逃げ腰だ。「公務の負担軽減等に関する…」-生前退位を前面に据えなくてどうする。「陛下のお言葉を受けて、生前退位の検討~立法化となると憲法に抵触する恐れがある」と考えてのことだろうが、こんなことでまともな議論ができるわけがない。
この会議にはもっと大胆な議論を求めたい。例えば憲法第一条の「国民の総意」とは何かといったことについてである。憲法改正に熱心な安倍首相のことである。第一条からきちんと考えてみようではないか。
とはいえ、宮崎緑さんらがそのような本質的な問題について侃々諤々やりあうということはないだろう。結局、官邸と宮内庁の合作による答申に終わるのがおちだ。
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