麻生太郎首相が4日、年頭記者会見の席で「書初め」を披露してくれた。筆を取る太郎君を見て、愚妻は「大丈夫? 書けるのかしら」と気をもんでいたが、「安心 活力」の4文字では間違いようがなかった。
《首相は記者会見の冒頭、「安心して暮らせる日本、活力のある日本という思いを、年始めの字に込めたい」と語ると、演壇脇のイーゼルに立て掛けられた縦約45センチ、横約53センチの色紙に、毛筆で「安心活力」と大書した。首相は日頃から、礼状などを毛筆でしたためる習慣があり、官邸関係者によると、年頭の記者会見での“書き初め”は、「極めて異例」だという》=読売web=。
しかし、肝心の会見の中身は言葉だけが踊る惨憺たるものだった。
《国民の皆さんの生活を守るために、やり抜く覚悟です。悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。好きな言葉であり、ある哲学者の言葉です。未来は私たちがつくるもの、我々がつくる、未来は明るい、そう信じて、行動を起こす。そうした意志こそが、未来を切り開く、大きな力になるものだと思っております。国民の皆様のために、明るい日本をつくりたい。そう強く考えております》=朝日web=。
この国を覆っているのは前途への不安である。意思を持って行動を起こそうにも、その場や機会がない。これが現下の実情だろう。代々木公園の「派遣村」で「未来は明るい」とぶって反応を聞けばよかった。こういうノー天気さが支持率を押し下げていることが理解できていない。困ったものだ。
その後の一問一答もピンボケだ。
《――支持率が下がる中、解散は自身で(断行)するのか。その場合、どういった争点で戦うのか。
「あの、まず、基本的には、解散は、最終的に、誰が決断するかと、総理大臣が解散を決断します。すなわち、麻生太郎が決断をします。それから、争点。これは、もうはっきりしてるんじゃないでしょうか。国民生活の安定、我々は効果的な経済対策とか、生活対策とかいうことを迅速にうつ、いうことができるのは、政府自民党、確信しています》=朝日web=。
「争点」という言葉の意味が理解できていない。「国民生活の安定」などが争点であるはすがない。何のために政治が存在するかを考えればすぐ分かることだ。小泉構造改革路線をどうするのか。財政規律と消費税引き上げの関係は。派遣労働法の見直しを含む、労働環境改善にどう取り組むのか。
これらについて明確にすれば、争点などおのずから明らかになる。それを言えないところに苦しさがあるのだろう。
書初めがよくできたことに安心したのか、最後に署名するところでミスをしてしまったらしい。漢字の使い方が間違っていたのだ。テレビでは脇の文字までは見せてくれなかったが、なるほどね。この署名、あらかじめしたためてあったというから、これもまた驚きだ。
《麻生首相が4日の年頭記者会見で見せた「書き初め」の落款(らっかん)が話題になっている。
落款は書画に添える筆者の署名で、色紙にあらかじめ「平成廿十一年新春 麻生太郎」と記されていた。国語辞典「大辞泉」などによると、「廿」は1文字で「二十」を意味し、「下の『十』はいらない」というのだ。
自民党のホームページが元日付で掲載した首相の「年賀状」の日付も「平成廿十一年元旦」。1日にはインターネットで「『廿一』が正解ではないか」と指摘されていた。首相は昨年、漢字で痛い目にあっただけに、与党には「首相官邸のチェック体制はどうなっているのか」と深刻に受け止める向きもある》=読売web=。
「廿」はパソコンの変換でも一文字で出てくる。間違って覚えることはよくあるが、公にするときにはチェックするぐらいの慎重さが必要だろう。官邸の危機管理能力も麻生首相の漢字能力と同等らしい。
《首相は記者会見の冒頭、「安心して暮らせる日本、活力のある日本という思いを、年始めの字に込めたい」と語ると、演壇脇のイーゼルに立て掛けられた縦約45センチ、横約53センチの色紙に、毛筆で「安心活力」と大書した。首相は日頃から、礼状などを毛筆でしたためる習慣があり、官邸関係者によると、年頭の記者会見での“書き初め”は、「極めて異例」だという》=読売web=。
しかし、肝心の会見の中身は言葉だけが踊る惨憺たるものだった。
《国民の皆さんの生活を守るために、やり抜く覚悟です。悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。好きな言葉であり、ある哲学者の言葉です。未来は私たちがつくるもの、我々がつくる、未来は明るい、そう信じて、行動を起こす。そうした意志こそが、未来を切り開く、大きな力になるものだと思っております。国民の皆様のために、明るい日本をつくりたい。そう強く考えております》=朝日web=。
この国を覆っているのは前途への不安である。意思を持って行動を起こそうにも、その場や機会がない。これが現下の実情だろう。代々木公園の「派遣村」で「未来は明るい」とぶって反応を聞けばよかった。こういうノー天気さが支持率を押し下げていることが理解できていない。困ったものだ。
その後の一問一答もピンボケだ。
《――支持率が下がる中、解散は自身で(断行)するのか。その場合、どういった争点で戦うのか。
「あの、まず、基本的には、解散は、最終的に、誰が決断するかと、総理大臣が解散を決断します。すなわち、麻生太郎が決断をします。それから、争点。これは、もうはっきりしてるんじゃないでしょうか。国民生活の安定、我々は効果的な経済対策とか、生活対策とかいうことを迅速にうつ、いうことができるのは、政府自民党、確信しています》=朝日web=。
「争点」という言葉の意味が理解できていない。「国民生活の安定」などが争点であるはすがない。何のために政治が存在するかを考えればすぐ分かることだ。小泉構造改革路線をどうするのか。財政規律と消費税引き上げの関係は。派遣労働法の見直しを含む、労働環境改善にどう取り組むのか。
これらについて明確にすれば、争点などおのずから明らかになる。それを言えないところに苦しさがあるのだろう。
書初めがよくできたことに安心したのか、最後に署名するところでミスをしてしまったらしい。漢字の使い方が間違っていたのだ。テレビでは脇の文字までは見せてくれなかったが、なるほどね。この署名、あらかじめしたためてあったというから、これもまた驚きだ。
《麻生首相が4日の年頭記者会見で見せた「書き初め」の落款(らっかん)が話題になっている。
落款は書画に添える筆者の署名で、色紙にあらかじめ「平成廿十一年新春 麻生太郎」と記されていた。国語辞典「大辞泉」などによると、「廿」は1文字で「二十」を意味し、「下の『十』はいらない」というのだ。
自民党のホームページが元日付で掲載した首相の「年賀状」の日付も「平成廿十一年元旦」。1日にはインターネットで「『廿一』が正解ではないか」と指摘されていた。首相は昨年、漢字で痛い目にあっただけに、与党には「首相官邸のチェック体制はどうなっているのか」と深刻に受け止める向きもある》=読売web=。
「廿」はパソコンの変換でも一文字で出てくる。間違って覚えることはよくあるが、公にするときにはチェックするぐらいの慎重さが必要だろう。官邸の危機管理能力も麻生首相の漢字能力と同等らしい。
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