酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「ならぬものはならぬ」

2013-01-15 10:02:45 | 外交
 綾瀬はるか主演のNHK大河ドラマ「八重の桜」で頻繁に出てくる「ならぬものはならぬ」のセリフが気に入っている。会津藩の子弟教育の指針「什の掟」という。

 「年長者の言ふことに背いてはなりませぬ」「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」「弱い者をいぢめてはなりませぬ」など7つの行為をきつく戒め、最後に「ならぬことはならぬものです」とまとめている。

 これは個人の道徳や倫理のありようを説いたものだが、ここで言いたいのは、世の中にはできないもの、やってはいけないものがある―ということだ。先端の生命医学などにもこれが当てはまるのではないか。「卵子バンク」の設立などもその一つと考える。


 ≪不妊治療専門医や卵巣機能が低下する患者の関係者らでつくる民間団体「卵子提供登録支援団体」(略称・OD-NET、事務局・神戸市、岸本佐智子代表)は14日、早発閉経など卵子がない患者向けに第三者から健康な卵子の提供を募る「卵子バンク」を目指した事業を始めると発表した。

 匿名で無償のボランティアを登録し、医学的な条件が合った患者に提供する。登録の受け付けは15日に開始。海外で日本人女性らから卵子提供してもらう団体はあるが、国内での提供を目指す団体は初という。提供者の安全性の確保や生まれる子供の権利などについて議論を呼びそうだ。

 今回募集する提供者は、子供がいる原則35歳未満の女性で、配偶者の同意が必要。排卵誘発剤などによる副作用が起きた場合の医療費は患者側が負担する。

 仙台市などの5つの民間不妊治療施設が卵子の採取や体外受精を担当。早発閉経や染色体異常のターナー症候群で卵子がないと診断された患者計20人を既に登録しており、当面、患者の新規募集はしない。

 同団体によると、早発閉経の女性は約100人に1人、ターナー症候群の女性は約2千人に1人で、これらのうち妊娠を希望する人は国内で数千人に上ると想定される。提供者の個人情報は患者に知らされることはない≫=産経=。

 子どもを欲しいと思うのは人間として当然だろう。だが、自分や配偶者に決定的な欠陥があるのに「科学技術?」の力を借りて無理やり子供をつくるというのには賛成できない。生命の誕生や消滅は自然の摂理であり、人工的な操作は無用と考えるからだ。

 里子や養子ではつながりが薄いと考えるからこういう選択が生まれるのだろうか。

 他人の卵子で誕生し、苛烈な死を遂げた人から臓器の提供を受けて命を長らえる。この人物はいったい何者なのかとの疑問がわく。

 科学の進歩で「何でもできる」という考えが蔓延していないだろうか。「できる」ことであっても「ならぬもの」がある。原発などもその一例だ。「ならぬものはならぬ」をこれからの生き方のキーワードにしたい。
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