酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

東京五輪は実現するか

2013-01-08 09:15:58 | 外交
 2020年夏季五輪の東京招致を目指す活動が具体的に動き出した。東京、マドリード、イスタンブール3都市の招致委員会がそれぞれ立候補ファイルを提出、9月のIOC総会まで激しい招致合戦となる。

 ≪2020年夏季五輪の招致レースはいよいよ本格化する。7日、スイス・ローザンヌの国際オリンピック委員会(IOC)に詳細な開催計画(立候補ファイル)を提出した東京五輪招致委員会は、8日には東京で、10日にはロンドンで記者会見を開き、国内外にアピールする。

 この日のメンバーは、招致委の水野正人専務理事や、招致アンバサダー(大使)となったサッカー女子日本代表の澤穂希、パラリンピック競泳選手の鈴木孝幸ら。澤は「決定まで、あと8カ月。スポーツの素晴らしさを伝えていきたい」と話し、鈴木も「生で見ることによって、より魅力や感動を伝えられる。IOCには好印象を与えられると思う」と語った≫=朝日デジタル=。

 前回の招致合戦では惨敗した東京だが、今回は目がありそうだ。東京がいいというのではなく、相手が弱いからだ。まずマドリード。欧州の財政危機は一息ついた感はあるが、まだまだ先は不透明極まる。スペインはギリシャに次ぐ財政脆弱国といわれ、政治的にも不安定だ。9月段階でこうした不安を一掃することなどできるはずもなく、マドリードの苦戦は免れまい。

 イスタンブールには中東情勢が絡む。「イスラム圏で初の五輪開催」はインパクトがあるが、シリア情勢とイランの動向が気にかかる。シリアやイランが大混乱に陥れば、トルコ国内のクルド勢力もうごめきだす可能性が高い。あと半年余りでシリアやイランの情勢が劇的に改善されるとは思えず、イスタンブールも敬遠されるのではないだろうか。

 消去法でいくと東京しかない。

 しかし、日本で2回目となる夏季五輪がまた東京というのは面白くない。2016年を東京と争った福岡や過去に落選経験のある大阪、名古屋がその後手を挙げられない状況こそ大きな問題だ。

 東京は五輪など開かなくても十分に都市機能は充実している。世界に冠たる巨大都市がいまさら五輪でもあるまい。ニューヨークなど立候補したこともないのではないか。大人の都市とはそういうものだ。「(東日本大震災からの)日本の復興ぶりを見てもらう」などといっているが、笑止である。本気でそう言うのなら、競技の一部を福島やいわきで行うべきだろう。東電福島原発隣接地のJビレッジを使う手もある。

 サンデー毎日の予想では「東京はまた落選」らしいが、おそらくそうはなるまい。東京栄えて日本ますますさびれる。この国のゆがみを拡大する東京招致を、世界最高部数を誇る新聞社が推進する。力強い限りだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« やはり三百代言か | トップ | 「ならぬものはならぬ」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

外交」カテゴリの最新記事