酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

ケージ内のトキ「殲滅」される

2010-03-11 05:29:34 | Weblog
 佐渡トキ保護センターに設置されている順化ケージで、放鳥のための訓練を受けていたトキ9羽が死に、1羽が瀕死の状態だ。トキ保護史上例を見ない異常事態である。

 《環境省は10日、新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターで、国の特別天然記念物のトキ9羽が死んだと発表した。施設内に侵入した野生動物に襲われたものと見られる。被害にあったのは今秋、3回目の放鳥に向けて訓練中のもので、今後の野生復帰計画への影響が懸念される》=毎日JP=。

 環境省や新潟県は記者会見で「万全の態勢を取っていたつもりだったが…。申し訳ない」と述べている。外敵の進入を許し、11羽のトキのうち10羽までが襲われた。万全どころが抜け穴だらけだったということだ。

 100羽を超すトキの飼育をしている保護センターが、午後5時過ぎから翌朝8時頃まで無人になっているとは知らなかった。人工繁殖で孵化させる時などは特別な態勢を組んでいたのだろうか。元センター長で昨年亡くなった近辻宏帰さんなどは、トキと一緒に寝ていると噂されるほどだったが…。

 順化ケージのトキは、9月に予定される第3次放鳥に向けた飛翔や採餌の訓練を行うため、先月2回に分けてこの施設に移された。外敵に襲われた際の回避訓練も行っていたというから、何とも悲しい皮肉だ。

 自然の中であれば、群れを襲われて「全滅」するなどという事態はまずない。トキは飛び上がって逃げることができるからだ。ところが、狭いケージの中ではそうはいかない。パニックになって飛び回れば、網にぶつかるだけ。叩き落されたところをイタチなどが襲う。こうした惨劇が繰り返された可能性が高い。

 外敵の侵入防止対策としては、電気柵を巡らし、穴を掘って入られないよう地下1・5㍍までは「ムジナ除け」のコンクリートも打ってあったと言う。そうするとフェンスに小さな穴や隙間があった疑いが濃い。

 テンなどは頭さえ入る隙間があれば楽々と侵入してくる。

 「ほんのちっと、顔を見るだけでいいから」。天邪鬼はこう言って瓜子姫に戸をわずかに開けさせ、いきなり襲い掛かって姫を食べてしまいました。

 民話の里とも呼ばれる佐渡で、この昔話が教訓化されていなかったとは情けない。

 当ブログは、中国トキを使った人工繁殖によって生まれた鳥を放して「野生復帰」などとはしゃぐことには違和感を感じている。日本のトキは全滅した。中国トキを何羽増やしてもこの事実は覆らない。人が自然をつくるなど、思い上がりではないか。

 「トキ保護」は自然への畏敬がなけらばならない。環境省や新潟県の役人にどれほどそれが備わっていたのか。
 
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