leka

この世界のどこかに居る似た者達へ。

上川隆也版・真田十勇士 その3 ネタバレあり。

2013-10-01 14:48:10 | お芝居・テレビ
大阪冬の陣、夏の陣。

真田幸村公と忍びの者達は、戦の中でその運命を共にします。

冬の陣の後、幸村達が築いた真田丸は家康の手によって壊されてしまいます。

そればかりか、大阪城の堀までも埋められてしまったのです。

戦と言うのはいつでも、双方の意地のぶつかり合いなのではと私は思います。

家康によって和歌山の山奥へ追いやられ、武将として生きられぬ年月を幾年も重ねたのです。

幸村は、もはや退く気など毛頭なかったのだと思います。

かたや、徳川家康とて、戦乱の世を終結へと導くべく、獣道を独自のやり方で切り開いて来たのです。

己の手で自分から遠ざけた因縁の相手に、今更負けるわけには行きません。


「真田太平記」と言うNHKのテレビドラマでは、九度山で暮らす幸村の身を案じながら、伝説の忍び達はどうしても家康に一矢むくいたい、家康の首を取りたいと言う気持ちをつのらせます。

幸村は冬の陣、夏の陣と出陣する事によって、代々続いて来た愛する忍び達の想いを自分の命もろとも、思う存分輝かせます。活躍し、名を上げ、真田家ここにあり、とその誇りを守ります。忍び達も身を潜めていた年月を取り戻すかの様に、戦場で働きます。

しかしながら幸村は今一歩のところで家康に届かず傷を負い、神社の境内で徳川の兵士達に囲まれるのです。最期の瞬間に幸村が名乗ると敵兵は「おぉっ・・・」と声をあげて、一瞬たじろぎます。「首をとって武功をあげよ。」そう言い、草刈正雄さん扮する幸村公は自ら刀を首に当て「父上、これでよろしいか。」と言って絶命します。


父の願いを、愛する者達の想いを精一杯輝かせ、死んで行った幸村公でした。



さて、上川幸村公と十勇士達は共にあり家康本陣へと突っ込んでゆきます。

真田幸村は何度も徳川家康に肉薄したと言われていますが、NHKのドラマでは今一歩のとこで家康に触れる事は出来ないのです。

しかし、この上川版・真田十勇士では幸村と家康はなんと、刀を合わせます




甲冑に身を包んだ里見家康公の存在感は、凄いです。間違いなく徳川家康公でした。

赤い甲冑に身を包んだ幸村公が

「御首頂戴、徳川家康っ!」

そう言うと家康も采配を投げ捨て抜刀し、組み合います。

これは私にとって夢のシーンでした。幸村公が家康公に触れた瞬間を観られるなんて非常に嬉しかったです

家康公もかっこ良かった徳川方の忍者、服部半蔵が助太刀しようとすると

「半蔵、下がっておれ!」

と言って、八百屋舞台で幸村と家康の一騎打ちが始まります。

刀を合わせては払いながら、坂道舞台を降りて来ます。家康公の懐に入り込もうとしては突き放される幸村公。体を回転させながら斬り込んでは離れる度に衣装が翻ります。幸村の陣羽織の様な衣装は丈が長く、ひらひらしているので踏んづけてしまわないかと思いましたが、美しくさばけていました。

半蔵がそのすぐそばに居ます。一度離した刀を再度合わせ、互いを押す力が互角になった時、交差した刀がグッとその距離を縮めました。さぁ、どうなるの!?と私も力が入った瞬間、舞台上で「ボンっ!」と爆発音がして白煙が上がりました。瞬間、なだれ込んで来る両軍の兵士達。半蔵を伴い去ってゆく家康公の姿。

やっぱり、家康公は遠いのですねぇ。




服部半蔵役: 山口 馬木也さん。とっても刀の使い方がかっこ良かったです。遠くから
でもどんな風に刀を使っているのか、何をしているのかよく分かりました。

十勇士に翻弄される場面もありましたが、最期まで命は落としませんでした。

「その後」も大御所・徳川家康に仕えたわけですね。



つづく。