Chef's Note

『シェフの落書きノート』

香りの話から 村上信夫氏を思い出す…。

2006-05-22 | 自由 気ままな独り言
ある雑誌に香りの話がのっていた…。
何故か…NHKのインタビュー番組に出演していた今は亡き帝国ホテル元専務取締役総料理長 村上信夫氏を思い出した。

帝国ホテルにコックとして入社後、召集令状がきて戦地へ…。
最前線へ料理兵として配属…。

ある日、若かりし村上氏は、カレーを作った…。
申し分ない出来に満足…美味しく出来上がった。

すると上官がやってきて、物凄い剣幕で叱られた。
「貴様! ここを何処だと思っている! ここは、敵と対峙している最前線だぞ! 香りが立ち込めるカレーなど作りおって…。 敵に我々がここにいますよ…と教えるのも同然だ! 何を考えている!」
…と日本刀を抜いて言った…。

その場で処刑されそうなった…。
その時、戦況に異変が起こり、上官はその場を立ち去り…
村上氏は、処刑を免れ窮地を脱したそうだ…。

「美味しいものが作りたい…」
その一心で作ったカレーだったが…
そこが戦地のしかも最前線だということまで考えつかなかった…と回顧していた。

その時のインタビューは、思い出深いものだった。

先輩達をさしおいて、料理長になったこと…
料理長になってからの苦労話…。
一振り1000万円もする日本刀を購入した時…奥さんに叱られた話…等‥。


いちばん印象に残っているのは…

インタビューアーが…
「村上さんは、生まれ変わったら…何になりたいですか?」

「生まれ変わったら…、僕はやっぱりコックになりたいですね! やっぱり料理を作る職業になりたいですね!」

子供のように目をキラキラ輝かせて…即答した村上氏…。

あの満面な笑みを顔に称え…西洋料理を日本に広めた偉人は、まるで小さな子供が「パイロットになりたい!」と大きな夢に目を輝かせているかの如く…迷う間もなく…即座にそう答えた。


「凄い! この人は…凄い!」
…と。そのインタビューを見て素直に思った…。


果たして…オイラ…70歳を過ぎた時…村上氏のように…
「生まれ変わっても…料理人になりたい!」
…と即答できるかな…?

なーんか…「金持ちになりたい!」…とか言っちゃてたら…
トンチンカンのボケ爺だよねぇ~!

先が怖いわ…笑。





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