優緋のブログ

HN変えましたので、ブログ名も変えました。

「THANKS」

2007-02-01 10:00:36 | おもいつくまま
   勝負の年

早いもので、前回の保護者交流誌の原稿を書いてから一年がたった。
去年の今頃は、なんとか高校へ入って、あまり休みもせず頑張っている息子のささやかな成長ぶりを安堵と感謝の思いを込めて書き綴っていた。
その後とんでもないことが起ころうとは思いもせずに…。

あれは、二月の終わりのころだったか、三月になってからのことだったろうか。
担任の先生から電話が突然に入った。
何事かと嫌な予感…。それはまさしく的中し、赤点を取って、その補習で出されている課題が提出されておらず、進級がこのままでは危ないという連絡だった。

私の出た高校には赤点などというものは存在せず、病気で出席日数が足りないなどの特別な理由がなければ留年もない学校だった。
高校へ入ればきちんと勉強して学校へ行くのが当たり前。
進級、卒業するのは当然と思っていた私はびっくり仰天してしまった。

それまでも何度か赤点を取って、補習の宿題を出されているのは知っていたが、きちんと提出しているとばかり思っていた。
先生にお詫びすると共に今しばらく待っていただくようお願いし、私はすぐさま息子の携帯に電話をかけて叱りつけた。

息子は、「課題はできていたんだけれど、出してくるのを忘れていた。」とこともなげに言う。
私は、「それを出さないとどうなるか分かっているの?今すぐ先生に連絡をとって、学校まで走って提出してきなさい!」と怒鳴った。

私の怒りの声で事の重大さを悟ったらしい彼は、それからすぐさま学校へ走ったようだ。
お陰さまでなんとか留年は免れ、無事春休みに帰省した。

このことで、また彼は一皮剥けた感じがした。
こうして、何度かいろいろな失敗を繰り返しながら、彼は少しずつ成長しているのだろう。


夏休みの少し前、七月の上旬、夫の兄弟の家を訪れるついでに家族でおといねっぷ高校を初めて訪問した。
夫も子ども達も、初めて見る学校の立派な施設と、親切な先生方、展示してある素晴らしい作品の数々にただただ感動していた。
私は、一年ぶりに会った息子の同級生の懐かしい顔が嬉しかった。

夫は、いい学校に巡り会えたことを本当に喜んでいた。
なんとかここで頑張って、自分にあった道を見つけて欲しいと思ったようだ。


年が明けて、また進級の季節が巡ってきた。
年末年始の休みの期間中、息子とオンラインゲームのこと、就職、弟の進学のことなど時間をかけて話し合うことがあった。

いつもはけんか腰になって、話が平行線をたどって決裂してしまうのに、今回は初めてなんとか妥協点をさぐって結論を見いだすことができた。
(結局その結論は役にはたたなかったのだが。)

「あなたと初めて話が通じたね。とにかく、きちんと進級して、しっかり就職を決めてくれないと困るよ。」
「うん、わかってる。大変だけど、なんとか頑張ってみるよ。」
私は息子の成長をまた少し感じることができて嬉しかった。

景気が上向いてきていると言われているが、北海道の就職はいまだ厳しいと聞く。音威子府に暮らして北海道が大好きになった息子。
北海道での就職を希望している。

勝負の年、逃げずに前向きにぶつかって、自分の手で勝利を掴み取って欲しい。
親としては遠くから祈るのみである。