若年性認知症家族会「彩星の会」編 筒井書房 2005年7月11日発行
「私の頭の中の消しゴム」が公開されたことにより、若い人でも(20代でも)アルツハイマーになるのだということが広く知れ渡たることになったと思います。
私も以前テレビで見て、「早い人では40代、50代でも認知症になる人がいる。」事は知っていました。
でも、それは稀な例であって、早い遅いの違いはあっても、認知症という病気には違いはない、その程度の認識しかありませんでした。
やはり、基本的には年をとることによって起きる病気、という意識が強く、まさか20代でなるとか、正確な数は分からないけれども、軽度の患者を含めると10万人程度いるなどとは思ってもおらず、正直なところショックでした。
そして、高齢者の認知症とは違った様々な問題点があることもこの本を読むことで知ることができました。
これは他人事ではないと思いました。
是非、皆さんにも読んでいただきたいと思います。
副題に「隠す」認知症から「共に生きる」認知症へ とあるように、この本の監修をされている宮永和夫医師は、「若年認知症」を病気ととらえて「治療」するよりも「障害」ととらえて「共に生きる」場を作っていくことを訴えておられます。
それは、「若年」と「高齢者」の違いからくるもので、「若年」の場合は体が動き、エネルギーがあるため、それを発散させて落ち着かせることが大事なケアになるからなのです。
現在施設などで高齢者に対して行われている「刺激して生活を活性化させる」という接し方は「若年者」には逆効果で、「暴れる」「怒りっぽい」などの問題行動を引き起こす結果になります。
病気の初期の段階では、物忘れの症状により仕事上のミスが重なり職場に適応できなくなったり家事に支障をきたすなど本人が非常に悩みます。
やがてまわりがおかしいと気付いて病院へ連れて行く、あるいは休職させるなどの処置がとられるわけですが、本人は病識(病気であるという意識)がなかったり、あるいは「今は病気だから休んでいるけれども治ったら復職したい。」という現職意識(あるいは社会で生活しているという意識)が若い人ほど強いのです。
ですから、本人に残されている能力を生かせる「本人がやりたいことを出来る場」を提供し、「社会で今までどおり生活しているのだ。」と安心でき、自尊心が保てる社会にしていかなければならないのです。
日本での若年認知症に対する支援の現状は、専門の施設がないだけでなく、専用の介護サービスもないため、高齢者用の施設やサービスを利用することになります。しかし、「若年者は介護が難しい」と受け入れを拒否されることも多く、対応が遅れています。
介護保険では、40~64歳の場合、アルツハイマー病などの老化に伴う認知症は保険給付に含まれていますが、交通事故などが原因による頭部外傷など「老化に伴って発症したものではない場合」は除外されています。
また、介護保険の対象外の39歳以下はまったくカバーされていません。
「私の頭の中の消しゴム」が公開されたことにより、若い人でも(20代でも)アルツハイマーになるのだということが広く知れ渡たることになったと思います。
私も以前テレビで見て、「早い人では40代、50代でも認知症になる人がいる。」事は知っていました。
でも、それは稀な例であって、早い遅いの違いはあっても、認知症という病気には違いはない、その程度の認識しかありませんでした。
やはり、基本的には年をとることによって起きる病気、という意識が強く、まさか20代でなるとか、正確な数は分からないけれども、軽度の患者を含めると10万人程度いるなどとは思ってもおらず、正直なところショックでした。
そして、高齢者の認知症とは違った様々な問題点があることもこの本を読むことで知ることができました。
これは他人事ではないと思いました。
是非、皆さんにも読んでいただきたいと思います。
副題に「隠す」認知症から「共に生きる」認知症へ とあるように、この本の監修をされている宮永和夫医師は、「若年認知症」を病気ととらえて「治療」するよりも「障害」ととらえて「共に生きる」場を作っていくことを訴えておられます。
それは、「若年」と「高齢者」の違いからくるもので、「若年」の場合は体が動き、エネルギーがあるため、それを発散させて落ち着かせることが大事なケアになるからなのです。
現在施設などで高齢者に対して行われている「刺激して生活を活性化させる」という接し方は「若年者」には逆効果で、「暴れる」「怒りっぽい」などの問題行動を引き起こす結果になります。
病気の初期の段階では、物忘れの症状により仕事上のミスが重なり職場に適応できなくなったり家事に支障をきたすなど本人が非常に悩みます。
やがてまわりがおかしいと気付いて病院へ連れて行く、あるいは休職させるなどの処置がとられるわけですが、本人は病識(病気であるという意識)がなかったり、あるいは「今は病気だから休んでいるけれども治ったら復職したい。」という現職意識(あるいは社会で生活しているという意識)が若い人ほど強いのです。
ですから、本人に残されている能力を生かせる「本人がやりたいことを出来る場」を提供し、「社会で今までどおり生活しているのだ。」と安心でき、自尊心が保てる社会にしていかなければならないのです。
日本での若年認知症に対する支援の現状は、専門の施設がないだけでなく、専用の介護サービスもないため、高齢者用の施設やサービスを利用することになります。しかし、「若年者は介護が難しい」と受け入れを拒否されることも多く、対応が遅れています。
介護保険では、40~64歳の場合、アルツハイマー病などの老化に伴う認知症は保険給付に含まれていますが、交通事故などが原因による頭部外傷など「老化に伴って発症したものではない場合」は除外されています。
また、介護保険の対象外の39歳以下はまったくカバーされていません。