ブロブロガー@くつログ

Proと呼ばれたい...そして日々悪戦苦闘する
Brofessional な職業人の安息の日誌

◇菅民主党新政権の課題~官僚主義を超えて

2010-06-07 | 政治
> 本日発表された世論調査結果では,菅新総理への支持率が軒並み60%を超えて,一気
> に民主党の支持率を回復したみたいですよ!すごいです,菅さんの人気は!


まずは,小鳩体制終焉の狙いが的中した様ですね。
鳩山さんも,何かしら爽やかな表情に変わって,演説の冴えも絶好調の様子でしたよ。
肩の荷を一気に降ろしたみたいです。

> 新体制の顔ぶれも色々と報道される中で,明日いよいよ新政権が発足する様子です。
> 今回の人事では,民主党最大派閥の小沢派の処遇が話題になっていましたが…


「派閥」的な見方を嫌う菅さんとしては,マスコミの報道に苦々しい想いをしている事
だろうと想像しますが,概ね好評な内容になっているのではないですか?
私はあまり民主党内部の力学には,詳しくないのですけれど…?

> Broも民主党支持に乗り換えるつもりなら,この辺で民主党内の様子も勉強した方が良
> いですよ。この時期なので,マスコミがいろいろと報道してますよ。


でも,マスコミの報道をあまり真に受けると,先入観ができてしまいますからねぇ…
個々の人物の発言内容を注意深く聞いている方が,余計な先入観を排除できる気がします。
それよりも,私的には菅新政権の政策運営の方が気になります,特に経済政策のね。

> 菅さんの後任の財務大臣には,野田副大臣が昇格する様です。
> 政策運営の継続性を重視しているのでしょうね。
> でも鳩山内閣時代の延長ならば,「根拠のない政策」という事になりませんか?

その点なのですがね,気になるのは…
前回,ケインズ主義の復権について言及したじゃないですか,この「くつログ」で。

> 菅新総理の初会見の内容から,Broが期待した意味の事を書いていましたよね。
> それが,どうかしましたか?


さっき,ケインズ政策と官僚主義の関係について,少し思い出したのです。
「ハーヴェイロードの前提」という言葉は,聞いた事がありますか?

> 何ですか,それは?


ケインズ政策は,昔「計画経済」と言う呼び方をする事もあったのですが,元々ケインズ
自身が官僚出身で,官僚主導型のエリート指向の思想傾向が強いのです。
「ハーヴェイロード」はケインズが生まれ育ったイギリスの地名に由来するのですが,転
じて,ケインズのこの思想傾向を指す言葉として経済学では使われています。

> そう言えば,民主党の政策理念の一つとして「脱官僚主義」がありましたよね!
> 「事業仕分け」では,徹底的に官僚が作成した事業予算にメスを入れていました。
> この「政治主導」の方法では,ケインズ政策は実現できないのですか?

1986年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・M・ブキャナンは,『赤字財政の政治
経済学-ケインズの政治的遺産』という著書の中で,ケインズ主義の財政政策が民主的な
政治過程の中にあっては,もっぱら財政を圧迫する方向での傾向が強い事を指摘しています。
支出の増大は容易なのですが,削減は大いなる困難を伴うものであると。


> それは,実際分り易い説明ですね。
> 緊縮財政は人気が無いです。今,財政破綻の危機に直面するギリシアの例でも同様です。

ケインズ政策は,元来「財政政策」と「金融政策」の使い分けで,より効果的な運営が可
能なのですが,「財政政策」は国会での予算審議を必要とする民主的なプロセスなので,
削減が困難な一方的傾向にある。
そこで,1980年代以降,マネタリスト経済学の台頭と機を一にして,各国は「金融政策」
により比重を置いた政策運営を行う様に変化してきました。
「金融政策」では,各国の中央銀行が政策決定の主体であり,「ハーヴェイロードの前提」
すなわち「少数のエリートによる政策運営」が実施しやすいからです。

> 事実,赤字財政の下では,「財政政策」は機動性に欠けますよね。
> 予算削減と赤字国債発行を天秤にかけると,楽な後者が選択され易い。
> 予算の無駄を,国会審議より前にチェックして,事前に削減する必要がありますよね?
> なるほど!これが「事業仕分け」の政策根拠になる訳ですか!


もう1つ,予算陳情の窓口を小沢幹事長に一本化する変革を行っていたのも,同様の理由
付けが背景にあったものと思います。

> すると「日本の賢者=国家官僚」の体制から,「日本の賢者=民主党幹部」の体制にシ
> フトする…?
> これは「共産主義」ではないですか!「民主党独裁体制」です,まるで!


極端に走ればね,そう成ります。。。
だから,要注意なのです。
「政治主導」の奸言に惑わされていては,ダメなのですよ,国民は!


> う~む…これは深い…



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