「えっとね、半俵(玄米30kg)14000円になったのよ」
いつも購入している農家のT氏が、ちょっとすまなそうな顔で答えた。
「えっ? 五割増額ってことね?」
予想はしていたが、令和6年の米の収穫少し前に起きた米騒動が、一気に昨年の五割増の値段となってしまった。
今年米の収穫目前にして、小売業者の店頭から米が消えてしまった。少し麦製品などで融通を聞かせていたなら、間もなく新米が並ぶはずだったのに。マスコミの報道は、消費者に危機感を与えるような報道だったような気がする。もう少し我慢していれば新米が並ぶのに。きっと、これ幸いとして米の値段が引き上げられると思っていたが、やはり。それにしても、米農家の米価格の安さが、米作りを止める農家を多くしている。主食の米位は、国内で賄える収穫量にするべき政策が必要だろうと思う。
振り返ってみれば、半俵12000円という時代もあったし、昨年は、半俵8000円であった。それにしても、店頭で購入するよりは安価でT氏家の美味しい米を食べられるのだから、有難いというべきなのかもしれない。
米騒動の話から、現在独り暮らしをしているT氏の、愚痴ともいえる悩み事を聞かされた。以前の作品にも書いたことだが、家屋敷と田畑の行く末の心配。自分亡き後、家を継ぐ者がいなければ、屋敷は草ぼうぼうとなり、田畑も芳原化してしまうだろうと、想像するだけで辛くなるようだ。
「息子さん2人が良いように解決してくれると思うわ。もし、誰も継ぐ人が居なければ、私が貰ってあげるから。安心して」と、私が言うと、T氏は「アハハハハァ~」と、笑ってズッコケてしまった。
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