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今日も、帰りの乗換駅のホームの乗客は行列を作っていた。ホームに入ってきた快速の車両は満杯。降りた人数より乗り込む人数が増しているほどだ。私は、カートを身体に密着させて、入口近くの手すりに掴まった。
子供を三人連れたママがいる。小学5,6年生位の男子と、年子位の女子。もう一人は幼稚園生のような女子。上の二人はそれぞれにストローを差し入れたジュースのカップを持っている。ジュースは飲み始めたばかりらしく、カップの半分以上の量だ。ママが幼稚園児らしい女子を抱えるようにして、その子のジュースのカップを持っている。
「ジュースを零さないでよ」とママ。
「だいじょうぶ」とお兄ちゃんとお姉ちゃん。お兄ちゃんは背伸びしてつり革に掴まっている。ママは掴まるところのない場所。お姉ちゃんは、お兄ちゃんの斜め掛けのバッグに掴まっている。
「ふーっ」と出た私のため息。ジュースが零れて、私のカートに引っ掛かってくるかもしれない。という想像がチラと湧いている。目の前のお兄ちゃんとお姉ちゃんのカップを持つ手指に力が入ったように見えた。
発車して次の駅に着いた。親子連れはまだそのまま。いつもはこの駅でかなりの乗客が降りるのだが、この日は土曜日、いつもと違う状況。勿論、椅子席を確保できるなんて無理。
次の駅までジュースのことが気になっていたが、親子連れは二停車駅目で降りて行った。
「ふーっ」と、又してもため息が出た私。
それにしても、降りて行ったママの逞しいこと。私だったら、とても無理なことだ。
時々見かける親子連れには、いつも感心することが多い。そして、いつも逞しいママが多いことに嬉しくなる。
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