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4月半ばの、と、ある日のこと。
東京・西新井大師様に初めて参拝した。
大師線に乗って一駅が終点であった。すぐ側が西新井大師様の境内である。大師様のご近所さんのダン友から事前に頂いていたパンフレットを見ると、駅より少し離れた所に仁王門があるらしい。
立派な塀越しに牡丹園が左に見えた。沢山の種類の牡丹が丁度見頃であった。暫し足止めさせられた。少し離れた場所の仁王門は、赤黒くガッシリとした翼を広げたような荘厳さであった。
仁王門から本堂が見える。左右に様々な祈りの場の建物があるようだ。まず、本堂前へ。
本堂は高い場所にあり見あげるほどの石段が続いていた。カートでは階段を上がるのは困難だ。本堂前の大きな香炉に近づき、ここでお線香を供えて、ここからご本尊様へご挨拶させていただくことにした。
備え付けのお線香の束一つの代金百円を所定の場所へ投じ、電気コンロのような器具で火を点け香炉の灰の中へ立て供えた。
手を合わせ本堂に向かった時、階段の上部から杖を突いた翁が階段の中央にあるパイプの柵に縋り、一歩ずつ足を踏み出し、尻を着きながらイザるように階段を下りだした。それはとても危うげで、見ている私の足が鳥肌を立てるほどであった。手助けをしようと思ったが、カートを引く自分もそう若くはない。二人して転げ落ちたりしたならどうするのだ? 思いとどまって翁を見守ると、柵を放さず、一歩一歩時間をかけて下りて来る。毎日のように、修行のように、階段を上り、手を合わせているのかもしれない。翁の表情は淡々として穏やかな表情で私の近くを通り過ぎた。「ほっ」思わず吐息をついた。改めて本堂に向き手を合わせ。今日のお目当ての三匝堂(さざえ堂)に向かった。
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「と・ある日のこと」をお送りします。
日々の暮らしの中から、ちょっと心に引っかかった事を綴っています。
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