今回のライブは
スタレビのアルバムに参加してきた
SAXの山本公樹さんが出演し、
そのSAXが生きるナンバーを中心にした
珍しい選曲だった。
澄んだ、
ときには唸るようなサックスの音は
暮れ行く秋空にどこまでも伸びていく。
野外ライブにぴったり。
長年
スタレビを聞かせていただいた僕にとっても
「えー、これやるんだ!」という
ディープな選曲だったが
それだけに
様々な音楽にルーツを持つスタレビの
レパートリーの層の厚さと、
音楽への敬愛に裏打ちされた
メンバーの実力が顕れていた。
ところで、
僕は単に
「知ってる曲が良い曲なのよん」
・・・と思ってしまう傾向は
もったいないと考えている。
新しい曲との出会いは
ラジオの大切な役割だし、
知っている曲でも
聴くたびに
新しい発見ができたらいいなと思う。
その意味で
今夜のライブは
ディープなファンにも
最近好きになったみんなにも、
それぞれに発見があったんじゃないかなと思う。
そんな新発見ばかりのステージでは
ライブでおなじみの曲も
いつもと違って聴こえた。
特に「GET CRAZY(PANIC IN THE ATTIC)」なんて
神がかった演奏で、
いつしか
お口あんぐりのパフォーマンスで
オーディエンスを、
野音ごと全員
異世界にぶっとばしてしまった。
演奏が終わったあとの野音で
ボーカル&ギターの根本要さんは、
頻繁にライブに取り組んでいることを挙げ、
きょうの野音もそのひとつとして
「すごく楽しめた」と話してくださった。
「SAX中心の選曲が面白かった」と言うと
「でしょ」と、とても楽しそうだった。
ライブ当日は
アメリカの同時多発テロから10年。
そして3・11の震災から半年。
悩みながらも
自分達のできることは
やはり音楽を伝えることだと思ったと語った
要さん。
被災直後、被災地で取材をしたときに
ライフラインや食料も不足していたけど
日常と笑顔と音楽も
圧倒的に不足していたことを思い出した。
ツアー以外でも
様々なイベントやコンサートを行っているスタレビ。
機会があったら
生で聴くといいと思う。
たった一曲でも
本物のエンターテインメントに出会える。
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昔使っていた財布に一枚、古びたメダルが入ってる。
硬貨を潰して刻印したスーベニアメダルだ。
FMのDJ時代、
ニューヨークに勉強に行った時、
世界貿易センターの高層階で作った。
~正義の反対語は『別の正義』だという。
命を数字に替えて駆け引きする正義ならごめんだ。
時に理不尽に多くの命が奪われていくけれど、
誰かがあなたを愛したという事実は、
あなたが誰かを愛したという真実は、
どんなことがあっても失われない。
決して誰にも奪えない
(2011・09・11)