東京オリンピックが行われた1964年。
小説家の小林信彦さんは「ムーンリバーの向こう側」など
東京三部作の中で
オリンピックが東京を変えてしまったと嘆いている。
川を暗渠とし、或いは川の上に高速道路の橋を架け
風景が一変してしまったという。
もっとも地方出身の僕には、
こちらのほうが馴染んだ東京だけど。...
浜松町に至る東京モノレールも
土地の買収をする時間がなかったために
運河の上を通るように作られたもので、
ある意味、この時代を象徴している。
あ、文化放送の向かいの世界貿易センタービルもこの年。
あのビル、昭和の匂いがそこここにします。
(ちなみに僕が生まれたのは二年後の1966年でビートルズが来日)
1964年は、東京オリンピックに関連してインフラ整備が進み
新幹線などが開通したことでは知られている。
一方で
なんだかしらないが
メジャーで長寿で身近な商品が次々に誕生しているのに驚く。
カルビーが「かっぱえびせん」を発売。
ロッテが「ガーナチョコレート」を発売。
エスビー食品が「エスビーカレー」を発売。
ロート製薬が「V・ロート」発売。
花王石鹸が「花王スターチ」(のちの「キーピング」)
ライオンが「デンター歯磨き」を発売。
シャープが日本初の「電卓」を発売。
東洋工業は「ファミリア」(ワゴン)を発売
(ちなみにアメリカではニューヨーク万国博覧会で、
初代「マスタング」が発表され、日本ではホンダS600も発売)
週刊誌の「平凡パンチ」が創刊。
中埜酢店が「味ぽん」を発売。
大関酒造が「ワンカップ大関」を発売。
高度経済成長期にリリースされた日本製品が
ハイレベルだったこと。
その背景に
作った人々の「情熱」と「希望」があったことが偲ばれる。
これからの7年はどんな7年だろう。
どこぞの冷蔵庫に入って
コールドスリープしている場合ではない。