「4つの空白~拉致事件から35年」 文化放送報道SCが制作する報道特別番組。
関係者の貴重な証言を元にお送りします。放送は今夜9時から。
でね。
ぼくはこの番組のスタッフではないのだけれど・・・
拉致問題では忘れられない思い出がある。
(2003年だったかなあ、オンエアでも喋ったことがある)
新潟港に万景峰号が入港し、
PSC(ポートステートコントロール)が行われるのを
徹夜で取材した。
船が接岸するとき、
拉致被害者のご家族らは
港で入港反対のシュプレヒコールを上げ続けた。
その合間に
港の岸壁で、横田早紀江さんと話をした。
潮風に吹かれて沖をみつめる早紀江さんに、
「何度も取材を受けてお疲れでしょう、すみません」と言うと
早紀江さんは
沖から目を離さないまま、微笑んで答えた。
「いいんです。だって
ほんの少し前までは、
誰も私たちの話に耳を貸そうとはしてくれなかったんですもの。
みなさんが、こうして新潟まで来てくださって夢みたい・・・」
ほかのご家族のかたも
シュプレヒコールの陰で、こっそり話してくれた。
「こうやって入港反対って叫んでいるけど
実は、けさね。
ご飯を食べながら話したの。
あの船に乗って帰ってきたらいいのにねって」
東京での記者会見のたび
家族一緒に「おそば」を食べて帰るご家族がいる。
でも、その食卓には、ひとりたりない。
被害者家族の皆さんに対し
「テレビの中の人」って感覚を持っているかたも少なくないと思う。
でも、ほんっ・・・とに普通の家族なのよ。ほんと。
しゃべるのも得意じゃないのに、
一生懸命答えてくださる。
このニュースに「慣れて」しまわずに
ことの重大さを
もう一度感じなきゃいけない。
もう時間がない。
新政権で
なんとか結果を出してほしいと思う