先日、羽田空港で、
飛行機事故を想定して実際の飛行機を使った
大規模な「航空機事故消火救難医療総合訓練」が、
行われレポートに行ってきた。
年間28万5000回、飛行機が離発着する羽田空港では
航空機事故に備え、毎年この時期に関係機関が連携して訓練を行っており今年は消防や警察など690人、
36台の車両やヘリなどが参加して行われた。
真っ赤な消防車が横並びでこちらに向かってくる様子や
一斉放水は迫力ものだったが
もうひとつ目玉があった。
それは東京消防庁と、海上保安庁のヘリコプターによる
重傷者の搬送訓練。(ON AIRしてない秘話である。)
ローターに巻き込まれないよう
5メートル以上離れての取材だがそれでも迫力だ。
真っ赤な消防庁のヘリと青い海保のヘリは
タイヤがあり、自走できるタイプのもので
サイレンを鳴らして駆けつけた救急車から
ストレッチャーで重傷者が下ろされ
ローターが巻き起こす風に制服、白衣をはためかせながら
隊員と医師がストレッチャーを押して走っていく。
僕ら報道陣はまとまってその様子をカメラにおさめたり
レポートしたりするのだが
ラジオのレポーターである僕は
音だけでこの様子を伝えなければいけない。
背後にカメラの放列があることもあるが
地面すれすれにしゃがみ、
手をまっすぐ伸ばして、マイクを突き出している。
滑走路の表面から
砂利が舞い上がる。
この2機のヘリのドアが閉まり、
ローターの音が高まって
車輪が滑走路を離れ、飛び立つ、その音の変化を
逃さないように
僕はマイクを差し出して固唾を飲んでいた。
やがてヘリの側面のドアが閉じられ
コックピットのパイロットが視線を上げる。
ここまでの時間がなんと長く感じられたことか。
車輪が軽く沈み、2機のヘリは
ほぼ同時に、ゆっくりと向きを変え
尾翼側をこちらに向けた。
いよいよ舞い上がる瞬間か。
ヘリは、
ゆっくりと
遠ざかる。
そう・・・
ふつーに、滑走路を「ごろごろ」走って。
微妙にお尻を振りながら
そそくさと。
・・・ずるっ。
小さくなる後ろ姿を見送る僕は
楳図かずお式に
仰向けにずっこけた。
「あうあう、飛ばないなら、そう言って・・・」
僕の手に握られたままのマイクの先に
赤とんぼがとまった、
そんな、秋の日。
飛行機事故を想定して実際の飛行機を使った
大規模な「航空機事故消火救難医療総合訓練」が、
行われレポートに行ってきた。
年間28万5000回、飛行機が離発着する羽田空港では
航空機事故に備え、毎年この時期に関係機関が連携して訓練を行っており今年は消防や警察など690人、
36台の車両やヘリなどが参加して行われた。
真っ赤な消防車が横並びでこちらに向かってくる様子や
一斉放水は迫力ものだったが
もうひとつ目玉があった。
それは東京消防庁と、海上保安庁のヘリコプターによる
重傷者の搬送訓練。(ON AIRしてない秘話である。)
ローターに巻き込まれないよう
5メートル以上離れての取材だがそれでも迫力だ。
真っ赤な消防庁のヘリと青い海保のヘリは
タイヤがあり、自走できるタイプのもので
サイレンを鳴らして駆けつけた救急車から
ストレッチャーで重傷者が下ろされ
ローターが巻き起こす風に制服、白衣をはためかせながら
隊員と医師がストレッチャーを押して走っていく。
僕ら報道陣はまとまってその様子をカメラにおさめたり
レポートしたりするのだが
ラジオのレポーターである僕は
音だけでこの様子を伝えなければいけない。
背後にカメラの放列があることもあるが
地面すれすれにしゃがみ、
手をまっすぐ伸ばして、マイクを突き出している。
滑走路の表面から
砂利が舞い上がる。
この2機のヘリのドアが閉まり、
ローターの音が高まって
車輪が滑走路を離れ、飛び立つ、その音の変化を
逃さないように
僕はマイクを差し出して固唾を飲んでいた。
やがてヘリの側面のドアが閉じられ
コックピットのパイロットが視線を上げる。
ここまでの時間がなんと長く感じられたことか。
車輪が軽く沈み、2機のヘリは
ほぼ同時に、ゆっくりと向きを変え
尾翼側をこちらに向けた。
いよいよ舞い上がる瞬間か。
ヘリは、
ゆっくりと
遠ざかる。
そう・・・
ふつーに、滑走路を「ごろごろ」走って。
微妙にお尻を振りながら
そそくさと。
・・・ずるっ。
小さくなる後ろ姿を見送る僕は
楳図かずお式に
仰向けにずっこけた。
「あうあう、飛ばないなら、そう言って・・・」
僕の手に握られたままのマイクの先に
赤とんぼがとまった、
そんな、秋の日。