上野から山手線で次に向かったのは目黒。
私、初山手線だったんですが、やっぱり地上を走る電車のほうが、東京の景色が見られていいですね。
父親が元国鉄マンだったので、私も鉄道好き。乗り鉄なので、乗ったことのない電車に乗るとワクワクします。
おしゃべりしていると移動時間も気にならず、気づけば目黒に到着。
ちょうどお昼時で、頭の上から夏の太陽が容赦なく照り付ける中、目的地の東京都庭園美術館を目指して歩きだしました。
毎度思うけれど、東京って、坂、多くありませんか?常日頃平坦地で暮らしているので、それほどの距離がないのにかなりの疲労感(苦笑)。
とりあえず時が来たのでまずお昼を食べようと、美術館入り口付近にあるレストランへ行ってみると、当然ながら混んでいました。
席が空いたら電話してくれる、とのことで、友人の電話番号を告げて、先に美術館の建物内を見学することに。
友人にチケットをまとめて買ってもらったのですが、少し離れたところで待っていると、窓口係の声が聞こえてきました。それは
「お連れ様に、65歳以上の方はいらっしゃいませんか?」
う~ん、やっぱりそれ以上の年齢に見られる、というわけね。
白髪率かなり高い私、グレイヘアーにしてから、実年齢を知らない人からはそう見られているとは感じていたものの、あからさまだと
それなりに…ということはやっぱり、せめて実年齢くらいには見られたいと思っているということの表れですよね。
ひとからどう見られても気にしない、と普段言っているのに、このざまではねぇ(苦笑)。まだまだ修行が足りませぬ。
話を美術館に戻しましょう。
旧朝香宮邸だったこの東京都庭園美術館。元宮様のお屋敷ということもあって、門から車寄せまでのアプローチも長く、いかにもな雰囲気。
エントランスホールでは、ルネ・ラリックのレリーフがお出迎え。
どこを見ても惚れ惚れするところばかりですが、なかでも私が注目したのが、照明器具と左官仕事。
部屋や廊下など、同じものは多分なかった、と思います。このシャンデリアなど、いかにもアールデコな雰囲気で、もううっとり…
などと観ている途中でレストランから電話がかかってきました。まだ途中なんだけど、再入場って、どうなの?
別棟とは言え同じ美術館に併設されたレストランだから大丈夫だろうけど、受付の方に尋ねると、ちゃんと再入場の用紙が準備されていました。
レストランはまだ昨年出来たばかり。
ランチコースのうち、スープとメイン、コーヒーのショートコースを選びましたが、本当にショート、というか量が少なめ。男性なら足りませんね。
パンも温められていなかったし、お料理の味はそこそこでしたが、サービスの点でもちょっとねぇ…ロケーションはよかったですよ。緑多くて。
食事を済ませて再び館内へ。
階段やラジエーターを隠す金属パネルのデザインも、すごくステキでした。
クラシックな雰囲気のタイルも。
この建物にも中庭があり、二階からの眺めもいい。
大きな池泉回遊式庭園もあって、規模の大きな茶室もありましたが、なんと言ってもここで一番素晴らしいと思ったのは、手入れの行き届きた芝生。
草一本も生えていないし、枯れた部分もありません。強い日差しがさすと言うのに…庭師の女房、こういうところが気になるんです。
その芝生から見た建物も実にシンプルな美しさ。
美術館を出るとき、庭師さんがおひとり、日陰になったところから水遣りをしたり、掃除をしていました。
常に美しさを保つのには、こういう日ごろの手入れが大切、ということでしょう。
この美術館、来月23日まで「1933年の室内装飾」という展覧会を開催しています。展覧会開催中は建物内を見られますが、それ以外は
庭園のみ入場可のようです。建物内部をご覧になりたい方はお気をつけくださいね。