今月、2冊の本を買いました。そのどちらも、建築家さんが書かれた本。
そのうち1冊は実際に建築家さんが書かれた部分は一部なのだけれど、ご本人が文やイラストを書かれた(描かれた)箇所もあるし、出てくる家はもちろん
ご本人の設計によるものです。
先に買ったのは文庫本のほう。中村好文さんは著名な建築家ですから、既知の方も多いと思います。
いつだったか、Eテレの番組で中村さんの事務所の台所を紹介するものがありました。その番組のテキストも買いましたが、お人柄がとてもチャーミングで
この人の書いたものはきっと面白いに違いない、という自分の直感もあったし、レビューもいい。以前単行本で出版されたものが文庫化されたのなら、
もう鉄板ものだろうと信じ切って購入。
信じてよかった、と思える面白さでした。もちろん、個人の感想です。
元々建築が好きで、新しいものよりは古いもののほうが好きではありますが、建てられた頃の空気感だったり、住んでいる人の生活感が漂っているものが
好ましく感じます。
それは多分、私がきちんとしたものを作ることが苦手なせいなんじゃないかなと思っています。当然ながら、家や建築物はきっちり造られて当然(中には
不良建築物もないわけじゃないけど)なものですが、私はどうも工作にしても、きちんとした、特に立体のものを作るのが不得手なんですよね。
ちゃんと計って切って、これでよし!と組み立てようとしたら、あら?こっちは少し足りないしこっちは逆に余るし・・・みたいな。
なので家のような大きい構造物を造ったり設計したりする人への憧れが強いんじゃないのかしらね。
この本の中には建築用語についても書かれていて、今まで知っているようで実は曖昧だったものについての知識も得られました。
実はまだ一読しかしていません。明日からのバイトの出勤時、バス待ちの時に再読するつもりで楽しみにとってあるんです。バッグの中に忘れずに入れて
おかないと。
さて、もう1冊の単行本は、八島正年・夕子ご夫妻のもの。
以前このおふたりの本を、現物も見ないでほとんど博打のような気分(結構高めの値段だったので)で買ってみたら、とても気に入り、何度読み返しているかしらね。
この新しい本は、前著でも載っている八島さんが設計した家10軒が、豊富で美しい写真と、夕子さんの淡くあたたかな雰囲気のあるイラストと俯瞰図、
正年さんのコラムに、ライターさんが施主のご家族から聞き取った話や住まいぶりを書いた文で構成されています。
前著と重なる部分はありますが、それぞれのお宅に実際にお邪魔したような雰囲気が伝わってくる良書だと思います。
ひとつ残念なのは、文章の途中で写真だけの見開きページが挟まっているために、読んでいて躓くような感覚になってしまうところ。写真だけまとめてあったら
もっといいなと思うんですけどね。そこが惜しい。星をつけるなら4つ、だな(笑)。
中村さんの本のタイトルにもあるし、八島さんの前著の文にもあったけれど、住まいというのは上質な普段着のようなものであってほしい。
ごく自然で当たり前で、毎日の暮らしがストレスを感じずに流れていく。そんな家に私も住みたいとつくづく思います。
今の我が家は残念ながらそうではないし、新しく家を造るなんてことはまずこの先ないと思いますが、そのあたりは工夫と努力でよりよくするしかありませんね。
住まいについてはいろいろ思うことがあるので、また別の機会に書きたいと思います。では、また週末に。