たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

仮想通貨大丈夫? <仮想通貨流出 金融庁がコインチェックに改善命令>などを読みながら

2018-01-29 | 金融経済と合理性・倫理性

180129 仮想通貨大丈夫? <仮想通貨流出 金融庁がコインチェックに改善命令>などを読みながら

 

いま世の中は混沌としたカオスに近い状態だと指摘する専門家もいるようです。地球誕生や生命誕生時、あるいは人類誕生時に比べれば、まだ未来がみえているのかもしれません?

 

科学技術やさまざまな研究の成果で、古代や地質時代も少しずつわかってきているようですね。いや歴史時代もわかったようでわからない状態でしょうか。ましてや現代は気にすればわからないことばかりです。気にしなければ、生きていけますし、自然の寿命をまっとうもできるでしょう。

 

そんな感覚で最近騒がれているビットコインも無視してきました。たまたま見た記者会見の様子や金融庁のヒアリングを受けてでてきた関係者の様子を見て、ちょっとだけ気になり、どうなっての、と思いながら30分あまり新聞情報やウェブ情報を探ってみました。

 

結局、よくわからない状態にあまり変わりませんが、なぜこの仮想通貨という「見えない価値」に大勢が関与し、また法令改正が機能しているのかどうか、金融庁の対応が適切なのか、といった疑問はいまだ解けていませんが、概略がおぼろげながらつかんだように思いますので、といっても「仮想」ですから、思ったと思ったら消えてしまうような内容に見えてしまうのですが、書いてみようかと思います。

 

まず、私が気になったことから書きましょう。仮想通貨がなにかよくわからないので、そのことは後に触れます。それ自体が気になったのではなく、580億円も流出し、26万人がいま被害に遭っているというのに、記者会見は真剣さを欠いている印象でした。少なくとも代表者である社長については。ま、これは外観ですから心の中では動揺してまともな対応ができなかったのかもしれません。

 

対応した常務でしたか、割合平然として経過説明をしていましたね。記者会見全体を見ていないので、一部を見て判断するのはどうかと思う断り書きを入れておきますが、対応からは大失態という反省はあまり見えませんでした。それと、この種の不祥事では必ず脇に座る弁護士がいませんでした。法的対応ができないほど、いい加減な業務運営をやっていたのかと不審に思いました。

 

それは金融庁に対するヒアリングでも弁護士が立ち会った様子は見られませんでしたので、これも不思議に感じました。

 

が、私のようにビットコイン取引を全く知らない人間から見た場合、もしかして先端的なこの種の取引手法の場合、弁護士も情報理解がついて行けないのかと思ってしまいます。むろんビットコイン一般の取引について相当通暁している弁護士は少なからずいると思いますが、この会社の業務で問題になった仮想通貨「NEM(ネム)」は新種のようですので、それを理解してもらうには適切な弁護士がいなかったのかと一瞬、思ったりもしました。

 

その可能性は少ないと思いますが、これもこの会社に対する不審の一つです。先端業務を行い、他方で金融庁が改正資金決済法で取り締まりを始めた昨年以降、コンプライアンスをしっかりやろうとすれば、弁護士への相談をしないとは考えにくい、しかも580億円もの巨額取引サービスを提供しているのですから。

 

また、金融庁のヒアリングの後、26万人全員を対象として、460億円の日本円での返済方針を発表していますが、そのすばやい対応を評価しつつ、その根拠が明らかにされていないという、疑問は拭いきれません。

 

可能性としては流出先が判明していて、換金するとばれるので犯人の手元にある、だから回収可能だというのでしょうか。あるいは別に巨額のビットコイン資金があり、それで返済できるというのでしょうか。狐に包まれたような対応です。

 

だいたい金融庁のヒアリングは2時間程度でしたか、それで580億円の取引データが全部チェックできたのでしょうか。いや、コインの管理方法や、流出原因について概要を確認しただけなのでしょうか。データはネット上にある?のでパスワードなり認証手続きさえすれば、すべて表示でき、チェックできるというのでしょうか。それにしてもあまりに短い調査時間だったように思うのですが、それはこのシステムを知らない外野の偏見でしょうかね。

 

さてそろそろ報道記事を基に、私が理解でいていない事実関係を少し引用します。

 

質問なるほドリ ビットコインってどんなもの? ネット上の仮想通貨 取引4割日本円建て=回答・松本尚也>は基礎知識ですね。

 

ビットコインは<実物の紙幣(しへい)やコインは無く、インターネット上でやり取りされる「仮想通貨(かそうつうか)」の一つです。仮想通貨は世界で1000種類以上あり、時価総額(じかそうがく)は約7700億ドル(約87兆円)。ビットコインは約2600億ドルと3割強を占め、最も多く取引されています。>

 

その仮想と普通の通貨との違いは

<日本円や米ドルといった「法定(ほうてい)通貨」と違って中央銀行などの管理者(かんりしゃ)がいないのが特徴です。取引データはネット上の台帳(だいちょう)に記録され、ネットワークにつながる複数のコンピューターに保存されます。参加者が互いに監視(かんし)することで偽造(ぎぞう)や改(かい)ざんを防ぎます。>

 

どうやって手に入れたり利用したりするかは

<コインを売買するネット上の取引所に口座(こうざ)を開設して日本円や米ドルなど従来ある通貨で購入します。国内でも家電量販店(かでんりょうはんてん)などコインを使える場所が増えていますが、値上がり益を狙う投機的(とうきてき)な取引が大半です。世界の取引の4割を日本円建てが占めるといわれています。>

 

仮想通貨の定義は

<17年4月に施行(しこう)された改正資金決済法(かいせいしきんけっさいほう)では(1)不特定多数への代金支払いに使え、(日本円などの)法定通貨と交換できる(2)電子的に記録され移転できる(3)法定通貨または法定通貨建て資産ではない--の3要件>を具備する物と言うことです。(2)が中核でしょうか、(1)有用性ですね。

 

仮想通貨流出事件の概要については次の2つの記事によります。

金融庁がコインチェックに改善命令

26万人に460億円返金方針 コインチェックネット、遮断せず管理

 

前者では、<仮想通貨取引所大手「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正流出した問題で、金融庁は29日、流出を防ぐための安全管理体制が不十分だったとして、同社に対し資金決済法に基づく業務改善命令を出した。>と素早い処置をとったといえるでしょう。

 

このような命令を受ける可能性が十分にあったのですから、弁護士がヒアリングなどに立ち会うか、会見に立ち会うのが普通ではないかと思うのですが、これもこの会社の不自然さを感じるのです。むろん同社が適切な処理をしていて、業務命令に問題があれば異議申立もできるわけでしょうが、もともと交換業務者としての登録義務を怠っていたようですので、このような取引を行うこと自体、問題があったと思われますから、弁護士に相談しても意味がないと思ったのでしょうかね。

 

2つめの記事では同社の管理のずさんさが次のように指摘されています。

<同社は被害に遭った仮想通貨を外部のネットワークに接続した状態で管理していた。多額の仮想通貨は不正アクセス対策のためネットを遮断した状態で保管するのが一般的で、同社の安全対策が不十分だった可能性が高い。>

 

流出の経過については

<同社によると、26日午前3時前から複数回、外部からの不正アクセスでネムが出金された。同社が異常を察知したのは8時間以上が過ぎた26日午前11時25分ごろで、すでに顧客から預かったネムのほぼ全額が引き出されていた。> 約8時間程度で同社が補完していた全額に当たる580億円が引き出されたというのですから、それも平日に、というのですから、杜撰なのか、腑に落ちない経過です。

 

その管理方法も不思議です。

<同社はビットコインなど取引高の大きい仮想通貨はネットから遮断して保管していたが、ネムは全額ネットに接続した状態で管理しており、不正アクセスの標的になった可能性がある。><また、ネムの普及を進める国際団体が、取引の際に複数の電子署名が必要でより安全性が高いとされる技術の採用を呼び掛けていたが、やはり未対応だった。>

 

どうぞ不正アクセスしてください、とその危険性を承知していて、許容していたというのもおかしいですね。

 

この点についての社長の釈明は<「(ネット遮断での保管について)技術的な難しさや人材不足がある。開発には着手していたが、間に合わなかった」と釈明した。>ということですが、同じような仮想通貨で、技術的困難性がどこにあるのか、それを合理的に説明できるかが、これから質されるのではないかと思われます。

 

この<NEM(ネム)>の解説がありますが、すごいものなんですね。

<インターネット上で取引される仮想通貨の一つで、2015年3月に発行が始まった。名前は「New Economy Movement(新経済運動)」の略。17年1月ごろは1ネム=1円未満の価格で推移していたが、その後急騰し、18年1月には一時200円を超えた。>ビットコインが昨年一年間で20倍といわれていたかと思いますが、これだとたった一年で200倍ですか、こんなおそろしい取引というか、投機というか、・・・やはり渋沢栄一辺りが大事にしてきた「商い」ではないように思うのですが。

 

なお、この問題はこれから尾を引くようにおもいますが、金融庁の基本的なガイドラインがわかりやすく解説しているので、参考までに紹介しておきます。

「仮想通貨」をより安全に使うために。改正資金決済法がスタートしました

 

少々長くなりましたが、最後に、まだ改正資金決済法を読んでいませんが、該当箇所と思われる規定からすると、改善命令の根拠がどこに求められるのか、少し判然としないように思うのですが・・・

 

(情報の安全管理)

第六十三条の八 仮想通貨交換業者は、内閣府令で定めるところにより、仮想通貨交換業に係る情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置を講じなければならない。

(利用者の保護等に関する措置)

第六十三条の十 仮想通貨交換業者は、内閣府令で定めるところにより、その取り扱う仮想通貨と本邦通貨又は外国通貨との誤認を防止するための説明、手数料その他の仮想通貨交換業に係る契約の内容についての情報の提供その他の仮想通貨交換業の利用者の保護を図り、及び仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

(利用者財産の管理)

第六十三条の十一 仮想通貨交換業者は、その行う仮想通貨交換業に関して、内閣府令で定めるところにより、仮想通貨交換業の利用者の金銭又は仮想通貨を自己の金銭又は仮想通貨と分別して管理しなければならない。

2 仮想通貨交換業者は、前項の規定による管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期に、公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。第六十三条の十四第三項において同じ。)又は監査法人の監査を受けなければならない。

 

などが関係するのかなと思うのですが、内閣府令に具体的な管理内容が規定されていれば、それに適合しないと言うことで、改善命令を発することができるかもしれませんが、それを調べるとまた時間がかかるので、今日はここまでとします。毎日記事などからすると、府令にそこまで具体的な規定がない印象ですが。

 

それと法律上は、

(業務改善命令)

第二十五条 内閣総理大臣は、前払式支払手段発行者の前払式支払手段の発行の業務の運営に関し、前払式支払手段の利用者の利益を害する事実があると認めるときは、その利用者の利益の保護のために必要な限度において、当該前払式支払手段発行者に対し、当該業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 

など、業務改善命令の規定が結構たくさんありますが、すべて内閣総理大臣権限です。金融庁長官ではないですね。これは私のざっとした読み込みですので、誤解かもしれません。

 

あるいは金融庁(長官)に委任しているのかもしれませんね。安倍首相がここまで頑張るのはなかなか大変でしょう。

 

ともかく少し長丁場になりました。今日はこれでおしまい。また明日。

 

 

 

 


心の健康 <女性のひきこもり>と<離婚歴を隠す彼という人生相談>を見聞して

2018-01-29 | 健康に生きるとは

180129 心の健康 <女性のひきこもり>と<離婚歴を隠す彼という人生相談>を見聞して

 

今朝のNHKおはよう日本では、女性の引きこもりが取りあげられていました。登場したのは30代や40代の女性でした。これまで取りあげられてきた男女の引きこもりと異なり、取材に対して割合普通に対応されていました。そして家事は自分でしっかりできているようです。ただ、買い物に出ることはできても、人と話すことや人の中に入っていくことができないようです。ある女性は、就職試験の面接で落ちたショックから、人と話すことができなくなったという引きこもりの契機を話していました。

 

彼女たちまだこれからという女性たちは引きこもりですが、一般の統計からは落ちこぼれてきたようです。家族との関係とか家事とか普通にできるようですので、対象にならないのでしょうかね。もっぱら親の年金で暮らしているけど、外で働くことに恐怖感があり、収入が得られず、きっかけもなく、悩んでいるのです。通常は、幼友達が救い手になるのでしょうけど、そういう女性たちも就職したり結婚したりして、そちらの生活も忙しいでしょうし、話題も共通しなくなるのでしょうか、まったく話す相手がなくなっていったようです。

 

ま、いえばまだ40代前後の若々しい孤独状態で、独身を謳歌しているのではなく、収入の目処もなく生活の糧もない、将来は孤独死になりうる予備軍になる危険を感じているようです。

 

そういう問題について、過去にひきこもりを経験した林さんという女性が、ひきこもりで悩む女性の集う会を立ち上げ、彼女たちの社会への一歩を手助けしています。やはり同じ悩みを抱えた女性同士だと、また、抜け出したリーダーの林さんみたいな人がいると、自然に悩みを打ち明け合い、まずは自分一人が抱えている悩みでなく、ちょっとしたきっかけで、あるいはほんのわずかな気持ちの切り替えと勇気で、社会の中に踏み出していけるのだと気づく人も次第に増えているようです。

 

彼女たちの会話を断片的にですが、聞いている限り、普通の感覚の方ばかりのように思います。他方で、ちょっとした言葉や所作に敏感なのかもしれません。ある種大事な心の持ち方ですが、現代の競争激しい社会では、気持ちが萎えてしまうのかもしれません。

 

家事は大変な作業ですが、人と接しなくて済むので、そういった脅威に向き合わなくてもいいかもしれません。そういう彼女たちを見ていて、多くの離婚に踏み切れない夫婦の関係をふと感じてしまうこともあります。最近は女性も外で働くことが普通になり、離婚に躊躇しないというか、壁が低くなったかもしれません。

 

遡って考えれば、安易に結婚していることにも問題の本質があるのかもしれません。

 

すこし飛躍があるでしょうけど、今朝の人生相談<彼が離婚歴を隠していた>は、回答者・高橋源一郎氏による、いつもの明快な回答で、すがすがしいものでした。それが効果的な影響を与えるかは相談者次第ですが。

 

相談内容は<付き合って1年の彼がいます。彼に冗談で「離婚歴ある?」と聞いたところ、バツイチで5歳の子どももいることが分かりました。子どもとは2年ほど前から会っていないそうです。年齢も42歳と言っていたのに46歳で、隠しごとが多く信用できなくなってきました。ただ、彼のことは好きです。彼はこれ以上隠しごとはないと言っていますが、このままお付き合いを続けるか悩んでいます。(35歳・女性)>

 

多くの女性、そして男性、いずれもひきこもりなど関係なく、自然に多くの人と交わり会話をそれなりに楽しみ、そして中には親しく交際したり、ついには結婚し、子どもが生まれることもあるでしょう。

 

その男女の会話は、引きこもりの方のように、まじめさだけでなく、多少の虚言もあるでしょう。それがどこまで許容されるかが問題ですが、多くは失敗の要因になり、心の健康を害する場合もあるでしょう。

 

高橋氏は開口一番、相談に対し<相談者の「彼」は根本的に信用することができない人のように思えます。>と明言します。私も同感です。

 

離婚歴、子どもがいること、収入や借金など、まじめに相手のことを考えるのであれば、真実を伝えることが相手に対する真心ではないかと思うのです。そういうことがおろそかにしている結果、ときに弁護士に相談するような破局を迎えるのですね。子どもがいることを正直に話す人でも、養育費は支払わなくてもいいなんて、平気で話す人は危ないですね。借金はあったが返済したという人が、結婚した途端、その借金返済のために働いて欲しいなんて平気で求めることをなんとも思わない、こういう不健全な精神の持ち主が世の中いますね。

 

安易に相手の言葉を信頼して社会生活を営むのも、この世の中、いかなる荒波が待ち構えているかわかりません。その意味で、引きこもりを選んだ選択が完全な間違いとも言い切れません。こういった敏感で慎重な女性、おそらく男性もいると思いますが、そういう人たちに社会参加への支援策が必要ではないかと、改めて思いました。その意味で林さんの活動がより多くの賛同・支援を受けることを期待したいと思うのです。

 

他方で、男は、同時に、女は、「オオカミ」というか、自分の描いた仮装の世界観で言葉巧みに生きる人も少なくない、これも世の中ですね。これはそういうオオカミに対しても、またオオカミに補食される人たちにも、適切な支援策がどう仕組むことができるか、これからの課題かもしれません。

 

世の中、アメリカファースト、自分ファーストが蔓延しているわけですから、政府がこのことに注視して対策を講じないと、もっとひどい状態になるおそれがあるように思うのです。それは社会全体の改革の一つかもしれません。