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<添付画像>:第55回光陽会出展作品、『マチュ・ピチュ』・・
<作品の紹介>
作品番号: 57
作者氏名: 田 中 静 子 (会員)
作品題名: 『マチュ・ピチュ』
受賞名: 文部科学大臣賞
住 所: 福 岡
まことに!この作品の『構図』はみごとである。
おもしろい。
すなわち、この位置からマチュピチュの遺跡を「一旦は見下ろし」、その後「見上げる角度」にて描かれている。 まずは見下ろし、さらに遺跡を見上げるているからおもしろい! そして、この絵画に表現されている構図の手法にて撮影された写真画像には未だお目にかかっていないから、たいへん感動している。
そして、流石に!・・・
「文部科学大臣賞」受賞作品であること、後になって気付いた。
この作品、どうやら太陽光線に逆らって、つまり、これまた「逆光線」状態にて描かれた絵画である。
おもしろい描き方である・・・
最初にこの作品に出会ったとき、すなわち展覧会会場にて遠目から鑑賞した時、どこかの「段々畑を描いた」絵画かと思った。 3~4メーターの近くに寄って観たとき、およそ30年前の記憶を再び想い起こし始めたのである。 すなわち、初めてネパールに旅した時のこと。 当時、速度遅く且つジェット機のように高高度を飛行しないブロペラ機にて、高度約4~5千メーターあたりをふわふわと、インドのニューデリー空港からネパールのカトマンズ空港に向った時のこと。 ヒマラヤ山脈の麓にあるネパールの首都カトマンズ空港の近くになるにつれ、航空機の高度が下がっていると思っていたら、これが大違いにて、まだまだ航空機の高度は上がれども下がらず、一体どうしてこうなるのか?思案に耽っていた数分間の事、思い出す。 その思案に耽っていた情景とは、プロペラ機の客席窓から外部を眺めていたら、なんだか地上迫り出して来る。 旧式プロペラ旅客機のエンジン不調にて失速中、よもや段々畑に激突寸前?不時着場所の確認中とも感じつつ、薄気味悪くも非常識的航行するプロペラ機機上の人として、生と死の狭間を彷徨する如くの幻想的な気分になったのである。 そう、インドとネパールの国境を越える頃のこと、急激に高度の高くなるヒマラヤ山脈の山懐にある段々畑の田園地帯は、決して高度下げることのない水平飛行中のプロペラ機に迫ってくる状況を、思い出した、、、。
そう、どう観ても、当時のカトマンズ空港(標高・約1,350m)到着前30分間の、プロペラ機から観ていた下界の景観に思えて仕方ない「絵画」に、『第55回光陽展・広島展』会場にて出合った・・・
しかし当然ながら、これはネパール山中の風景ではない。 近くによって確かめれば、なんと「マチュ・ピチュ」と題されているからして、とっさにペルーの遺跡マチュピチュに違いない!と、気付いた、、、。 旅行パンフレットでしょっちゅうょ見慣れているマチュピチュの遺跡には、恥ずかしながら未だ一度も足を伸ばした経験はない。 そして、目にしている「マチュピチュ遺跡写真」のほとんどは、おおよそ頂上付近から撮影したもので、高い位置から下を見下ろす位置関係である。 だから、とっさに、この絵画に描かれたものがマチュピチュであるとは気付かなかった。
マチュピチュ遺跡のある場所の標高は2,280メーター、おおよそネパールのカトマンズより1千メーターも高い場所に位置する。
そんなアンデス山脈の山中にある遺跡付近の空気は薄いはず、、、。
もって、標高ゼロメーターから突然にマチュピチュに移動すれば、間違いなく普通の人間にとって呼吸困難になるから少しずつ(徒歩移動にて)高度を上げ、人間の身体そのものを希薄な空気に慣らしてゆかねばならないとのこと。 空気希薄がゆえに経験した、幻想的且つ奇怪な過去の記憶を呼び起こす、この絵画、、、。
そんな希薄且つ乾燥した空気の表現、「高高度の空気感」の表現! みごとである。
〆て、
この絵画の最も優れた「類い稀なる印象」あり、、、。 すなわち、見渡せば見渡すほどに、作者の位置するであろう場所と位置の眼下から、遠方且つ上方に延びる段々畑に表現される「光りと影のバランス」、遠く頂上付近の上空の「この世のもの」から、その先の天空の宇宙空間に近接しいていく「所」は何処であるか? 「仏の浄土」か「神の天国」か?
とにかく「この技法」、4次元的無限大の遠近画法であるか!
鑑賞者に対し、そんな幻想を呼び起こさせる如き淡く乾き切った雰囲気を醸し出す「各種茶色黄土色」の組み合わせは、見方によればたいへんなお洒落感覚あり。 心打たれ、作品に吸い込まれる原因は、色彩センス良き作者のそんな色彩表現感覚にあり・・・
* マチュピチュの遺跡〔ウイキペディア百科事典より〕の解説は、こちらからご参照下さい・・
<・続く・・>
* 連載中第55回・光陽展」出展絵画鑑賞感想記事の(前回掲載記事)へは、こちらから戻れます・・
* 「光陽会」公式ホームページは、こちらから・・
<作品の紹介>
作品番号: 57
作者氏名: 田 中 静 子 (会員)
作品題名: 『マチュ・ピチュ』
受賞名: 文部科学大臣賞
住 所: 福 岡
まことに!この作品の『構図』はみごとである。
おもしろい。
すなわち、この位置からマチュピチュの遺跡を「一旦は見下ろし」、その後「見上げる角度」にて描かれている。 まずは見下ろし、さらに遺跡を見上げるているからおもしろい! そして、この絵画に表現されている構図の手法にて撮影された写真画像には未だお目にかかっていないから、たいへん感動している。
そして、流石に!・・・
「文部科学大臣賞」受賞作品であること、後になって気付いた。
この作品、どうやら太陽光線に逆らって、つまり、これまた「逆光線」状態にて描かれた絵画である。
おもしろい描き方である・・・
最初にこの作品に出会ったとき、すなわち展覧会会場にて遠目から鑑賞した時、どこかの「段々畑を描いた」絵画かと思った。 3~4メーターの近くに寄って観たとき、およそ30年前の記憶を再び想い起こし始めたのである。 すなわち、初めてネパールに旅した時のこと。 当時、速度遅く且つジェット機のように高高度を飛行しないブロペラ機にて、高度約4~5千メーターあたりをふわふわと、インドのニューデリー空港からネパールのカトマンズ空港に向った時のこと。 ヒマラヤ山脈の麓にあるネパールの首都カトマンズ空港の近くになるにつれ、航空機の高度が下がっていると思っていたら、これが大違いにて、まだまだ航空機の高度は上がれども下がらず、一体どうしてこうなるのか?思案に耽っていた数分間の事、思い出す。 その思案に耽っていた情景とは、プロペラ機の客席窓から外部を眺めていたら、なんだか地上迫り出して来る。 旧式プロペラ旅客機のエンジン不調にて失速中、よもや段々畑に激突寸前?不時着場所の確認中とも感じつつ、薄気味悪くも非常識的航行するプロペラ機機上の人として、生と死の狭間を彷徨する如くの幻想的な気分になったのである。 そう、インドとネパールの国境を越える頃のこと、急激に高度の高くなるヒマラヤ山脈の山懐にある段々畑の田園地帯は、決して高度下げることのない水平飛行中のプロペラ機に迫ってくる状況を、思い出した、、、。
そう、どう観ても、当時のカトマンズ空港(標高・約1,350m)到着前30分間の、プロペラ機から観ていた下界の景観に思えて仕方ない「絵画」に、『第55回光陽展・広島展』会場にて出合った・・・
しかし当然ながら、これはネパール山中の風景ではない。 近くによって確かめれば、なんと「マチュ・ピチュ」と題されているからして、とっさにペルーの遺跡マチュピチュに違いない!と、気付いた、、、。 旅行パンフレットでしょっちゅうょ見慣れているマチュピチュの遺跡には、恥ずかしながら未だ一度も足を伸ばした経験はない。 そして、目にしている「マチュピチュ遺跡写真」のほとんどは、おおよそ頂上付近から撮影したもので、高い位置から下を見下ろす位置関係である。 だから、とっさに、この絵画に描かれたものがマチュピチュであるとは気付かなかった。
マチュピチュ遺跡のある場所の標高は2,280メーター、おおよそネパールのカトマンズより1千メーターも高い場所に位置する。
そんなアンデス山脈の山中にある遺跡付近の空気は薄いはず、、、。
もって、標高ゼロメーターから突然にマチュピチュに移動すれば、間違いなく普通の人間にとって呼吸困難になるから少しずつ(徒歩移動にて)高度を上げ、人間の身体そのものを希薄な空気に慣らしてゆかねばならないとのこと。 空気希薄がゆえに経験した、幻想的且つ奇怪な過去の記憶を呼び起こす、この絵画、、、。
そんな希薄且つ乾燥した空気の表現、「高高度の空気感」の表現! みごとである。
〆て、
この絵画の最も優れた「類い稀なる印象」あり、、、。 すなわち、見渡せば見渡すほどに、作者の位置するであろう場所と位置の眼下から、遠方且つ上方に延びる段々畑に表現される「光りと影のバランス」、遠く頂上付近の上空の「この世のもの」から、その先の天空の宇宙空間に近接しいていく「所」は何処であるか? 「仏の浄土」か「神の天国」か?
とにかく「この技法」、4次元的無限大の遠近画法であるか!
鑑賞者に対し、そんな幻想を呼び起こさせる如き淡く乾き切った雰囲気を醸し出す「各種茶色黄土色」の組み合わせは、見方によればたいへんなお洒落感覚あり。 心打たれ、作品に吸い込まれる原因は、色彩センス良き作者のそんな色彩表現感覚にあり・・・
* マチュピチュの遺跡〔ウイキペディア百科事典より〕の解説は、こちらからご参照下さい・・
<・続く・・>
* 連載中第55回・光陽展」出展絵画鑑賞感想記事の(前回掲載記事)へは、こちらから戻れます・・
* 「光陽会」公式ホームページは、こちらから・・