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気儘な旅人の「三文オペラ」創作ノート

拝啓林望さま「著書イギリスはおいしい」によせて

2005-05-24 13:42:18 | 趣味の話&本と雑学メモ
<画像解説>
ブダペストの隠れ家:書斎にて
ブラハルーサーテールの地下鉄駅から徒歩3分、築170年、古いマンションの2F・2LDKである。ブダペスト市街の中心地にあるこの場所、仕事や移動のためのレスポンスは良いが、いささか喧騒な街中の住まい。しかし、一旦マンションの中庭から部屋にに入れば、誠に落ち着いた佇まいの閑静な隠れ家である。 


さて、

  今日も、すこしばかり「気分転換」したい。

 いろいろ選択肢はあるが、時に、読書で気分転換を図るのもよいではないか・・・・

そんな時、お勧めの「一冊」があるのでご紹介したい。


イギリスはおいしい

平凡社

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林望(ハヤシ・ノゾム)氏の初期の著作:「イギリスはおいしい」・・・

我輩が林望氏を知りえたのは、他でもない渡部昇一先生との共著「知的生活シリーズ」の対談集の中である。
渡部昇一先生をして林望氏を最初に知りえたのは一体どうなのか?
なんと、
渡部先生のお嬢様(当時・大学生)が、食事も忘れて懸命に読書しているのをご覧になって、
「何を読んでいるのか?その本は面白いか?」
と、尋ねられたところ、お嬢さん曰く、
「おもしろい!読み出したら、もう止まらない・・・」
それで、渡部先生が、
「そんなにおもしろい本を読んでいるのなら一度自分も読んでみたい」
と、おっしゃって読まれたのがこの『イギリスはおいしい』の一冊であった、といういきさつがあること、我輩どこかで読んだ。
かくして渡部先生の目にとまり、読まれた挙句、
「ウム!この人物おもしろい」
その一言があって、
「是非この人物と対談し、その対談集を出したい!」
との意向を出版社に告げられたといわれる。
そうして出来上がったシリーズ知的生活関係の「対談集」であり、我輩それを読んで林望氏を知り得たのである。

すでにお読みになっている読者も多いと思うが、

 そして、我輩の一言!

 「ことのほか、稀にみる『名著』である」

著者の仕事柄、幾度にもわたって英国に旅し長期の滞在中に体験した「英国の食文化」について、歯切れの良い文章でつずられている。

我輩、じつを申し上げると、林望氏をプロの物書きとして多大なる評価をしているのだ。
確固たる理由がある。
まず、
1)林氏の記述個性が好きである。氏の著作の中でも、特に、この「イギリスはおいしい」が最高で出来である。彼の記述個性とは、すなわち彼独特の筆力であり、とてもとても半端な筆力ではない。すなわち男の書く美文の中のさらに美文である。我輩、もろてを揚げて絶賛する。
2)この著書の中身、すなわち題材に(出版当時<1991年3月初版>は特に!)特異性がある。イギリスの食の不味さは世界に定評がある。その食の貧弱さを乗り越え、皮肉にもイギリスはおいしいと題する林氏独特の食文化に対するふくよかな素養と歴史的経緯がある。おいしくないイギリスの食文化に自らが体ごと入り込み、切り分け裁き食し消化し、そうしてようやく「おいしい」と題する、彼自身の教養深さが満ち溢れんばかりの旺盛な知識欲とたぐいまれな資質の持ち主であると判断する。
3)イギリスの文化人家庭の中に入り込み、食生活と食文化を通して、中流の上のイギリス人社会を観察しきった上で、我々日本人読者に懐深くゆとりを持って紹介してくれる。
4)著書の要所要所に鉛筆描きまたはペン描きの簡素なスケッチ画が出てくるが、これの一々がなんともすばらしい作品なのである。おおよそこのたぐいの本には執筆家と挿絵画家が一対になり、一冊の本を創りあげるが、何と何と、どのスケッチを見ても林望氏のサインがあるではないか。最初にこの本を手にしたとき、にわかに信じがたかったのは、林氏の絵の上手さである。これまた半端な人ではない。

この出版の後、何故かチョイと調子に乗って「恋愛小説」を書いているが、これが最悪であった。彼は「恋愛」が語れない作家である。どろどろした男女関係が書けない『人』であるとみている、が、それはそれでよろしかろう。

年齢的にもほぼ同じ著者林望氏に対して、ついつい競争心対抗心が沸き立ちライバル意識が先行しがちであり、こういう人物とは素直に仲良くしたくないのであるが、しかし、林望氏は我輩にとって「いい男」の一人なのである。

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5 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
何料理。 (Rei67.)
2005-05-24 13:58:25
イギリスで何料理が美味しいですか?。フランス、イタリア、中華、等ありますがイギリス料理て、どんな料理かしら。想像が付かない。もしかしてソウセージとマッシュポテト?、これではドイツかな?。幼稚な質問です。
返信する
Rei67さま (エセばろん)
2005-05-24 16:46:09
英国料理は、何がおいしいか?

という質問に対し、必ず定番の『お答え』がご用意してあります。

答え=ローストビーフ!

なぜか?

99%の典型的な旅行会社営業マンが用意している答えが以上であり、倫敦には有名なローストビーフを具する有名レストランがあり、そこへ観光客を誘導するのが仕事でした。

さて、このローストビーフ、塩胡椒で下味付けてオーブンで焼くだけですから料理として考えればなんら芸のない普通一般家庭でも出来る料理法でありイギリスのみならず広く世界に散らばる欧米人社会のいわば定番料理です。

それほどに、イギリスの料理でおいしいものが見当たらない。



英国へ向け我輩自身いくたびかの渡航経験の中、ある年の3月上旬の事、約10日間かけてロンドンからストラットフォード・パー・アヴォン~チェスター~・・・・エディンバラ~ロッホ・ネスまで、つまり怪獣の出没するネス湖までバスの旅に添乗員として同行した経験があります。

さすが英国、行けども行けども山は見えず、緩やかな丘陵地帯と手入れされた森林地帯、どこかしこで第二次世界大戦中の英国の誇る名戦闘機スピットファイアーが十分に離着陸できる広大でのどかな田園地帯をひた走りに走りました。不思議なことに(英国では当たり前ですが)、まだ3月の上旬だというに、雪を一度も見ないまま、スコットランドの最北端まで行き着いたのです。さすがメキシコ暖流のおかげです。雪がなかなか降らないのがイギリスなのです。

また、全ての面で、ツアーコスト予算が十分に配慮してあったハイクラスの旅でしたが、行き着く先々で、夜な夜な出てきた料理は何であったか、そまつな前菜かあるいは前菜なし、から始まり、

個性のないスープ、

メインディッシュは、毎晩といっていいくらい、

鳥の胸肉or鳥足

ぐちゃぐちゃにマッシュされた茹でたほうれん草

マッシュポテトorまるごと焼いたポテト

以上全て味付けなし。

時たま出てきた魚料理たるや、単にオイルサーデンを暖めたもの、、、。

こんなものばかり10日間も食べ続けて地方を旅し、帰りはネス湖の近くの小さな飛行場から一ッ飛び、ほうほうのていでロンドンに逃げ帰りました。

ロンドンについて、参加者の皆さんと中華料理屋に飛び込み、これまた不味い中華のフルコースを楽しみました。が、皆さん一同に「おいし~い」といいました。



さて、

林望さんの著書「イギリスはおいしい」の目次を記しますと、



1 塩はふるふる野菜は茹でる

2 ワーズワースの林檎倉

3 魚よ、お前もか!

4 いもか、はたまたパンか

5 釣魚大全荘の昼下がり

6 いざ行け、パブへ!

7 料理をする人たち

思い出 あとがきに代えて・・・



気楽に読め、料理のレシピまですらすらと書き下す林氏のこの一冊は、女性読者の方が多い。

REIさま、

この際、不肖ばろんのお勧めの一冊、是非読まれては如何でしょうか?

美味しくないイギリス料理を、さも美味しく読ませてくれるのがこの一冊です。

ご質問に的確にお答えできるのは「この一冊」しかありません。

林望さんに、あらためて我輩は脱帽です。





返信する
隠れ家。 (メープル16.)
2005-05-25 10:46:15
素敵な書斎ね。畳の生活は室内の光線までこの隠れ家と異なるので長期間の滞在は,私は疲れます。
返信する
美味しいもの。 (Rei67.)
2005-05-25 13:39:47
そおかーあ。ロストビーフがありますね。

肉は大好き。しかし、すき焼きもほしいね。

魚は刺身の角が立ったような刺身、これは、外国では

見れないですな。
返信する
Unknown (アイビー)
2005-06-05 17:28:19
ゆっくりこもれそうな素敵な書斎ですね。

トラックバック有難う御座います。

イギリスのお料理って、やはり美味しくないんですか?

私はイギリスに訪問した事がありませんので未知の味?!ちなみに長谷川恭子さまのレシピ本の冒頭にも、『イギリス料理はマズイとイメージをもつ人が多い』で始まってます。記事を読んでいくうちに紹介された林さまの本、読みたくなりました!まずは古本屋めぐりかしら。
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