「ほんもの」の似合う「年ごろ」・・・・・・
旅先の会話の中、我輩、一生忘れられない「耳ざわりのいい話」がいくつかある。きょうは、そのうちの一つを紹介したい。
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さて、ようやく我輩が三十歳の「おお台」に突入した未だ若き時代の話。
そんな時代の「ある年の正月」、いつものクライアント(お医者さまのご家族仲間、3家族)にお供し、ちょいと贅沢な5泊6日の『お正月東南アジア周遊旅行』に旅立った。
以下、ツアーの旅程である。
1日目:日本発-バンコック着 (デュシタニ・ホテル泊)
2日目:バンコック市内観光 (デュシタニ・ホテル泊)
3日目:バンコック発-シンガポール着(ホテル・シャングリラ泊)
4日目:シンガポール観光 (ホテル・シャングリラ泊)
5日目:シンガポール発-香港着 (香港ラッフルズホテル泊)
6日目:香港発-日本着
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さて、
当時、ごく普通のありきたりの東南アジア周遊コースであるが、バンコックからシンガポールに入ったその日に「大晦日」を迎え、翌日シンガポール市内観光の当日が「元日」となるよう、旅程を組んでおいた。その他、このツアーの特徴といえば、各地一流ホテルのスイートルームを予約。ホテルレストランでの朝食予約以外は、旅行会社からの食事予約一切なし。総員15名の食事予約は、最初に予算取りだけ組んでおいて、いざ現地に入ってレストランのブッキングは、一切これを添乗員がやってのける、という離れ業をツアーエスコートである我輩に一任する、という内容、添乗員にとって求められるもの、「臨機応変」且つ「責任重大」な仕事であった。
ここで、クライアントの内訳を記しておく。
(A)NA外科医院:宝石収集が趣味の、太っ腹のドクター。荒業にして繊細な名医。同行家族は「奥様」プラス「ご長男」の計3名。いつも旅先で「宝石鑑定」ののち、数百万円の宝石貴金属類を購入される。
(B)SU産婦人科:上記SUドクターの友人、家族でおいしい料理を食べることが唯一の趣味。内気で奥様に頭の上がらない婿養子先生。同行家族は「奥様」と「3人の娘さん」の計5名。前年度のヨーロッパ旅行では、別コースでパリの「マキシム」を予約。あげくの果て、添乗員である我輩に「同行」を求め、しかたなく特別案内をした次第。本当の味覚がおわかりになるかどうか?は、はさておき、お金の使いっぷりは間違いなく「名うてのグルメ一家」である。
(C)TA兄弟ドクター:50代前半、バリバリ外科専門の兄上は先代からの大救急病院を引き継ぐ総合救急病院の院長。40代後半の弟君ドクターは、神戸で外科開業医を営む。毎年必ず兄弟仲良く「家族抜き」でお正月旅行を楽しまれ、どういうわけか我輩のドクターツアーに「後から申し込み」をされ、土壇場になって参加される。
趣味?彼らの?
さて、趣味はさほど難易度は高くなく、括りはいたって定番。。。
酒と、そして女、、、、そんなものである。
そう、そんな記憶がある。
話をすすめる。
正月元日、シンガポールの第二夜、オーチャーズロードのど真ん中に位置するマンダリンホテルの最上階、中華レストランを予約した。ご家族参加のドクターたちには8人掛けのワンテーブル。そしてTA兄弟ドクターと我輩はささやかに3人掛け、隣のテーブルに席を構えた。ショータイムを含めて約2時間半の「中華料理の饗宴」が始まった。グルメドクターSU先生とご家族は、すこぶるご満悦。SU先生は、シンガポールで手に入れた骨董?装飾品の自慢話に忙しい。それぞれの奥方はそれぞれのだんなの話に静かに耳を傾けつつ、気持ちは料理に集中されているご様子、、、。
TAドクター兄弟の兄貴は、我輩相手に「女道楽」の自慢話に余念がない。弟気君の話題は、少し外れる。ラテン音楽と東南アジア民俗音楽のウンチクが始まり、始まりだせば終わりはない。
概していえること、それぞれのファミリー、それぞれのトラベラーは一様に「テーブルマナー」の心得が、ある。そして、一様に酒を嗜む共通性があり、話題に事欠かず中華料理の長いフルコースを楽しんでおられる。
一通り料理が展開し、終盤に入った。
テーブルを同じくするTAドクターの戦況報告も一段落した頃、少し話題が変わった。
「な~、KT君(我輩の本名を指す)。こうしてみると、それぞれの奥様方、お洒落してきてるよな」
「は~ でも、どうして急に、そんな話題に・・・」
「みてごらんよ、、、 ネックレスにイヤリング、それに手もとのリング、あれ、そうとうなもんだぜ」
「私には良くわかりませんが、、、」
「なんだって?」
「いや、確かに、今日はお正月。しかもシンガポールの一流レストランで、中華のフルコースですから、こんな場所にあわせたそれなりのおしゃれをしてお見えなのはよく理解できますが、身に付けてらっしゃる装飾品の値打ちまではどうもわかりかねます・・・」
若きエセ男爵、女性の装飾品など、いまだかって本気で「眺めたこと」など、は、ない。
「いや、俺がみたところ、あのダイヤなんてほんものだぜ。また、あのルビーの指輪、おおきいな~、3カラットはあるだろう」
「・・・・」
「皆、ほんものだ」
「女性ね、若いときはね~ 本物つけてても だめなんだよな~。 たとえばさ、クラブだのなんだの『飲み屋のネエチャン』がさ、鼻の下の長いお客にさ、どうしようもない色気で宝石類買わせてさ~、そして見栄張ってな、 夜な夜な本物首に巻いて客の前で見せびらかす。みっともね~よな~・・・。ましてな、素人の小娘がさ、ルイヴィトンだのシャネルだの、なんだかやたらフランス製だイタリア製だのバッグ抱えてな、頭の先から足の先までアンバランスでさ、みっともないったらありゃしない、、、」
「・・・」
「とにかく、ブランド商品だの本物の宝石だの、ローンで借金してまで猫も杓子も同じ格好してさ、本物つけても本物に見えない、本物の似合わないのが、若い女の子よ・・・」
「・・・・!!」
「でも、今夜は違うよ」
「???」
「みてごらん、奥様方、皆さん本物さ、本物、つけてるよ~」
「あの歳になるとナ、もう女も若くない。若さで押し切る魅力が減少するかわりに、中年女性なりの魅力が出てくるもんだ、だから本物をつけても似合うようになるのだ」
「?!?・・・」
我輩、納得。。。
今夜は「勉強」になった。
我輩、このドクターの台詞、生涯肝に銘じることにした。
いまだ男として若きエセ男爵、ようやく三十路を迎えた年のお正月、シンガポールでの出来事だった。
書き連ねること、〆て、約2700文字! 本日は、長々と、お許しいただきたい。
刹那的な記事の多い「ブログ」、時にはこういう退屈な話もしてみたいのだ。
* 写真:ハンガリー・ブダペスト
ある年の6月上旬、ホテル視察を終え、入り口で何気なくシャッターを押した。後で見たら、紺色のロングスカートをさりげなくきこなした金髪中年女性が写っていた。
そうとうな「おしゃれ」と判断した。
下手に流行に押し流されず、一見、個性のなさそうな「紺色」を、自在に操るのが本当のおしゃれとあらためて感じたのは、我輩がヨーロッパを歩くようになってからである。
特に、特にそう感じたのは本場でほんものの「老若一連のパリジェンヌ」を観てから、である。
我輩は、思った、、、。
!!ほんもののパリジェンヌは、紺を自在にきこなすのだ!!!
う~ん、胸に残るいいお言葉ですね。
お医者様の奥様として、お金に困られた事は無いでしょうが、お医者様の奥様であるがゆえ、他人にはわからない苦労をされた事もあると思います。そんな人生を重ねてつくりあげられる人という土台は、若さには負けないくらいのすばらしものがあるのですね。
真の本物をご理解されるそのお医者様も、またすばらしと感じました。
なんだか、私とは全く別世界の旅行です。医者と聞くとなおカチンとくる。(笑)
本物って、なんだろう・・・・と改めて考えちゃいました。私的には、しわしわのくすんだ肌より、若くピチピチした肌にこそ宝石は映えるように思うけど、年を取るほどに宝石にパワーをもらおうとする女心はよくわかる。^^(あ、お医者様の奥様なら、お肌もツルツルピチピチかもしれない。)
いちばん物申したいこと、
(1)若い女性のおしゃれのしかたにまちがいがある。もっと若さを出してほしい。
(2)男女抜きに、如何に中高年の「価値観」の再検討が必要か?
そんなこと、書いてみたかったのですが、、、。
最後にまとめに入っているはずですが、急ぎ読まれて、読み落されたかな~
シャンティさん、もう一度読んでいただければありがたいのですが、、、。
全く同感ですが、しかし、それにしても、やはり宝石は若い美しい肌に美しく輝くな~と私的には思っちゃう(笑)失礼しました^^ではまた。