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庭師のブログ(27)国境の町ティファナ

2018年01月22日 | 日記
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第27話 ティファナ/メキシコ

サンディエゴまできたら、メキシコもちょっと覗いてみようと思っていた。簡単に行けそうだったからである。

トロリーに乗って、終点のサン・イシドロ駅まで行くと、そこはもう国境だった。入国手続きを済ませて、街に向かってテクテク歩いていった。

途中、カントリーロードの一節だけを繰り返しバイオリンで弾いている賢そうな顔立ちの女性がいたので、バイオリンケースに1ドル入れて、しばらく聴いていた。入国を済ませたアメリカ人観光客が大勢前を通って行った。

この曲はアメリカ人観光客のために弾いているのかと尋ねた。

アメリカという言葉だけがわかったとみえて、「はい」といった。そのあと何を聞いてもわからないようだった。

その後、行く先々で道を尋ねたりしたが、英語は全く通じなかった。聞いてはいたけれど、これほどとは思わなかった。うかつなことに、メキシコでは私のワイファイは機能せず、頼りにしていた地図アプリが使えなかった。

人でにぎわう繁華街(写真)を通り抜けて、街の通りを(写真)をどんどん進み、はるか遠くに見える、高台の住宅地目指して歩いた。
高台は、急な崖の上の台地に広がっていた。







庭はたいして期待していなかったが、とにかく住宅地を歩いてみたかった。滑り台のような急な道路を登りきると、台地にでた。そこには、住宅地が広がっていた。庭のある家も、庭のない家も、そこそこの高所得者層が住んでいるのだろうか。しかし、住宅地といえども、ゴミだけは、下の町同様道路に散らかっていた。

こうもゴミをポイポイ捨てるのは、公徳心の問題ではなく、国民性なのだろう。ゴミが散らかってないと落ち着かないのは、程度の差こそあれ、誰にでもあるのだろうけれど、ゴミで街を汚くして平然としていられるのは、ちょっと日本人感覚では理解できない。













十分満足したので、早めに切り上げて帰ることにした。アメリカの再入国手続きに、何時間もの行列ができると聞いていたからである。

高台から見えるティファナのシンボル、巨大アーチに方角を合わせ、コンパスを頼りに帰り道を急いだ。おかげで無事元の繁華街にたどり着いたが、そこから入国手続きをする建物に行く道がわからない。誰に聞いても分からなかったので、最後の手段、タクシーを使うことにした。

ようやく反対車線を走っていたタクシーを呼び、行先を伝えた。驚いたことに、タクシーの運転手も英語を話さなかった。ゼスチャーで、なんとか通じたようだったが、心配なので大丈夫?と念を押したら、値段を聞かれたのかと思ったのか、10ドルといった。本当はもっと安いはずだと思ったが、この場合仕方がない。助手席に乗った。

乗ってみると、ずいぶん違う方向に遠くまで歩いていたとみえ、かなりの距離だった。ありがたいことに、行列緩和のため新しくできたという入国管理事務所の方に車を回してくれた。おかげで、たいして並ばずに再入国手続きをすませ、サンディエゴに戻った。外はもう暗くなり始めていた。

100ドルを換金したが、結局ペソを使ったのは昼食にタコスを食べたのと、博物館に入っただけで、ほとんどドルが戻ってきた。




擁壁というより、崖にコンクリートを張り付けただけの上に、家が建っているようにみえた。

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