88グリーンビートル

活動内容や、案内

シンガポールの庭園 あとがき

2019年04月24日 | 日記
【記事一覧】 記事一覧を見る/ 【庭師のブログ】 庭師のブログを見る

シンガポールの庭(14) あとがき

名古屋は、日本の都市の中で、一番人気のない都市といわれているそうですが、言われてみれば、確かにそうで、知人が名古屋に訪ねてきたとき、どこに案内しようかと思っても、一日分くらいしか行くところがありません。

まず、名古屋城。

その名古屋城に、本丸御殿が完成し、天守閣を木造に作り直す計画もすすんでいます。 “金シャチ横丁”もできて、ここにきて観光にも少し力が入りはじめた感じです。

シンガポールから帰ってきて、改めて名古屋の街を見てみました。

シンガポールの目で見るせいか、空き地や道路わきの雑草が気になります。広告看板や売り出しの旗、電線など目障りなものもやたら多く、街の美観を損なっています。

しかし、この程度の景観は、生活感があっていいという人もいます。あまり街をきれいにしすぎると、なんとなく落ち着かず、道端のゴミや、壁の落書きのある風景が懐かしくなるそうです。

そこで、ゴミや落書きの件は、条例などで規制するのではなく、その地域に住む人たちのモラルに任せ、県や市は、街路樹に着目してほしいと思うのであります。

10年くらい前のことですが、造園組合40人ほどで東京の庭園見学に行ったことがあります。その時、東京の中心部では既に電柱や電線の類はなく、空間はのびのびした街路樹で占められていました。

最近では、名古屋駅周辺の一部からも電線が消えて、のびのびした街路樹になってきていますが、わが尾張旭まで足を伸ばすと、相変わらず、ちんちくりんに枝を切り落とす街路樹剪定が主流です。

もうそういう剪定はやめて、木は伸びるだけ伸ばし、町がこんもりと樹木に覆われるくらいの、森の都「名古屋」にするというのはどうでしょうか。剪定は、大透かしにして、日差しだけは入るようにします。

また空き地という空地は、すべて市が一時的に借り受け、そこに木をいっぱい植えて、林にし、街のあちこちに里山の雰囲気をつくりだします。

できれば小さな池と小川をつくり、メダカを放します。トンボやゲンゴロウなども育てます。広い空地であれば、循環装置を使った小川をつくり、ホタルも飼育します。

元々里山にあった、チョウの食草になる、樹木や、草をいっぱい植えて、アゲハチョウから、シジミチョウまで、大小100種類のチョウが街中をとびかう「里山名古屋」にするという案は、どうでしょう。これなら、お金をかけず、観光名所ができます。

シンガポールの人工的な美しさに対し、名古屋の自然「里山」の美しさを世界にアピールし、日本で一番訪れたい都市にするのです。

造園業者が主役に躍り出るチャンスです。

シンガポールのガーデンをつぶさに見てきましたが、そこからたどり着いた発想は、自然そのものを見つめなおす、日本の新しい庭づくりでした。

【記事一覧】 記事一覧を見る/ 【庭師のブログ】 庭師のブログを見る



シンガポールの庭園 ガーデンズ・バイザベイ(3)スーパーツリーと、中国庭園

2019年04月24日 | 日記
【記事一覧】 記事一覧を見る/ 【庭師のブログ】 庭師のブログを見る

シンガポールの庭(13)ガーデンバイザベイ/スーパーツリーと中国庭園

ガーデンズ・バイザベイには、先に述べた巨大温室の他にいくつかのガーデンがあります。その中で、中国庭園だけ少し覗いてみました。日本でも、沖縄でも、ハワイでも見たことはありますが、私には今ひとつよくわからない庭です。あの穴のあいたデコボコの石をタテづかいに組んで、それが池の周辺にあります。

奇岩を愛でるというか、何かうっとりさせられるものがあるようで、おそらく会話も奇岩の話題で盛り上がり、下世話に言えば、この石はいくらで手に入れたなど、自慢の対象にしているのではないでしょうか。











日本でも、そんな時代がありました。

私が庭師になりたての頃は、ちょうど庭石ブームで、どこそこの産地のナントカ石で、値段はいくらしたとかいうのが、庭を持つ人のステータスになっていました。



さて、有名なスーパーツリーは、そばで見ると、とてつもなく大きい。



あの鉄パイプでできた枝の先にペンキを塗るのはどうするのか、ちょうど手すりを塗っていた作業員に聞きました。あれは特別なグループがいて、自分たちにはできないと言っていました。

園内に大きな高所作業車があり、これを使うのかなと思って、写真に撮りましたが、上からみると、全然小さく見え、とてもスーパーツリーの枝先までアームが伸びそうにありません。伸びたとしても、こんな恐ろしいところは、私には無理だなと思いました。





スカイツリーを結ぶスカイウエイという吊り橋があり、エレベーターで登れます。

















斜め上からの眺めは、それこそ鳥の目で見る景色で、鳥瞰図を書くときの練習にちょうどいいと思って写真を何枚もとりました。

【記事一覧】 記事一覧を見る/ 【庭師のブログ】 庭師のブログを見る