とにかくすごい演技を見せてもらった、というのが第一の感想である。スルツカヤ優勝おめでとう!!
この競技の歴史上でも最もレベルの高い演技の一つ、といってもよいのではないか。最初の3ルッツ-3ループから始まり、難しい技を連発しながら、見ていてわかるミスらしいミスは何一つなかった。
スルツカヤはSPではノーミスではなかった。それでもSPも1位だったことで、管理人も微妙に納得がいかなかったし、ネット上では不満の声の嵐となっていた。ところが、今日の演技でスルツカヤへの風向きは180度変わってしまった。スルツカヤ優勝に対し、もはや誰も文句を口にしない。それくらい完璧な演技だった。スルツカヤも世界のトップクラスで10年、クワンの次にキャリアの長い選手になっているのだが、今日のフリーの演技でファンになってしまったという人も出ているようだ。
さて、スルツカヤの詳細の採点表を確認すると、実は、ジャンプが1回ノーカウントになっている。(3ループを3回跳んでしまったため、3回目がノーカウント)それでもここまでの点数が出るくらい、ものすごい内容だった。スポーツの世界でたらればはなしだが、もしノーカウントのところを3トゥくらいにして決めておけば、現行規則でのフリー最高得点に到達したことになる。
# 現行ルールでのフリー最高記録はコーエンの130.78のはず、130点オーバーはそれに続く2回目
さて、ほかの選手の印象も少し。
コーエン: コーエンらしい難度の高い技を詰め込んだ、攻め抜いたよい演技だったと思う。「自爆」というありがたくないネーミングを一部でされてしまったが、今回はわずかなミスだけで、心配された「自爆」もなかった。今回は素直にスルツカヤが凄すぎた。
# 注・自爆三姉妹=長女セバスチャン、次女ヴォルチコワ、三女コーエン、なんだそうだ
コストナー: まだ跳んで走って跳んで走って、という印象を受ける。演技後半に疲れが見えたことも否めない。それでも開始直後に大技を立て続けに決めるなど、スピードと迫力は満点である。リレハンメル大会以降、五輪では、若手で勢いのある選手が勝つ傾向が続いている。もちろん地元の有利もある。トリノ五輪に向けて、やはり注目の選手である。
クワン: 相変わらず。ただ、現行制度ではクワンは優勝争いに絡むのは厳しそうだ。決め手になる技が少ない。
# スルツカヤとクワン、新採点での有利不利はくっきり分かれてしまったようだ。高い難度の3-3を持ち、しかも柔軟性抜群でスピンでもレベル3をとれるスルツカヤにとっては、この採点方式はむしろ福音である。
日本勢: 村主はSPでのミスからよく立て直したと思うけれども、安藤と荒川はちょっと期待はずれだった。来年のトリノ五輪に向けて、反省点が明確になったと受け止めることにしよう。
今回も、審判の採点については不満が多いようだ。(特に、コストナーあるいはクワンあたりの採点に不満が集中している。)もちろん万人が納得する結果というのは、採点競技である以上、まずあり得ない。インターネットが広く利用されるようになって、かつては不満を持っていてもそれを表す場がなかったのが、今では誰でもそれをホームページやら掲示板やらに書き込みする、ということもある。それでも最近は、採点に納得がいかないことが多すぎると思う。
新採点制度自体は、まだわからない部分が多いけれども、各選手とも演技のバランスがよくなっているという観点では改善だと思う。(ただし、表現を自由に見せられる余地も少なくなっているような気がするので、これも得失両方ある)
問題は、依然としてどの審判が何点をつけたのか秘密にされていることである。ソルトレーク五輪ペアの大スキャンダルをきっかけとして、現行方式の採点と同時に「秘密採点」が導入されてしまった。問題を解決するのではなく、問題を隠蔽しようとしているわけである。秘密採点だから、自国あるいは親しい国の選手の得点を(ある程度は)上げてもばれないわけだ。そして、それが横行しているのではないかとファンの間に疑心暗鬼を引き起こしていることも間違いないと思う。
フジテレビの放送についてだが、これだけ時間をとっておいて、村主とソコロワと最終グループだけなのか。内容がとにかくない。スタジオにいるナビゲーターは存在意味不明だし。TBSが放映権を持っていた最後の頃のほうがまだ百倍ましである。(特に2000年世界選手権でSAMがゲストだったときは、「CM以外で休みが取れず困る」くらいで、近年の民放スポーツイベント放送では出色の内容だった)
# フィギュアスケートに関しては、CS加入以降民放にはほとんど見切りをつけていて、地上波で見たのはたぶん3年ぶりくらいだが。
採点とか放送とか不満の種は相変わらずありまくりの大会だが、とにかくそれもスルツカヤが全部救った。
この競技の歴史上でも最もレベルの高い演技の一つ、といってもよいのではないか。最初の3ルッツ-3ループから始まり、難しい技を連発しながら、見ていてわかるミスらしいミスは何一つなかった。
スルツカヤはSPではノーミスではなかった。それでもSPも1位だったことで、管理人も微妙に納得がいかなかったし、ネット上では不満の声の嵐となっていた。ところが、今日の演技でスルツカヤへの風向きは180度変わってしまった。スルツカヤ優勝に対し、もはや誰も文句を口にしない。それくらい完璧な演技だった。スルツカヤも世界のトップクラスで10年、クワンの次にキャリアの長い選手になっているのだが、今日のフリーの演技でファンになってしまったという人も出ているようだ。
さて、スルツカヤの詳細の採点表を確認すると、実は、ジャンプが1回ノーカウントになっている。(3ループを3回跳んでしまったため、3回目がノーカウント)それでもここまでの点数が出るくらい、ものすごい内容だった。スポーツの世界でたらればはなしだが、もしノーカウントのところを3トゥくらいにして決めておけば、現行規則でのフリー最高得点に到達したことになる。
# 現行ルールでのフリー最高記録はコーエンの130.78のはず、130点オーバーはそれに続く2回目
さて、ほかの選手の印象も少し。
コーエン: コーエンらしい難度の高い技を詰め込んだ、攻め抜いたよい演技だったと思う。「自爆」というありがたくないネーミングを一部でされてしまったが、今回はわずかなミスだけで、心配された「自爆」もなかった。今回は素直にスルツカヤが凄すぎた。
# 注・自爆三姉妹=長女セバスチャン、次女ヴォルチコワ、三女コーエン、なんだそうだ
コストナー: まだ跳んで走って跳んで走って、という印象を受ける。演技後半に疲れが見えたことも否めない。それでも開始直後に大技を立て続けに決めるなど、スピードと迫力は満点である。リレハンメル大会以降、五輪では、若手で勢いのある選手が勝つ傾向が続いている。もちろん地元の有利もある。トリノ五輪に向けて、やはり注目の選手である。
クワン: 相変わらず。ただ、現行制度ではクワンは優勝争いに絡むのは厳しそうだ。決め手になる技が少ない。
# スルツカヤとクワン、新採点での有利不利はくっきり分かれてしまったようだ。高い難度の3-3を持ち、しかも柔軟性抜群でスピンでもレベル3をとれるスルツカヤにとっては、この採点方式はむしろ福音である。
日本勢: 村主はSPでのミスからよく立て直したと思うけれども、安藤と荒川はちょっと期待はずれだった。来年のトリノ五輪に向けて、反省点が明確になったと受け止めることにしよう。
今回も、審判の採点については不満が多いようだ。(特に、コストナーあるいはクワンあたりの採点に不満が集中している。)もちろん万人が納得する結果というのは、採点競技である以上、まずあり得ない。インターネットが広く利用されるようになって、かつては不満を持っていてもそれを表す場がなかったのが、今では誰でもそれをホームページやら掲示板やらに書き込みする、ということもある。それでも最近は、採点に納得がいかないことが多すぎると思う。
新採点制度自体は、まだわからない部分が多いけれども、各選手とも演技のバランスがよくなっているという観点では改善だと思う。(ただし、表現を自由に見せられる余地も少なくなっているような気がするので、これも得失両方ある)
問題は、依然としてどの審判が何点をつけたのか秘密にされていることである。ソルトレーク五輪ペアの大スキャンダルをきっかけとして、現行方式の採点と同時に「秘密採点」が導入されてしまった。問題を解決するのではなく、問題を隠蔽しようとしているわけである。秘密採点だから、自国あるいは親しい国の選手の得点を(ある程度は)上げてもばれないわけだ。そして、それが横行しているのではないかとファンの間に疑心暗鬼を引き起こしていることも間違いないと思う。
フジテレビの放送についてだが、これだけ時間をとっておいて、村主とソコロワと最終グループだけなのか。内容がとにかくない。スタジオにいるナビゲーターは存在意味不明だし。TBSが放映権を持っていた最後の頃のほうがまだ百倍ましである。(特に2000年世界選手権でSAMがゲストだったときは、「CM以外で休みが取れず困る」くらいで、近年の民放スポーツイベント放送では出色の内容だった)
# フィギュアスケートに関しては、CS加入以降民放にはほとんど見切りをつけていて、地上波で見たのはたぶん3年ぶりくらいだが。
採点とか放送とか不満の種は相変わらずありまくりの大会だが、とにかくそれもスルツカヤが全部救った。