阪神大震災があった時は
関西にいなかった。
幸い知人で亡くなった方は
いなかったが、この震災を
機に交流のあった多くの友人
との縁が切れた。
が、一方で新たな友人が登場
してきたのもこの時期である。
しかしあの頃を振り返るのは
まだ辛い。
当時の自分を受け入れるのは
もっと先にしよう。
村上春樹の小説で
「風の歌を聴け」でネズミ
と呼ばれる不思議な男に興味
をもった。震災前でこの小説は
何度か読み返した。
確か舞台は神戸だったと思う。
その後「羊をめぐる冒険」
にも再びネズミは登場する。
が、この時のネズミはかつて
の人物像ではなかった。
非常に失望した記憶がある。
この二つの小説は
私の中では震災前と震災後
なのである。