対人関係における距離感は私たち生きていく上でとても大切な感覚だと思います。
ほとんどの苦しみは思い通りに人を動かしていきたいといく感覚に起因するのですが、その時に私たちは、無意識に相手との距離感をとても縮めています。
もし、お互いにとって適宜な距離感であった場合、思い通りに相手がならないとしても、それを自分の好き嫌いにとらわれず受け入れる事ができるでしょう。
適宜な距離感を他者と持つ事はお互いの自由を尊重することだと思います。私たち一人一人の感覚は独自のもので、だからこそ個性があるのですが、距離感が縮まりすぎると、自分と全く同じ感覚で物事を見、感じ、行動して欲しいと思ってしまいます。その思いこそが苦しみを生み出してしまうのです。
恋人であれ、友人であれ、出会った当初はお互いの事をよく知らないため、相手の世界を観察する事になります。距離感が縮まり段々親しくなっていくと、最初は魅力的にさえ感じた違いを受け入れる事が難しくなります。その違いに惹かれていた事をすっかり忘れて、コントロールが始まります。
この世界に私たちが来た一つの共通のテーマが、多様な価値観を観察し、違いがあっても他者の感覚を尊重する事であるようです。私もそうですが、対人関係においてそのテーマに向き合っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思います。
苦しみから逃れられない時は、一度、心理的な距離を縮めすぎ、コントロールにはまっていないかどうか、自分の軸がブレていないかを確認してみてください。
