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「偽りの自立人格」のはなし 2

2024-02-04 22:48:15 | 人格統合

「偽りの自立人格」の話の続きになります。

似たような話にはなりますが、こんなケースもありました。

50代、女性Tさん。既婚でまだ未婚息子さんが1人。

ご主人と共に、会社の経営者として、何十年も何人かの従業員と共に仕事に専念する日々を送っていました。

常に前向きで、愚痴を言わず、自分のことは後回しにして人に尽くす事が当たり前のような生き方をしていました。

彼女が実家にいた時は、病弱な母親や、父親や弟の世話をし、家庭の中ではいつもムードメーカーで、学校で優等生でもあったようでした。

そんな彼女に異変が起きたのは、まづご主人様が大病をされ、長期の入院、その後自宅静養をすることになりました。そんな折も、会社経営とご主人の看病を両立させ、多忙な毎日を過ごすようになったのです。

それだけでもかなりの負荷がかかったはずですが、持ち前の負けん気で、何とか乗り越えていました。

この辺りで、彼女自身が、自分を労る事や、周りにサポートを求める事ができれば良かったのですが、自分を労るとか、しんどいとか、愚痴や泣き言を言うこともなかったのです。

そして、Tさんが、自分さえ頑張ればよいと、頑張れば頑張るほど、次々と問題が起きてきました。

何と未婚の息子さんが、仕事の失敗から鬱、引きこもりになり、注意すると家庭内で暴れて家を壊すぐらいの状態になっていったのです。

その大人しかった息子さんの豹変ぶりについていけなくなった状態で、ご相談にいらっしゃいました。

もちろん彼女は、今の息子さんのはちゃめちゃな状態が、自分の抑圧していた無意識の願望だと気づくはずもなく、息子に会って話してほしいと頼まれましたが、お断りしました。

アドバイスとしては、息子さんに直接アプローチすることは一旦、棚上げして、きついかもしれませんが、自分の内側にも息子さんが今、表現している爆発的な、はちゃめちゃなエネルギーがあることを認めてあげてくださいとお伝えしました。そのエネルギーと対立するのではなく和解してくださいと。それができたら、次に頑張ってきた自分を毎日褒めて、毎日何かささやかでいいので、ご褒美をあげてくださいとお願いしました。

息子さんの存在にもありがとうと感謝し、笑顔をイメージしてください、それもお伝えしました。

それから、幼少期の自分を思い出していただいたのですが、なかなか思い出せなかったみたいで、周りの人に聞いたら、天真爛漫でお茶目な女の子だったと教えてくださいました。

天真爛漫で、「お茶目で、自由でいたかった本質のTさん」と、「我慢強く、人に頼らず、全て自分が抱え込んでしまうことによって、自分を守ってきた別人格のTさん」別人格さんは、実家にいた頃からずっと、彼女が周りの重圧でつぶれないように支えてくれていたのですね。

息子さんのはちゃめちゃな、現実が、どう変わったかは本当に驚いたのですが、1ヶ月ぐらい、Tさんが、息子さんの現象を自分の内面意識として受けいれ、自愛のワークを続けたところ、ある日突然、息子さんは入室禁止にしていたゴミ屋敷の部屋を片付けはじめ、アルバイトも探してきて、何事もなかったかのように、過ごせる毎日になったようでした。

このようなケースはその後、何件もありました。

子供さんや身近な人の問題行動と思える現象の中には実は、大きなヒントがたくさんあり、自分自身の切り離した人格の統合のチャンスでもあると思います。

前回も記載しましたが、今の時代、身近な人が心の病や、その予備軍になり、家族として、苦しまれていらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思います。

もちろん、医療機関での受診、診断は大切ですが、それを見守っている家族の立場で、出来ることはいくつもあると思います。何か出来ることがある事がわかるだけで、気持ちのゆとりや救いになりますね。

今回の症例を振り返り改めてそう感じました。

 

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