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「リスクマネージメント人格」のはなし

2024-01-30 13:48:06 | 人格統合

今回のお話は、「リスクマネージメント人格」のお話になります。

 

40代未婚女性。

裕福な実家暮らしをしています。

 

彼女は、恵まれた環境にいながらもいつも心のどこかにポッカリ穴が空いたような空しさを感じていました。

 

そんな時に、あるスピリチュアルなワークで出会った自分よりもかなり年下の男性に一目惚れしてしまいました。

彼女はこれまで一度もそのような若い年下男性とのお付き合いの体験がなかったので、戸惑いを抱きながらも、彼からも好意を持たれていたので、お付き合いを始めました。

 

最初の3ヶ月は夢のような毎日でした。お付き合いも順調で、このままいけば、もっと親密になれて、将来は、諦めていた結婚もあり得るかもしれないと感じはじめていました。

 

しかし、そんな折に、目の前にライバルが現れてしまいます。彼と同じぐらいの若い可愛らしい女性でした。

この女性は、彼女が、彼とお付き合いをしているのを知りながら、彼に急接近していきました。そして、彼も次第に、その女性を意識し始め、彼女に対する態度が次第に曖昧になっていってしまいました。彼女は、怒りと嫉妬でいっぱいになってしまいます。

 

さて、普通に考えると、若い彼女が彼に近づいていき、彼の気持ちが靡いていった。よくある話の展開ですね。

 

そのような状況の中で彼女はセッションを受けてくださいました。

 

いろいろと話を伺っていく中で見えてきたことは、彼女が、無意識に彼との未来を壊そうとしていた事でした。

 

「年が離れている彼に、このままいくと、いつか捨てられてしまうのではないか、そんなことになったら、みじめだ。何とか自分が深みにハマらないうちに傷つかないように身を守らないといけない」

 

彼女をずっと守ってきた別人格、いわゆる「リスクマネージメント人格」が、彼と親密になりたいという彼女に囁き続けて、彼女の思いを壊そうとしていたわけです。

 

実は信じられないかもしれませんが若い彼女の出現に、彼女の別人格はとても喜んでいたのです。

 

この、彼とさらに親密になりたいという本質の思いと、彼との関係を傷つく前に終わらせたいという別人格の、相対する思いがあった事に、彼女は最初とても驚かれました。

自分の中にこんな矛盾した思いがあったのか!

若い彼女と、彼を恨むような気持ちがあったけれど、自分の無意識が創り出していた世界だったのかと納得されました。

 

彼女は、自分が怖れている事が何であるかをゆっくり認めていきました。

そして、この怖れは、これまでの若い時の恋愛や対人関係で深く傷ついていた、過去の痛みであること、そうならないように、守ろうとしてくれていた別人格さんに、心から感謝しました。

 

そうして、もう成長した自分は、別人格さんに守ってもらえなくても、何が起きてもそれを受け入れる覚悟があることを改めて感じ、別人格さんにも心配しすぎないようにと伝える事ができました。

別人格さんは、私たちが大人になっているのに、いつまでも子供であるから、守ってやらないと思っているんです。それは、小さい時に創った人格だからでしょうね。

 

このように、「リスクマネージメント人格」を持っている方はとても多いのですが、先回りして、先回りして、傷つかないように守ろうとするので、結果的にチャンスを逃しがちになってしまいます。

 

彼女の場合、その後どうなったかと言えば、自分を過剰に守らなくても大丈夫と思えた事で、彼との関係性は、元通りスムーズにいくようになっていきました。

近づいていた若い彼女さんとの関係は深まらなかったようです。

このようなケースは、とても多いです。

ビジョンを描き、夢を叶えようとしてもなかなか叶わない時、何故こうなってしまうのか、そのメカニズムがわかれば、現実に大きな変化がうまれますね。

 

 

 

 

 

 

 

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