突然の飛び立ち

私の働くカフェはお年寄りお客が多い。
おしゃれではない普通の古い感じが安心に繋がるのか、、、

年寄り中心のウオーキンググループの待ち合わせ場所であったり。
語学を習っている仲間が集まったり。
女学生時代の同窓会に使われたり。
ボーイスカウト時代からの仲良しが揃ったり。


色々なくくりの年寄りのグループが集う。


ボーイスカウトの仲間は爺さん中心なのだが、時にはそれぞれの奥さんも参加。
中に目が見えない爺さんがいて、彼の手を引く奥さんは、爺さん仲間のマドンナのようにも見えた。
この爺さん達は特別で、カフェの大きすぎる一切れのケーキを半分にして半額で提供。
カフェにとって地味ではあるが、大事なお得意様。


本日も集まりがあった。
遅れて来た爺さんの1人が、フィルターコーヒーを注文。


「 仲間の1人が欠けちゃったんだよ。」


え？
欠けちゃった？？


「 みんな若くはないわけだし。運命なんだけど、、、ね、、」

う、、、、
それって、、、、



爺さんグループは、取り乱す事もなくこの事実をそのまま受け止めているようであった。
そこには時には笑いも。











目が見えない旦那様を支えて来たあの奥さん、、、、
心臓発作で突然。
倒れてそのまま、飛び立った。。。との事。

目が見えない旦那様を残して、、、、



私はこの人達の事は顔しか知らない。
名前も知らない。
しかし、なんだか泣けて来た。