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スイレン

 大平公園の池に咲く「スイレン(睡蓮)」。スイレン科スイレン属の水生植物で、スイレンという呼び名は固有種ではなく属名になる。日本にはヒツジグサ(未草)という白花の固有種があるが、写真は多くの温帯スイレンの園芸種のうちの“Pink Wonder(ピンク・ワンダー)”と呼ばれるものだろう。
 さてハスとスイレンは両者とも水生植物であり、多数の花弁や雄蕊を持つ大型の花ということで古典的にはハスはスイレン科に含まれていた。しかし雌蕊の特徴など異なる点も多く、クロンキスト体系ではハス科として分けられた。APG体系では旧スイレン科の中で雌蕊を複数持つ植物をジュンサイ科として別の科としている。これは旧スイレン科が単系統ではないからではなく、花の構造が大きく異なる点が重視されたと考えられている。ちなみにスイレン科とジュンサイ科が入るスイレン目は、現生の被子植物においてアンボレラに続いて2番目に分化した植物群になる。つまり系統樹(系統図)で示すと、かなり初めのほうに記載されており、最後のほうに分化したキキョウ科、キク科、スイカズラ科、セリ科などとは遠いところに位置している。
(伊藤元己・井鷺裕司著『新しい植物分類体系 APGでみる日本の植物』より一部引用)
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ムシトリマンテマ・1~果実

 松が谷高校西側の階段下道路脇に群生している「ムシトリマンテマ(虫捕まんてま)」。ナデシコ科マンテマ属の一年草もしくは越年草で、名の由来は、茎の一部に粘液が付いている帯状の部分がありここに小さな虫が付くという意味で付けられたが、食虫植物ではない。おそらく蟻などの昆虫が茎を登って花粉や蜜を食べにくるのを防ぎ、蝶や蜂など受粉の手助けをするものを優先していると思われる。写真では粘液の部分に何か植物の種髪が付いている。
 写真は果実の様子だが花は夕方から夜に咲くので、特に午前中に活動する私は花に出会うチャンスが無い。来年は夜の花を何とか見に行こう。以前、ピンク色のムシトリナデシコ薄紅色のシロバナマンテマを昼間に撮っているが、本種のムシトリマンテマは白い花で全くの別物。ちなみにこの仲間で夜咲くタイプにはツキミマンテマ(月見まんてま)がある。
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