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ネジバナ・1~花

 日当たりの良い芝生や道端で見られる「ネジバナ(捩花)」。ラン科ネジバナ属の多年草で、捩じれ方が右巻きのもの、左巻きのもの、またほとんど捩じれていないものなど個性溢れている。小さな花を肉眼では観察しにくいが、やはりラン科の花の特徴をしっかり持っている。上部にピンク色の背萼片があり、その下に重なるように側花弁が2枚ある。両サイドのピンク色は2枚の側萼片で、前に突き出た半透明の部分が唇弁と呼ばれるもの。上部の側花弁の下に雄蕊と雌蕊が重なっており、雄蕊の先端には接着剤の付いた花粉塊がある。
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クサノオウ・2~果実

 ケシ科クサノオウ属の「クサノオウ(瘡の王・草の黄)」。春から黄色い花を目立たせているが、既に果実も出来ていた。果実は蒴果で長さは4~5センチ。熟すと中から種枕の付いた1.5ミリほどの種子が多数出てくる。
 さてケシ科には、同じ形をした4弁の花を咲かせるヒナゲシのグループと、より複雑な花を持つケマンソウやコマクサの仲間がある。新エングラー体系及びクロンキスト体系ではともにケシ目を認めており、新エングラー体系ではケシ科のほか、フウチョウソウ科、アブラナ科、モクセイソウ科、ワサビノキ科などを含む構成で現在のアブラナ目に近かった。クロンキスト体系では、花の形態が大きく異なるという理由でケシ科とケマンソウ科に分けられ、ケシ目にはこの2科のみが含まれた。ところがAPG体系では、ケシ目はキンポウゲ目に含まれケシ目の名前は消滅した。新エングラー体系でアブラナ科と近い位置にあると考えられていたケシ科は、APG体系ではアブラナ科が中核真正双子葉類バラ類にあるのに対して、ケシ科のあるキンポウゲ目は真正双子葉類の最基部に位置しており、ケシ科はAPG分類で大きく位置づけが変わった分類群のひとつとなった。
(伊藤元己・井鷺裕司著『新しい植物分類体系 APGでみる日本の植物』より一部引用)
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