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アケボノソウ・1~葉

 リンドウ科センブリ属の「アケボノソウ(曙草)」。私は3年前に軽井沢町植物園で初めて見たが、ここ多摩ニュータウンでは見られない花だと諦めていた。しかし地元情報で『数年前に長沼公園で見たというのを聞いたことがある。』という極めて曖昧な話を聞き、それなら何としても見たいと思っていた。すると先日、当地の植物に詳しい方から『ついにアケボノソウを見つけましたよ。』との朗報。花期にはまだ早いがとりあえずその場所だけは確認しておこうと探索に出掛けた。大まかな場所は聞いたものの何せ公園面積は362,470㎡と10万坪を超える広さ。それに北側の“長沼口”と南側の“野猿の尾根道”の標高差は100メートルもある。そのジャングルのような緑一色の夏の森の中で草丈わずか30~40センチの株を見つけるのは至難の業だが、藪を漕ぎ、沢を登り降りした末、ようやく写真の株を見つけた。葉は互生し特徴ある葉脈がある。これはアケボノソウに間違いないだろう。アケボノソウはセンブリなどと同じく二年草であり、この場所でずっと咲いてくれるかどうかはわからないが、まずは秋の開花を待とう。
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イロハカエデ・5~ムクロジ科

 首都大学東京の雑木林に生育する「イロハカエデ(伊呂波楓)」。ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の落葉高木で、秋の紅葉は見事だが、新緑やこの果実の様子を見るのも楽しい。以前、3つの翼がある果実を見つけたこともあった。
 さてAPG体系でカエデ科とトチノキ科が消滅しムクロジ科となったのは驚きだった。これはムクロジ科に入れられていた中国原産のブンカンカ(文冠果)がカエデ科とトチノキ科と他のムクロジ科を合わせた群の外側に来ることで、これら全てをムクロジ科として扱うようになったことによる。
 しかし従来のカエデ科とトチノキ科とブンカンカを除いたムクロジ科はそれぞれ独立した植物群であることも明らかになってきており、ブンカンカをブンカンカ科として独立させ、カエデ科、トチノキ科、ブンカンカを除くムクロジ科を認めたほうが良いという意見も出ているが、最新版のAPGⅣでもムクロジ科のままになっている。
(伊藤元己・井鷺裕司著『新しい植物分類体系 APGでみる日本の植物』より一部引用)
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