ヒノキバヤドリギ・4～雌雄花

　秋葉台公園のエゴノキに寄生している「ヒノキバヤドリギ（桧葉宿り木）」。ビャクダン科（←マツグミ科）ヒノキバヤドリキ属の常緑低木で、節間に小さな花を咲かせていた。雌雄同株で中央に見えるのが雄花。そのすぐ右下に見えるのが雌花だろう。ヒノキバヤドリキは葉が退化して無くなり扁平の茎に葉緑素があり光合成を担っている。茎の幅は3～4ミリなので雄花の直径は0.7～0.8ミリ。雌花は更に小さく直径は0.3～0.4ミリ。

カナビキソウ・2～果実

　ビャクダン科カナビキソウ属の「カナビキソウ（鉄引草･金挽草）」。半寄生の多年草で写真は長池公園“姿池”畔のもの。果実は長さは4～5ミリのつぼ形になり、中に丸い種子がひとつ入っている。香木として知られるビャクダン（ビャクダン科ビャクダン属）も半寄生性で、実生は自力で芽生えるがその後宿主の根に寄生する。
　従来の植物分類体系では、ビャクダン科、ヤドリギ科、オオバヤドリギ科はすべて寄生植物から成っている。新エングラー体系ではオオバヤドリギ科はヤドリギ科に含まれていたが、クロンキスト体系ではヤドリギ科から分離され、またヤドリギ科はビャクダン科に統合された。APG体系におけるビャクダン科にはカナビキソウ属のほか、ヤドリギが属するヤドリギ属、ヒノキバヤドリギが属するヒノキバヤドリギ属、ツクバネ属、ビャクダン属などがある。

ヤマハタザオ

　長池公園“つくいけの道”の草むらに咲く「ヤマハタザオ（山旗竿）」。アブラナ科ヤマハタザオ属の越年草で、名前の似ているハタザオとは別属になる。草丈は40～50センチで、大きくなると80センチにもなるようだ。花径は7～8ミリの十字花で葉や茎には毛が多い。河川敷や造成地に生育するハタザオは多摩丘陵ではほとんど見られなくなったが、ヤマハタザオは雑木林の林縁などで点々と残っている。長池公園では姿池の畔にも生育している。
　さて話は大脱線するが、NHK朝の連続テレビ小説『エール』を毎日見ている。40年以上に亘る私のサラリーマン生活は、朝、6時には家を出て午後8時過ぎ（時には深夜も）に帰宅するというパターンで、この連続テレビ小説には全く縁が無かった。小学生時代の『おはなはん』（昭和41年）や、大学生時代の『鳩子の海』（昭和49年）、『水色の時』（昭和50年）、『雲のじゅうたん』（昭和51年）などは断片的に見ていたが、評判だった『おしん』（昭和58年）は見たことが無かった。何故か『ひらり』（平成4年）、『ちりとてちん』（平成19年）、『ゲゲゲの女房』（平成22年）、『あまちゃん』（平成25年）、『マッサン』（平成26年）、『あさが来た』（平成27年）などはストーリーに記憶があるので、おそらく録画して週末に纏めて見ていたのだろう。
　今は新型コロナ対策による時差通勤や在宅勤務により朝の放映時間には家に居るのでニュースに続いてそのまま『エール』になる。物語は昭和の大作曲家／古関裕而氏がモデルということで、とても興味深い。子供の頃の『モスラの歌』（昭和36年）や『オリンピック･マーチ』（昭和39年）を覚えているが、それが古関裕而氏の作曲と知ったのはずいぶんあとのこと。今週は氏の出世作となる『紺碧の空』（昭和6年）が生まれる話であり、18歳の頃から前期高齢者寸前の今日までずっと歌っている身としては見逃すわけにはいかない。応援部に1年だけ在籍していたというNHK近江友里恵アナが2番まで歌えると言っているが、当然私もしっかり覚えている。ライバル校の『若き血』も早慶戦で良く聞いたのでこれも歌うことができる。（当時は下品な替え歌『♪♪バカき血に燃ゆる者　狂気満てるヤツら　銀座の女給に　うつつを抜かし　共に歩くその姿　見るもあさまし　見よ低能の集う処　猥褻の意気高らかに　さえぎるものなきを　低能　低能　三田の色魔　低能』で歌っていました。関係者の皆さん、ごめんなさい。悪気は全くありませんでした。彼らも『♪♪バカ田、バカ田～』で返していましたので、どっちもどっちでした。）

『紺碧の空』　作詞:住治男　作曲:古関裕而
『若き血』　作詞･作曲:堀内敬三　昭和2年
（JASRAC許諾期間終了のため歌詞省略）

オオバウマノスズクサ・1～開花

　奥高尾“もみじ台南巻き道”に生育する「オオバウマノスズクサ（大葉馬の鈴草）」。ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属のつる性多年草で、その名の通り長さ10～15センチの大きな葉が特徴。花は管楽器のような形態をしており、花弁のように見えるのは萼片で花弁は無い。萼片の内側には紫褐色の血管のような縞模様がある。