元サラリーマンの植物ウォッチング第5弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part5
ブナ・2~高尾山4号路
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0b/a0/c55061f759c2a7bd71109aacfb9c47c3_s.jpg)
標高599メートルの高尾山ではイヌブナが多く生育しているが、ブナはそれほど多くないものも70本を超える数が確認されている。高尾山登山道を境に南側斜面(2号路南側・3号路など)は日当たりが良く常緑広葉樹林になっているが、北側斜面(2号路北側・4号路・いろはの森コースなど)は一転、落葉広葉樹林が拡がっており、イヌブナやブナが見られる。ブナは1号路の標高380メートル付近から見られ、ケーブル山頂の高尾山駅(標高470メートル)では“駅前ブナ”が間近に見られる。
そもそも標高の低い高尾山にブナが生育している理由のひとつに富士山噴火説がある。日本は1万年前の氷河期以降、小さな寒暖を繰り返しながら次第に現在の温暖な気候になっているが、江戸時代に小氷期があったとされている。この頃、ちょうど富士山噴火(宝永大噴火:1707年)があり、低温多雪が一定期間続き、その間にブナの種子が南下して高尾山にブナが芽生えたのではないかと考えられている。高尾山のブナは花も咲きドングリもできるが、残念ながら温暖化もあり今の環境では、新しく芽生えて成長する若木は無い。“元禄ブナ”と呼ばれていた巨樹は老齢化で枯木化が進み2011年の台風で倒れてしまったと聞く。今残っているブナも次第に数が減っていく運命なのかも知れない。写真は“いろはの森コース”のもの。
※ぶなの漢字は木へんに無。
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