ラン科オニノヤガラ属の「アキザキヤツシロラン(秋咲き八代蘭)」。秋に草丈5~6センチで目立たない花を咲かせ、花後は草丈が25~30センチに伸びて茎頂に果実が稔る。果実は熟すと縦方向に6つに割れ中の種子を飛ばす。果実の長さは2センチほどで、綿くずのような種子は長さ1~2ミリ。微かな風で飛ばされていく。アキザキヤツシロランやクロヤツシロランの花は地上近くに生息する昆虫がポリネーターになるために低く咲き、受粉後は果実を高い位置に持ち上げて種子を少しでも遠くに飛ばそうという戦略を取っている。
傘平緑地に生育している「コハウチワカエデ(小葉団扇楓)」。ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の落葉中高木で樹高は5~6メートル。同属のハウチワカエデは10メートルを超える高木になり葉の大きさは人の掌よりも大きくなるので、これはコハウチワカエデで良さそうだ。葉身は7~8センチあり掌状に7~11裂する。
高尾山“4号路”の途中にある“みやま橋(吊り橋)”から見上げると「オニイタヤ(鬼板屋)」の高木がある。谷の斜面に生えていて樹高は15メートル以上はありそうだ。望遠レンズで撮って更にトリミングした。ムクロジ科(→カエデ科)カエデ属の落葉高木で葉身は20~25センチ。葉先は浅く5~7裂する。オニイタヤはイタヤカエデの一種で、この仲間には他にアカイタヤ、イトマキイタヤ、エンコウカエデ、エゾイタヤ、タイシャクイタヤ、ウラジロイタヤなどがあり“板屋”の名前は大きな葉が良く繁り板で葺いた屋根のように見えることに由来している。