#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Tom Jobim】Ligia

2010-02-06 | Photo-diary
 君を夢見たことはない
 Eu nunca sonhei com você
 今まで映画を観た事がない
 Nunca fui ao cinema
 サンバは好きじゃないし イパネマには行かない
 Não gosto de samba não vou a Ipanema
 雨降りは好きじゃないし 太陽も気にいらない
 Não gosto de chuva nem gosto de sol

 君に電話したことはないし 僕の知るかぎりでは試したことがない
 E quando eu lhe telefonei, desliguei foi engano
 わざわざ恋なんて愚かなこと
 O seu nome não sei
 しようと思ったこともない
 Esquecí no piano as bobagens de amor
 誰かが君に告げるようにはね
 Que eu iria dizer, não ... Lígia Lígia

 穏やかな昼下がり
 Eu nunca quis tê-la ao meu lado
 手を繋ぎ君と出掛ける
 Num fim de semana
 コパカバーナのバーで冷えたビールを
 Um chopp gelado em Copacabana
 レブロンまで海辺を歩く
 Andar pela praia até o Leblon

 僕は夢中になったことはない これまでも
 E quando eu me apaixonei
 君と結婚するかもしれないなんて
 Não passou de ilusão, o seu nome rasguei
 避けられない問題として  僕はひどい痛みに苛まれることになるだろう
 Fiz um samba canção das mentiras de amor
 最後に君を失うから
 Que aprendí com você É ... Lígia Lígia

 僕は苦しむことになる
 最後に君を失う酷い痛みに

 Lyric by Chico Buarque

【YouTube】Ligia / Tom Jobim

      ●

2月6日、土曜日。
肌寒くも陽光が心地よく差し込む朝。

昨日は東京ビッグサイトで展示会撤去のバイト。
ここは冷凍庫か…と思うような、凍てつく潮風が吹きすさぶ。

カラダの芯まで冷たくなって、
ひもじい気持ちで新木場の駅から自転車で帰る。

夜中の明治通り、静まりかえった夢の島の倉庫地帯。
凍えた不惑のオトコの背中に、追い討ちの夜風の洗礼。

…世間は容赦ない。

せめて心だけでもあったまろうと
ipodでお気に入りのトランペッター五十嵐一生を聴く。

      ●

流れてきたのは「LIGIA」。
アントニオ・カルロス・ジョビン+シコ・ブアルキの名曲。

シーンとした国道で、ボクの耳からミュートの音が漏れる。

♪穏やかな昼下がり 手を繋ぎ君と出掛ける
 コパカバーナのバーで冷えたビールを レブロンまで海辺を歩く

頭の中にブラジルの陽差しが差し込んでくる…。

南国の甘い旋律、君との恋…。そよ風に揺れる椰子の木。
片手にはビールの小瓶…甘い香りがただようビーチで、
手をつないで、そぞろ歩き。

「…あああ、そうだった。」
寒空の下で、南国の記憶をひもとく。

イギリス人の友だちは今頃、
ブラジルの光の中、
カポエイラのリズムに身体を撓らせているだろう。

…トロっと、涙が心の中であふれる。

違和感とか異和感とか、言葉を紡いで
いろいろ考えをまとめようとしていたけど、
そうなんだよ、この充足の時…。

太陽に溶け込むような、地球との一体感。

音楽の旋律ひとつで、こんなにも呼応しあえる。

…ああ、がんばろう…。

この一瞬の至福のときを求めて、
ボクは呼吸し、生きている。

Jobim、すばらしいよ、あなたは。

Comment (1)
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