青年団若手自主企画vol.66 伊藤企画『星降る夜に猿は哭く』@アトリエ春風舎
作・演出/伊藤 毅
写真UPしました。
【on_Flickr】0512_HOSHI-SARU
gojunkoの公演でつながった伊藤毅さんの詩的な戯曲『星降る夜に猿は哭く』。
散文詩的なプロットの連続で、会話の端々から登場人物の人間関係をひもとく。
小劇場にありがちな相関図やら、前説などの文章説明もなし。
役者陣も大仰に声を張り上げたり、大きな身振りで大上段に構えたりしない。
照明だって、劇的なスポットを浴びせたり、バックライトでシルエットが浮かんだり…といった演出も皆無。
茨城県M市の男女の日常が、微妙に絡みながら淡々と展開していく。
時間軸も会話に含まれるコトバから憶測して、
(おそらく5年後…)(これは前世…)(これは死後…)と、
自分なりに見定めるしかない。
情報過多で何事にも明文化しないと気が済まない昨今の事情からすると、
不親切な部類の作品だと思う。
でもだからこそ、観る側の自由度が拡がり、
いろんな背景を勝手に作り込みながら話の展開を楽しむことができるのだ。
それを支える役者たちのブレない演技がすばらしい。
余白が散りばめられているからこそ、
一つ一つのプロットでは「これが真実」と思わせる感情の起伏がガツーンと客席に伝わってこないと、
舞台について行けなくなるのだけど、
セリフからはみ出た感情までもが、
ちょっとした仕草に含まれていて(いや、その仕草こそが本物だ…と思わせるものがあって)
ドキリとさせられっぱなし。
じんわりと沁み込んでくる作品でした。
演劇って日常の照射から観るモノをハッとさせる力があって、
そういう新たな視点の問いかけが、
ひとりひとりの日常に思考をうながすキッカケになる。
その積み重ねが社会の行く末を左右するのだと思うと、
こういった作品はもっともっと沢山の人に観てもらいたいな…と思う。
次作も楽しみにしてます〜伊藤さん。
出演/木崎友紀子 太田宏 石松太一 小瀧万梨子 緑川史絵 森山貴邦 由かほる 李そじん(以上、青年団)
海老根理(ガレキの太鼓) 岡野康弘(Mrs.fictions)
舞台美術/鈴木健介
照明・方言指導/井坂浩
音響/泉田雄太
制作/赤刎千久子
作・演出/伊藤 毅
写真UPしました。
【on_Flickr】0512_HOSHI-SARU
gojunkoの公演でつながった伊藤毅さんの詩的な戯曲『星降る夜に猿は哭く』。
散文詩的なプロットの連続で、会話の端々から登場人物の人間関係をひもとく。
小劇場にありがちな相関図やら、前説などの文章説明もなし。
役者陣も大仰に声を張り上げたり、大きな身振りで大上段に構えたりしない。
照明だって、劇的なスポットを浴びせたり、バックライトでシルエットが浮かんだり…といった演出も皆無。
茨城県M市の男女の日常が、微妙に絡みながら淡々と展開していく。
時間軸も会話に含まれるコトバから憶測して、
(おそらく5年後…)(これは前世…)(これは死後…)と、
自分なりに見定めるしかない。
情報過多で何事にも明文化しないと気が済まない昨今の事情からすると、
不親切な部類の作品だと思う。
でもだからこそ、観る側の自由度が拡がり、
いろんな背景を勝手に作り込みながら話の展開を楽しむことができるのだ。
それを支える役者たちのブレない演技がすばらしい。
余白が散りばめられているからこそ、
一つ一つのプロットでは「これが真実」と思わせる感情の起伏がガツーンと客席に伝わってこないと、
舞台について行けなくなるのだけど、
セリフからはみ出た感情までもが、
ちょっとした仕草に含まれていて(いや、その仕草こそが本物だ…と思わせるものがあって)
ドキリとさせられっぱなし。
じんわりと沁み込んでくる作品でした。
演劇って日常の照射から観るモノをハッとさせる力があって、
そういう新たな視点の問いかけが、
ひとりひとりの日常に思考をうながすキッカケになる。
その積み重ねが社会の行く末を左右するのだと思うと、
こういった作品はもっともっと沢山の人に観てもらいたいな…と思う。
次作も楽しみにしてます〜伊藤さん。
出演/木崎友紀子 太田宏 石松太一 小瀧万梨子 緑川史絵 森山貴邦 由かほる 李そじん(以上、青年団)
海老根理(ガレキの太鼓) 岡野康弘(Mrs.fictions)
舞台美術/鈴木健介
照明・方言指導/井坂浩
音響/泉田雄太
制作/赤刎千久子