佐竹宏樹|Hiroki SATAKE
‐花は野にあるように‐@江古田nohako
2016年5月13日(金)- 6月5日(日)
金・土・日曜日の13:00-19:00オープン
アートのワークショップでつながり、
最近はボクの写真にインスピレーションを得た作品も制作された佐竹宏樹さんの個展へ。
「花は野にあるように」は千利休の四規七則から付けられたタイトルで、
佐竹さんの姿勢が見事に昇華されたコトバ。
描かれる方との関係性を築き、
その方の過去現在未来を含有した1枚のタブローを抽出、
佐竹さんの細やかな手法を駆使した三原色の「花柄」で讃え、
その親和性を世界に押し広げよう…という、息の長いアプローチ。
1本の花がやがて野に広がるように、
ひとつの親和が「花柄」とともに世界へと広がっていく。
身近な人々との関係の全肯定が、世界への全肯定をもたらす…。
1枚のタブローに封じ込められた思いの深さと時間の堆積が、
その方々のシルエットから滲み出ている作品群でした。
瞬間瞬間の火花のような関係性ばかりが飛び交う消費社会にあって、
そのタブローには100年後を見据えた「祈り」の感情がしっかり宿っていて、
「時間」との向き合い方を考えさせられました。
「欲望」も「経済」も同様ですが「時間」に対してもそうで、
欲すれば欲するだけ→与えられた分では満足できず、
結果→欠乏感だけがしこりとなって鎮座するのだ…と。
おのれに与えられた「時間」を慈しむことが、
結果→悠久の時を体感することにつながる…と。
現代社会のすべてが摩耗していく理由が見えたように思います。