函館山から北側へ最初に住居があるのが船見町だ 船見町から派生した坂道は北隣にある
弥生町を通ってから弁天町や大町を経て海に着く。
山の最西部は入船町に囲まれており船見町は文字通り海に浮かぶ船を見る高台にある。
古くから開拓されたようで海を臨む外人墓地が有名だ。
弥生町も古い町だけあって歴史的建造物がある
この回は2町一緒に紹介します。
紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。
ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。
「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。
「函館市立弥生小学校」 旧弥生尋常高等小学校 *函館の建築探訪NO63
所在地 弥生町4-16
建築年 昭和13(1938)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
初代の弥生小学校は明治15年創建で学校としての歴史を持つ
函館大火により鉄筋コンクリート造りで昭和13年再建
そして老朽化により平成22年に解体された。
函館大火により鉄筋コンクリート造りで昭和13年再建
そして老朽化により平成22年に解体された。
現在の校舎は旧校舎の外壁を一部利用して平成24年、再建し新校舎となる。
旧校舎風に再建したので初めて見る者にとってはレトロモダンに見えるが
以前から知っている人にはどううつるだろうか。
以前から知っている人にはどううつるだろうか。
とはいえ角を湾曲させたり丸窓があったりデザインの秀逸さがわかる
加えて4階建てという当時の函館がどれだけの人がいたのかをうかがえる。
加えて4階建てという当時の函館がどれだけの人がいたのかをうかがえる。
残念ながら校舎内は入ることが出来ないが
階段のつくりなど内部の意匠も見てみたいものだ。
階段のつくりなど内部の意匠も見てみたいものだ。
2022年6月撮影
「小川家住宅付属土蔵」 *函館の建築探訪NO76
所在地 弥生町18-5
建築年 大正元(1912)年
指定等 市歴史的景観賞
開館時 なし
未訪問
「N氏家住宅」 *函館の建築探訪NO78
所在地 弥生町21-10
建築年 昭和9(1934)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
施主先代は能登出身で、函館に拠点を置いて千島・樺太など北洋で漁業を営んだ
この地に自宅を建てたが、大火により解体。
この地に自宅を建てたが、大火により解体。
その後、新たに主屋と借家3戸を新築した。
通り側に洋間を設け奥には土蔵がある
借家部分は各室に出窓がつき、当時としてはかなり上級の借家であったらしい。
借家部分は各室に出窓がつき、当時としてはかなり上級の借家であったらしい。
2022年6月撮影
「大正湯」 *函館の建築探訪NO82
所在地 弥生町14-9
建築年 昭和3(1928)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 15:00〜20:00
定休日 月、金曜日
定休日 月、金曜日
ご覧の通りピンク色がまぶしいくらいの銭湯である。
訪問時は土砂降りの雨に見舞われ、せっかくのきれいな色もあせてみえるのが残念。
訪問時は土砂降りの雨に見舞われ、せっかくのきれいな色もあせてみえるのが残念。
基本的には函館に多い上下和洋折衷の住宅を銭湯にした感じだ
入り口上部屋根の切妻が建物のいいアクセントになっている。
入り口上部屋根の切妻が建物のいいアクセントになっている。
このような外観なので内部もきっとレトロ感があるのだろう
今回は湯川温泉に宿泊したので、別所に宿泊するならぜひ利用したい銭湯である。
今回は湯川温泉に宿泊したので、別所に宿泊するならぜひ利用したい銭湯である。
2022年6月撮影
「I氏家住宅・店舗」 *北海道建築物大図鑑
所在地 弥生町8-16
建築年 大正13(1924)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
とてもあざやかな外壁の色は、平成11年に改修工事を行ったもの
またその時に、創建時はあった縦長窓が撤去されていたが、3箇所の縦長窓が再現された。
またその時に、創建時はあった縦長窓が撤去されていたが、3箇所の縦長窓が再現された。
と同時に胴蛇腹と軒の持ち送りも再現された。
隣の元木材店と一緒に通りにレトロモダンの趣を与えている。
2022年6月撮影
「高田木材店」
所在地 弥生町8-14
建築年 大正6(1917)年
指定等 なし
開館時 なし
正面に入り口が4つある大きな洋風建物だ
かつては複数世帯で暮らしていたが現在は1世帯が所有しているようだ?
かつては複数世帯で暮らしていたが現在は1世帯が所有しているようだ?
住宅に使用したのは木材店の前か後かは不明だが
1階の一部を木材店にして当初から複数世帯が住めるように区分けされていたかも知れない。
1階の一部を木材店にして当初から複数世帯が住めるように区分けされていたかも知れない。
隣のI氏宅とともに目立つ存在であるが、実は通りのこちら側は全建物とも色や材質に特徴のある
建物群となっている。
建物群となっている。
土砂降りのため全部撮影するゆとりが無かった。
2022年6月撮影
「旧函館市立西小学校、西中学校」
所在地 弥生町12-1
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
函館市は児童数の減少および建物の老朽化に伴う学校再編により,西小学校が平成21年3月,西中学校が平成30年3月に廃校となり,その跡地活用について検討を行ってきているが、
西小学校校舎は解体、中学校校舎は再活用を検討しているらしい。
西小学校校舎は解体、中学校校舎は再活用を検討しているらしい。
両校の建築年は未調査だが、やはり中学校のほうが新しいので活用するらしい
弥生町のように平地で大きな敷地が少ない場所では閉校跡は貴重な再建築の場だろう。
弥生町のように平地で大きな敷地が少ない場所では閉校跡は貴重な再建築の場だろう。
小学校は3階、中学校は4階あり建設当時の函館の人口増がわかるようだ。
2022年6月撮影
「ペリー広場にある建物」
所在地 弥生町2
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
ペリー広場とは、1854年(安政元年)米国のペリー提督率いる黒船5隻が函館に来航。その150周年を記念してペリーの立像が設置された広場。
その端に廻りの歴史的建物や一般住宅とは違う建物がある
どうみても歴史的建物とはいいがたいが、側面にある小さな窓に注目した。
どうみても歴史的建物とはいいがたいが、側面にある小さな窓に注目した。
縦になったり横になったりの規則的な配置
そこが嵌め殺し窓になっているようで面白く思わず写真を撮った。
そこが嵌め殺し窓になっているようで面白く思わず写真を撮った。
階段室と思われるが、似たような建物が札幌にあり、つい昨年に解体された。
2022年6月撮影
「Y氏家住宅」 旧川畑家住宅 *函館の建築探訪NO77
所在地 船見町9
建築年 大正11(1922)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
全体的に洋風の住宅のようだが1階の正面が和風の出格子窓になっている。
ほかに門柱や塀も和風の要素が見られる。
外壁はきれいに再塗装され、ひときわ目立つ住宅である
一般住宅で二階にこれだけ縦長窓があるのは珍しいのでは?
一般住宅で二階にこれだけ縦長窓があるのは珍しいのでは?
山側は再塗装されてはいないが、かえってその歴史をアピールできそうだ。
2022年6月撮影
「旧函館市立道南青年の家」 旧ロシア領事館 *函館の建築探訪NO83
所在地 船見町17-3
建築年 明治41(1908)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
旧ロシア領事館ということもあるが、この建物は函館の歴史的建造物の中でも
貴重なものだと思う。
貴重なものだと思う。
レンガ造りと多少色あせたが白い漆喰の縁取り、1階玄関屋根は中央がむくみ両端が反っている唐破風と和風の意匠を使っている
幸坂の港が見える高台にあり、ちょうど自衛艦が入港していたところ。
幸坂の港が見える高台にあり、ちょうど自衛艦が入港していたところ。
アーチ型の連窓からみる昔の港はどんな感じだったのだろう。
2022年6月撮影
「高龍寺本堂ほか」 *函館の建築探訪NO84
所在地 船見21-11町
建築年 明治33(1900)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時
未訪問
「外国人墓地」 *函館の建築探訪NO85
所在地 船見町23
建築年 安政元(1854)年
指定等 歴風文化賞
開館時 フリー
外国人墓地の始まりは、安政元年にペリーが来港した際に二人の水兵が亡くなった
遠く母国アメリカに通じる海を臨むこの高台に埋葬されたのが始まり。
その後、プロテスタント墓地、ロシア人墓地、中国人墓地が設けられた
海側と山側を一周できるが墓地内には入ることは出来ない。
海側と山側を一周できるが墓地内には入ることは出来ない。
2022年6月撮影
「旧函館検疫所台町措置場」 旧函館消毒所事務所 *函館の建築探訪NO86
所在地 船見町25-18
建築年 明治18(1885)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「ティーショップ夕日」が営業中
10:00~日没まで 定休日 木、金曜日
函館の検疫は明治10(1877)年にコレラの侵入を防ぐため、検疫所取扱事務所が臨時的に設けられたのが始まり。
その後、平成3年まで検疫伝染病が発生する際の隔離、停留、消毒などの業務が行われた。
現在の建物は、かつてあった塀を撤去し屋根や外壁の補修がされている
ピンク色に塗られた歴史的建物は意外とあるがその代表でもある。
ピンク色に塗られた歴史的建物は意外とあるがその代表でもある。
現在は「ティーショップ夕日」が日没まで営業をしており
内部を見るために夕方に行って見たが臨時休業だったのが残念だった。
内部を見るために夕方に行って見たが臨時休業だったのが残念だった。
2022年6月撮影
「函館中華山荘煉瓦堀」 *北海道建築物大図鑑
所在地 船見町23
建築年 大正8(1919)年
指定等 なし
開館時 なし
中国の外国人墓地はレンガ塀で囲われている
「函館中華山荘」は函館に居住していた貿易商が遺体の埋葬のため
開拓使から466坪の土地を借りたことに始まる。
「函館中華山荘」は函館に居住していた貿易商が遺体の埋葬のため
開拓使から466坪の土地を借りたことに始まる。
塀はイギリス積みにしたレンガが長く続き
入り口の見事な門柱が現存しており、管理は代々華僑団体が行っている。
入り口の見事な門柱が現存しており、管理は代々華僑団体が行っている。
2022年6月撮影
「ごはんおやつ シプル」
所在地 船見町7-24
建築年 不明
指定等 なし
開館時 11:30~20:00(L.O.19:30) 日曜営業
定休日 水曜日・第1第3木曜日
定休日 水曜日・第1第3木曜日
一般住宅として建築されたと思われるこの建物は常盤坂の上部に位置しており
角地ゆえ坂下の景色がきれいに見えるそうだ。
角地ゆえ坂下の景色がきれいに見えるそうだ。
1階2階とも出窓を配し、玄関や塀など1階が和風
胴蛇腹があって2階も和室のように見えるがどうだろう。
胴蛇腹があって2階も和室のように見えるがどうだろう。
シプルは2018年12月オープンした古民家カフェで
和食の料理が好評らしいので次回の函館訪問には行って見たい。
2022年6月撮影