末広町は元町から坂を下りて海との間にある街。
港湾商業都市では港側に倉庫群と問屋街があり
次に大型の金融施設がある
その周りにも小売店舗や関係者の住宅などがある
末広町にはそのような建物があり、小樽市の「北のウォール街」に近いと思う
紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。
「旧茶屋亭」 旧近藤商店 *函館の建築探訪NO31
所在地 末広町14-28
建築年 明治末期
指定等 伝統的建造物
開館時 7月~9月まで 11:00~17:00
10月~6月まで 11:30~17:00
定休日: 不定休
10月~6月まで 11:30~17:00
定休日: 不定休
旧茶屋亭には2019年にカフェ利用をしている
家具調度品もそれに合わせたものを使用しており、メニューにも工夫がうかがえる。
2階も小物の展示室があるが、それを見ようと今回の旅行行程に入れたが
残念ながら定休のため見ることは出来なかった。
残念ながら定休のため見ることは出来なかった。
旧茶屋亭といえば建物左ハジにある1台分の駐車スペースと「うだつ」が創建時を表せている
ステンドグラスはカフェの開業時に入れたものらしい。
可能な限り様々な建物の屋内に入れるなら入りたいが、今回は数を増やすため
やむを得ず撤退した。
2019年5月、2022年6月撮影
「函館ヒストリープラザ(金森洋物館)」 旧金森倉庫1号2号 *函館の建築探訪NO32
所在地 末広町13-8.16
建築年 明治42(1909)年
指定等 道指定有形文化財、伝統的建造物、歴風文化賞
開館時 【物販店】9:30~19:00
いわゆる「ベイエリア」の中心的建物として、波止場に向かい横一列に5棟並んだレンガ造りの倉庫が目に入る
これが旧金森倉庫で「函館の建築探訪」では2つに分けて掲載している。
歴史的建造物の一覧をみると「金森」と名がついたものが多いことに気が付く。
元々は「明治2年(1869年)初代・渡邉熊四郎、函館市大町に洋物店を開業。屋号を森屋、商標をとした。」と
金森倉庫HPに記されている。
元々は「明治2年(1869年)初代・渡邉熊四郎、函館市大町に洋物店を開業。屋号を森屋、商標をとした。」と
金森倉庫HPに記されている。
2022年6月撮影
「函館ヒストリープラザ(金森ホール、金森亭、函館ビアホール)」 旧金森倉庫3号4号5号 *函館の建築探訪NO33
所在地 末広町14-16
建築年 明治42(1909)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 【物販店】9:30~19:00
【函館ビヤホール】平日11:30~21:30(ラストオーダー21:00)
【函館ビヤホール】平日11:30~21:30(ラストオーダー21:00)
土日祝11:00~21:30(ラストオーダー21:00)
年中無休
年中無休
5号のホール以外は各種テナントが多く入居し、ベイエリアのランドマークになっている
夜はライトアップされた姿が美しいが飲食店以外は19時で閉まるので注意を。
夜はライトアップされた姿が美しいが飲食店以外は19時で閉まるので注意を。
特にビアホールは観光客に人気がある。
2022年6月撮影
「金森商船(株)倉庫」 *函館の建築探訪NO34
所在地 末広町14-13
建築年 大正5(1916)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
金森倉庫群と連なって建っており、同一の建物のように見えるが
こちらは鉄筋コンクリート造りである。
鉄筋コンクリート造りの倉庫としては市内で最も古く
倉庫にしては特徴があるファサードだった。
倉庫にしては特徴があるファサードだった。
右隣に少し映っているタイル地の建物が事務所。
2022年6月撮影
「古稀庵」 旧渡辺商店 *函館の建築探訪NO35
所在地 末広町13-2
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 2022年6月現在休業中
外観も綺麗でライトアップもされていたが、現在の活用は中止中のようだ。
以前は全17室のペンションとロビー奥にはカフェバーもあった。
向かって左隣にあったペンション棟は解体され和洋折衷の部分だけ残っている
元は海産商である「渡辺商店」の店舗として建築された。
能登半島から職人を呼び、ヒノキを贅沢に使った建物であるそうだ。
2022年6月撮影
「高田屋嘉兵衛資料館1号2号」 旧田中家コンブ倉庫 *函館の建築探訪NO36
所在地 末広町13-22
建築年 明治36(1903)年 大正12(1923)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時
9:00~17:00 |
木曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、冬季休館の場合あり ※新型コロナウイルスの影響で、当面のあいだ休館 |
料金 | 大人(高校生以上)300円、小人(小・中学生)100円 |
北前船の高田屋嘉兵衛の業績と貴重な資料を展示している
元は江戸時代に高田屋の造船所があった跡地に明治になって田中家が
コンブ倉庫として建てた蔵。
コンブ倉庫として建てた蔵。
有料ではあるが貴重な資料が多いようなので
次回は見学しようと思う。
次回は見学しようと思う。
2022年6月撮影
「ザ・グラススタジオイン函館1号2号」 旧宝興業・旧轟工業 *函館の建築探訪NO37
所在地 末広町14-2
建築年 明治43(1910)年 明治41年(1908)年
指定等 伝統的建造物
開館時 10:00~16:00(グラススタジオイン函館)10:00~17:00(いろは)
定休日 不定休
レンガ造りの工房は、元は明治館(豊川町 旧郵便局)にあった古い倉庫を
移転して転用したものだ。
ここで製作したガラス工芸品を隣の店舗で販売していたが現在は未確認。
店舗は現在「いろは」になっており、和洋折衷建物は1階が和風、2階が洋風の函館に多い建物である
ささら子下見板や格子戸で和風を表現している。
ささら子下見板や格子戸で和風を表現している。
2022年6月撮影
「箱館昆布館」 旧田中商店 *函館の建築探訪NO38
所在地 末広町12-8
建築年 昭和5(1930)年
指定等 歴風文化賞
開館時 2022年6月現在改装工事中
田中商店は海産商で、ここは店舗であった
鉄筋コンクリート造りで重厚な感じをうける。
その後はマンション業者に買い取られたが、地元市民によって買い戻され
函館らしい建物にと平成3年に昆布の資料館となった。
函館らしい建物にと平成3年に昆布の資料館となった。
建物の左ハジに大きな昆布のオブジェがあるのはこの時に作ったのだろう。
現在は「街角new culture」としてイベントの開催などを手掛けているようだ。
2022年6月撮影
「深谷米穀店」 *函館の建築探訪NO39
所在地 末広町14-6
建築年 大正6(1917)年
指定等 伝統的建造物
開館時 現在はスペイン料理の飲食店「La Concha(ラ・コンチャ)」が入るが
2022年6月現在休業中
2022年6月現在休業中
この界隈はかつて問屋街であった
主に海産商が多いが、米穀店として問屋街を商売相手にしたのだろう
主に海産商が多いが、米穀店として問屋街を商売相手にしたのだろう
建物は典型的な函館の和洋折衷建物で、1階2階で違う下見板張りを使用している。
とても姿がよく背後の倉庫群と合わせると映えるのでは。
とても姿がよく背後の倉庫群と合わせると映えるのでは。
2022年6月撮影
「函館海産商同業組合事務所」 *函館の建築探訪NO40
所在地 末広町15-3
建築年 大正9(1920)年
指定等 市景観形成指定建築物、歴風文化賞
開館時 なし
大正から昭和期にかけて、この周辺は銀行や百貨店など函館経済の中心地であった。
この建物は当時でも現在でも目立つ存在ではと思う。
コンクリート造りに見えるが木造3階建てで、正面両側が緩いアーチになっており、中心は窓上に三角の装飾を。
一面に縦長窓を多用しており裏側も同様である
一面に縦長窓を多用しており裏側も同様である
こうして裏側をみると中心部をくぼませているのが分かった。
2022年6月撮影
「北斗ビル」 旧目貫商店 *函館の建築探訪NO41
所在地 末広町17-15
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 テナントによる
ビルは二十間坂の最下部、角地に建ちピンク色の外壁からよく目立つ。
昭和初期には婦人洋装店、戦後はホテルにも活用された。
十字街に面した部分を丸く造り、美しさとコンクリート造りで重厚さも醸し出す。
現在はテナントが入っており、やはり女性関係のお店が似合いそうだ?
2022年6月撮影
「青森銀行末広支店」 旧第五十九銀行函館支店 *函館の建築探訪NO42
解体済
所在地 末広町4-14
建築年 大正12(1923)年
指定等 なし
開館時 なし
「LOFT」 旧日本製網船具倉庫 *函館の建築探訪NO43
所在地 末広町4-11
建築年 大正4(1915)年
指定等 歴風文化賞
開館時 テナントによる
見た目通り、倉庫として建てられたもの
レンガ造平屋で、倉庫全体を覆うツタには驚く。
二十間坂を挟んで北斗ビルと向かい合うので対比が面白い
坂にある長い倉庫というのも珍しいかも。
坂にある長い倉庫というのも珍しいかも。
以前には美術館として使用されたが現在はインポートセレクトショップが
USA物を中心に販売している。
USA物を中心に販売している。
2022年6月撮影
「川越電化センター」 旧リューリ商会 *函館の建築探訪NO44
所在地 末広町18-23
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
川越電化センターのある場所は大三坂の上がり口にある
上部は元町に、上がり口は末広町の場合、歴史的建物が多いようだ。
上部は元町に、上がり口は末広町の場合、歴史的建物が多いようだ。
一際目に付く3連の半円型アーチが素敵だ
坂を少し上ると横面と裏面も見え、特に1階の縦長窓の意匠が何とも言えない。
坂を少し上ると横面と裏面も見え、特に1階の縦長窓の意匠が何とも言えない。
リューリ商会が建てた後に当時の川越電気商会が創建時のイメージで
復元した建物である。
復元した建物である。
2022年6月撮影
「五島軒本店旧館」 旧五島軒ホテル *函館の建築探訪NO45
所在地 末広町4-5
建築年 昭和9(1934)年
指定等 国登録有形文化財、市景観形成指定建築物
開館時 11:30~14:30 17:00~20:00
※火曜定休(一部期間を除く)。12月31日は14:00L.O、15:00閉店。1月1日・2日休店
五島軒は函館を代表する洋食レストランだ
創立当時は八幡坂の下にあり、その後現在の場所に落ち着く。
創立当時は八幡坂の下にあり、その後現在の場所に落ち着く。
外観はシンプルだが内部の装飾が見事だそうだ
よく見ると軒蛇腹や玄関の意匠などに歴史を感じさせる
今回の旅行では五島軒の利用は計画していなかったので
次回に機会があれば一番に考えたい建物である。
よく見ると軒蛇腹や玄関の意匠などに歴史を感じさせる
今回の旅行では五島軒の利用は計画していなかったので
次回に機会があれば一番に考えたい建物である。
2022年6月撮影